新たな集客手段として、オウンドメディアを立ち上げてコンテンツマーケティングを実施したいと考えるWeb担当者の方が増えてきています。
実施するためには基本的に、会社や部署内で企画を通し、承認を得る必要があります。

Webにおけるコンテンツマーケティングは現在のトレンドになってきているとはいえ、リスティング広告などと違って成果が出るまでにある程度時間を必要とする中長期的な手段であることや、まだまだ事例も豊富ではないことから、理解が得られにくく検討段階から先に進まないケースも多いようです。

また、前提としてコンテンツマーケティングは潜在層から顕在層への育成するマーケティングだということを理解している方が少ないが為に、直接コンバージョンが発生しないから取り組みをやめるといったケースも多くなっています。

今回は、コンテンツマーケティングを実施したいWeb担当者が会社や上司を説得するための方法について解説します。

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コンテンツマーケティングの企画が通りづらい4つのポイント

まず、改めてオウンドメディアを通じたコンテンツマーケティングの企画が何故通りにくいのかを考えてみましょう。

1.効果測定がしにくい

オウンドメディアのコンバージョンを何に設定するかにもよりますが、基本的には直接的にコンバージョンに結びついたかどうかという効果を測定することが難しい性質があるため、理解を得にくいという側面があります。

リスティング広告であれば、コストをいくらかけると何件獲得できるなど指標がわかりやすいです。
一方で、オウンドメディアはフェーズによってKPIがかわっていくことを理解できてないケースが多いです。

2.効果が出るまでの期間が長い

即効性のある広告とは異なり、メディアを成長させながら、ある程度の時間を掛けてユーザーとの関係性を築いていくという考え方であるため、当然、成果が出るまでに数ヶ月といった期間が掛かる可能性があります。
そのため、すぐに結果を求められるような状態の場合は、企画段階で検討から外されてしまう可能性が高くなってしまうでしょう。

3.コンテンツ制作に時間とコストが掛かる

コンテンツマーケティングの成否を握るのはコンテンツ質と量です。
これらを準備するためには、相応の時間とコストが掛かります。
そのため、前述の効果測定と効果が出るまでの時間に、コストの問題が絡むことによって、さらに企画が通りにくくなるという傾向があります。

4.社内にノウハウがない

コンテンツマーケティングの実施を初めて検討しているケースでは、当然ですが社内にノウハウがないため、プロジェクト進行のイメージが掴めずに判断がしにくいという状況に陥りがちです。

よくある質問9選に対する回答を考えてみましょう

コンテンツマーケティングを社内で提案した際に、会社や上司の方から質問されやすいものについてどのように回答をすれば良いかを考えてみましょう。

予算やコストに関する質問

Q1.投資対効果はどうなんだ?

A:長期的にみれば広告よりも投資対効果が良くなるでしょう。

投資対効果(ROI)について質問をされることは多いでしょう。
コンテンツマーケティングの初期段階ではROIが良くないという結果が出てしまうことが多いのですが、長期的な視点に立つと広告よりも投資対効果は高くなっていくと言えます。
これは、制作したコンテンツはサイト上に蓄積されトラフィックを生み出す資産となるからです。
コンテンツマーケティングを継続するほど、長期間に渡ってアクセスに寄与してくれるためROIが改善していきます。

短期的な数字に目を向けるのではなく、長期的な視点で費用対効果を算出して説明をしましょう。

Q2.できるだけ予算を掛けずにやる方法はないのか?

A:コンテンツマーケティングはインハウスでも実施が可能で、予算をコントロールできます。

初動では効果が見えにくいという性質がある以上、予算を掛けずにスモールスタートしたいと考えるのは自然なことです。
コンテンツマーケティングのメリットの1つに、社内のリソースやナレッジを利用して取り組むことができるという点があります。

用意するコンテンツは、普段の業務の中で社員の方々の中に蓄積しているノウハウやナレッジを記事化することで十分有益なコンテンツとすることができます。
また最近では、スマートフォンで簡単に写真や動画を撮影することができ、手軽に編集できるアプリケーションもあるため、予算を押さえた形で取り組むことができます。

Q3.リスティング広告に予算を使っていた方が良いのでは?

A:直近の獲得を目指すならリスティング広告が最適です。ただ、「すでに顕在層へのアプローチはしている」「大手企業が多くて予算が見合わないなど」といった問題もありますので、長期的戦略で考えましょう。

リスティング広告は、かけた予算に対して何件獲得できたかというように、効果測定が明確です。
つまり、直近の数字をもとめている上司にたいして長期的施策をポジティブに考えてもらうことは難しいことです。 

メディアの立ち上げ当初は当然、認知も低く検索エンジンからの流入も多くはないため、リスティング広告やその他の広告を併用しながら、メディアの立ち上げ期のトラフィックを確保するという計画を立ててみてはいかがでしょうか。

そして、徐々に自然流入や他チャネルからのトラフィックを増やすことで、将来的には広告比率を下げることにつながっていくでしょう。

成果に関する質問

Q4.始めてからどのくらいで成果が出るんだ?

