IT技術が急速に成長している今、多種多様なWebサービスが登場し、それぞれ独自のマネタイズポイント(収益を上げるポイント)をもっています。

マネタイズポイントは各サービスごとに異なり、続々と新たなビジネスモデルが登場している今、どのような企業でも関係なくWeb上でのマネタイズを狙える可能性があります。

今回は、インターネットを利用した主要なビジネスモデルについて解説します。
これからWebを利用してビジネスを行おうと考えているものの、Web上でどのように収益を上げていけばいいのかわからない方はぜひ確認してみてください。

インターネットビジネスモデルは大きく分けて5つ

インターネット上で完結するビジネスモデルとしては、現状は下記の5つが現在主流です。

1.広告収益モデル
2.ネットショップ販売収益モデル
3.コンテンツ/サービス課金モデル
4.マッチングサービス(手数料)モデル
5.キャリア/ISP課金モデル

以下より、各ビジネスモデルについて、該当する事業者を例示しながら解説します。
(複数のビジネスモデルを保有しているサービスに関しては、主軸と思われるポイントに絞って紹介しています。)

1.広告収益モデル

ユーザーを集客し、広告掲載を行うことで広告主から収益を得るモデルです。
ポータルサイトやキュレーションメディア(各種情報のまとめサイト)など様々なWeb媒体で採用されているビジネスモデルで、影響力の大きいメディアほど掲載費は高くなる傾向にあり、トラフィック量やユーザーの明確さによって金額が大きく変動します。

これまではバナー広告など、ページ内の広告枠を販売する形式が主流でしたが、メディアのコンテンツになじませるような形式で配信する「ネイティブ広告」が主流となりつつあります。

参考:
【2015年最新版】インターネット広告の種類総まとめ|ferret

例:nanapi、MERY、ferret等

2.ネットショップ販売収益モデル

Web上で商品を販売し、収益を獲得するモデルです。
販売形態としては、自社でネットショップを開設し、独自に販売を行う場合と、Amazonや楽天、などのネットショップのプラットフォームを利用して販売を行う場合の2種類に分けることができます。
Amazonや楽天に出店すると、露出が増えるため、集客しやすくなりますが、その分の手数料が発生することと競合が多く差別化施策を強化する必要があり、独自店舗の場合は手数料は発生しないものの、新規で集客しなければいけないというように、それぞれでメリット・デメリットがあります。
ネットショップを開設する際は、自社製品の価格帯やターゲットユーザーなど様々な要素を考慮してプラットフォームを選定しましょう。

また、近年は「BASE」や「STORES.jp」のように手数料無料のネットショップサービスが台頭し始めています。

ちなみに、同業者として見られることの多いAmazonと楽天ですが、両社の基本となるビジネスモデルは少し異なります。
Amazonは、Amazonマーケットプレイスを開設し、事業者からの出店も受けてはいますが、基本的には自社で商品を保有、販売して収益を得ているのに対し、楽天はプラットフォームとしての機能がメインで、出店者から受け取る出店料や売上手数料が主な収益源となります。

例:Amazon、各ネットショップ

3.コンテンツ/サービス課金モデル

新聞や雑誌などと同様に、提供しているコンテンツそのものに対してユーザーが料金を支払うのがコンテンツ課金、サービスそのものに対して料金を支払うサービス課金モデルです。
コンテンツ課金・サービス課金共に、一定の領域までは無料で利用可能で、それ以上の機能を利用したければ課金する、というフリーミアムモデルで提供されることがほとんどです。

ほとんどのサービスやコンテンツを無料で利用できることが常識となっているWeb上において、それらをマネタイズポイントにおくのであれば、お金を払ってでも利用したいと思われるような質の高いコンテンツ・サービスが不可欠となります。
ファンを形成するまでに時間がかかるものの、課金ユーザーが増えていけば安定した収益を確保しやすいビジネスモデルです。

例:
コンテンツ課金:NewsPicks、cakes、LINEスタンプ
サービス課金:クックパッド、アットコスメ

4.マッチングサービス(手数料)モデル

B2C、B2B、C2C等のマッチングを行い、掲載側から報酬を得るモデルです。
マッチングモデルの収益ポイントは2つに分けることができます。

  • 送客ベース(サイト誘導、資料請求、お問い合わせフォーム・専用ダイヤルからのお問合せなど)
  • 成約ベース(商品売買の成立など)

価格.comのような商品比較サイトなどは送客ベース、メルカリやFrillなどのプラットフォームは売買が成立した時点で手数料発生するモデルが主流です。
個人でも行うことができるアフィリエイトプログラムも、送客ベースのマッチングモデルと言えます。

例:価格.com、メルカリ、Frill

5.キャリア/ISP課金モデル

回線利用や接続自体に課金するビジネスモデルです。
従量課金、定額課金の2種類存在し、ユーザーは利用するデータ量によって使い分けます。

携帯キャリアやインターネットプロバイダサービスなど、既にインフラを所有している事業者がひしめいているため、他のビジネスモデルに比べると新規参入のハードルは高いでしょう。

例:Wi-Fiサービス(WiMAX、ワイモバイル等)、携帯キャリア(docomo、SoftBank、au)

番外:サービスそのものを売却する

WEBサービスで収益化を図るには、時間がかかります。そのため近年は即収益化を狙ってサービスそのものを買収するという動きも見られるようになりました。そういった状況を利用し、ある程度収益が安定して得られるようになった場合、他の企業や個人に売却して収益を上げるということも可能です。もし、こういった収益化のノウハウを得られたのであれば、立ち上げ、収益化、売却という形で利益を上げるwebビジネスも存在しています。

webビジネスを知ることで収益化させていくことが可能

主なビジネスモデルとしては上記に挙げた5つが主流となり、各事業者は自社サービスに合わせて1つ、または複数のビジネスモデルを展開しています。

ただし、全ての事業がこの枠組に当てはまるとは限りません。近年台頭しているフリーミアムモデルの決済サービス(SPIKEやイプシロンなど)は、最初基本なサービスや機能を無料で提供し、ある一定の金額以上の決済が発生した場合に課金が発生する仕組みです。が、そのためフリーミアム的な性質で見るとサービス課金モデルに分類できますが、決済(成約)ベースで手数料が発生するという点では手数料モデルとも言えます。このような例もあるため、インターネット上でのマネタイズポイントはアイデア次第でいくらでも生み出せる可能性があります。

まずは、現状主流となっているビジネスモデルを把握し、それを踏まえたうえで、自社はどのようなアプローチができるのかを考えてみましょう。そして、収益化に成功したサービスを売却して、更なる利益を上げることも視野に入れていくことも重要です。

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