Webサイトページの移転に必要なリダイレクト処理は、Web担当者にとって必要不可欠な知識です。
Webサイト制作に関わるデザイナーやエンジニアが、SEOに適切なリダイレクト方法を理解していないケースがあるためです。
特に、URLの変更を伴うサイト移転をするケースでは、Googleが推奨する正しいリダイレクト処理をしないと、移転後のWebサイトの検索順位に大きなマイナスの影響を与えます。

リダイレクトの種類には、.htaccessを使用するサーバー転送や、canonical属性、meta refresh、JavaScriptなどを使用した転送方法がありますが、ケースに応じてどのリダイレクト方法を選択するのかを把握していることが重要です。

URLの変更を伴うサイト移転には301リダイレクト

ドメインが変わるURLの変更を伴うサイト移転には、301リダイレクト(永久転送)を使用します。Search Consoleのヘルプでは、HTTP301リダイレクトを推奨しています。

HTTP 301 リダイレクトを使用する: Googlebot は複数の種類のリダイレクトに対応していますが、できれば HTTP 301 リダイレクトを使用することをおすすめします。
引用元:301 リダイレクトの準備を行う

301リダイレクトを使用するべき最大の理由は、古いURLの評価を新しいURLに引き継ぐことができるからです。もちろんページランクも引き継ぐことができます。

301リダイレクトの設定は、Apacheを実行しているサーバーで、.htaccessファイルにアクセスして行います。日本の主要なレンタルサーバーでは基本的に設定可能です。

meta refreshやJavaScriptリダイレクト方法は、Googleが古いURLの価値を引き継ぐ保障がありませんので、積み重ねた被リンクなどのSEO資産がリセットされたも同然となってしまいます。

Googleのジョン・ミューラー氏はWebmaster Central Help Forumで、サイト移転時にmeta refreshを使用することを強く否定しており、出来る限り301リダイレクトを使用するように発言しています。

I’d strongly discourage from using a meta-refresh-type redirect for moving a site. If at all possible, use a 301 redirect.
引用元:Is the meta refresh set for 0 delay acceptable to use for site transfer in 2015

ペナルティを受けたら301リダイレクトでもダメ

ペンギンアップデートや手動ペナルティを受けた後に、新しいドメインを取得して古いURLから新しいURLへ301リダイレクトして、ペナルティから逃れようとしても効果はありません。

301リダイレクトは古いサイトの評価を引き継ぎますが、マイナスの要因も引き継ぎます。

Googleのジョン・ミューラー氏はハングアウトで、警告やペナルティの要因を取り除かなくては、301リダイレクトを使用してもそのペナルティごと転送してしまうと明言しています。

ただし、robots.txtでクロールをブロックしたページを経由すると、Googleからの評価を引き継がずに、サイト訪問者だけをリダイレクトすることができます。

海外SEO情報ブログの鈴木氏が紹介しているテクニックで、古いサイトの訪問者をクロールをブロックしたページリダイレクトして、さらにそのページから新しいURLリダイレクトする方法です。

  1. ブラウザ(人間のユーザー)が、ペナルティを受けた古いドメイン名のサイトのURLにアクセスする。
  2. .htaccessファイルの設定で、同じドメイン名のサイトに置いたリダイレクト用のスクリプトファイルにリダイレクトし、たとえば「RedirectScript.php?3. requestURL=requested URL」のように処理させる。
  3. ブラウザは、「RedirectScript.php?requestURL=requested URL」を再リクエストする。
    「RedirectScript.php」が、新ドメインの対応するURLへのリダイレクトを実行する。
    引用元:ペンギン対応? ペナルティを引き継がずにリダイレクトする方法