A:計画通りに進行すれば開始から3ヶ月ほどで、一定のコンバージョンが発生します。

実際には「●ヶ月で成果が出ます!」と名言することは難しいのですが、弊社の事例でも、3ヶ月目くらいにはある程度のコンバージョンは発生しています。
なので、目安としては3ヶ月前後と回答するのが良いのではないでしょうか。

また、運用が始まってからはこまめに現状の数字を提示して、乖離が生じても差異が少ないうちから情報共有を行なうことが大切です。
前提として、ただやるだけでは成果に結びつかないこと、しっかりと実施することで成果に結びつくことを理解しましょう。

Q5.以前やっていたSEOと何が違うんだ?

A:旧来型のSEOと異なり、ユーザーに評価されるコンテンツを生み出すことで結果的にSEOにも影響を与える手法です。全ては自社の資産となります。

オウンドメディアの集客は、SEOソーシャルメディアからの流入を前提としたものとなります。
リンクを集めるといった旧来型のSEOとはアプローチが全く異なるものですが、ユーザーに評価されるコンテンツを提供することで結果的に検索エンジンからの評価も得ることができます。

Q6.すぐにコンバージョンに結びつかないんじゃないのか?

A.確かにすぐに成果に結びつきにくいものです。継続的にサービスを利用してくれるユーザーを育成したり、そこから獲得していく施策です。

このような質問についても長期的な視点で説得をしていく必要があります。
コンテンツが評価され、サービスや会社に良い印象を持ってもらうというステップを踏むため、成果が出るまでに時間はかかります。
その分、ファンになってもらうことで、何度もサービスを利用したり購入してくれることになります。

つまり、顧客生涯価値(LTV)でその価値を計るべき施策なのです。
中長期的に見てリピーターを増やすものとして説明を組み立てていきましょう。

制作・運用体制に関する質問

Q7.今、社内に居るメンバーで上手く回してやれないのか?

A:社員の協力を得られれば、他社のノウハウを利用することで運用は可能です。

オウンドメディアの運用は、ノウハウがあることも大切なのですが、それ以上に関わるメンバーの中で目的意識が共有されていることや、それぞれのモチベーションが高まることが成否に大きな影響を及ぼします。

そのためには、上司の方の協力を得ながら「巻き込み力」を発揮する必要があります。
影響力のある方を味方につけながらプロジェクトを進めましょう。

Q8.業務委託先はどういう基準で選定するのか?

A.Webマーケティングに精通し、パートナーとなってくれる企業を選定します。

全てを社内リソースだけで完結できるというケースは少ないのではないでしょうか。
状況に応じて、サービス設計やコンテンツ制作を外部に委託しましょう。

その際、どのような基準で委託先を選定するかが重要になってきます。

もちろんコストによる選定も行わなくてはなりませんが、「Webマーケティング」と「パートナー」という軸で選定することをオススメします。

コンテンツマーケティングは、今に始まったマーケティング手法ではなく古くから存在する手法です。
それをWebのメディアを通じて展開していくことになるため、「文章を書く」「動画を撮影する」という作業的な観点ではなく、「課題解決」といったマーケティングの考え方を持った企業を選ぶべきです。

長期的なプロジェクトになりますので、一緒にメディアを成長させていくという意識を共有できるパートナーとして考えることができるかどうかも重要な要素です。

事例に関する質問

Q9.成功事例/失敗事例を見せてくれ

A:ウェブで公開されている情報を集めましたのでご覧ください。

メディア運用経験の有無に関わらず、他社事例の提示を求められることは当たり前のことです。
ferretの中でも参考となる記事がありますので、ご覧ください。

成功事例で参考になる記事

オウンドメディアやブログ運営者必見!アクセス数が綴られた良記事15まとめ

失敗事例で参考になる記事

コンテンツマーケティングでやりがちな失敗事例5選

まとめ

コンテンツマーケティングは理解を得にくい側面も多々あります。

一方で、今回ご紹介したようびコンテンツマーケティングやオウンドメディアのメリットも多いため、今多くの企業が実施しています。
にもかかわらず、コンテンツマーケティングの本質を理解している人は少ないかもしれません。

本記事の情報がコンテンツマーケティングの実施に向けたアドバイスになれば幸いです。