この記事は2016年6月9日に更新しています。

インターネット市場が盛り上がるなか、インターネット広告業界も順調に成長しています。
電通が毎年発表している「日本の広告費」によると、昨年、インターネット広告市場規模が初めて1兆円を突破しました。

参考:
「2014年 日本の広告費」解説―国内市場の活性化、紙とウェブの共存、そして地方創生― - 電通報

また、他メディアよりも変化に柔軟なインターネット広告ならではの傾向でもありますが、次々と新たな広告手法が登場しています。
DSP、ネイティブ広告、動画広告など、ここ数年で登場し、あっという間にネット広告の主要な立ち位置を占めるようになりました。

特に最近では動画広告を配信開始するメディアが増加しており、直近だとグノシーが既に提供している動画広告に加え、「Gunosy Premium Ads ヘッダービデオ」を6月中旬より提供開始すると発表しています。

参考:
グノシー、記事ヘッダで自動再生する「動画広告」--6月中旬から - CNET Japan

次々と新しい広告が生まれるなかで、インターネット広告全体を把握できている方は少ないのではないでしょうか。

今回は、主要インターネット広告をインターフェイス、配信形式、課金タイプ別にご紹介します。今の集客施策に行き詰まりを感じているWeb担当者の方は、媒体選定の際の参考にしてみるといいかもしれません。

目次

  1. 表示形式別
    2. バナー広告(ディスプレイ広告)
    3. テキスト広告
    4. 記事広告(タイアップ広告)
    5. ネイティブ広告
    6. 動画広告
    7. リッチメディア広告
    8. メール広告
    9. コンテンツ連動型広告
    10. リターゲティング(リマーケティング)広告
    11. リスティング(検索連動型)広告
    12. 位置情報連動型広告
  2. 課金方式別
    14. インプレッション課金型
    15. クリック課金型
    16. 期間保証型
    17. 成果報酬型広告
    18. 配信数型
    19. 広告視聴単価型(CPV)
  3. 覚えておきたいインターネット広告用語
    21. アドエクスチェンジ
    22. アドネットワーク

1.表示形式別

インターネット広告は、他のどの広告媒体よりも豊富な表示形式が存在しています。

1-1.バナー広告(ディスプレイ広告)

インターネットの最も一般的な広告です。
ホームページ内のいずれかの箇所に広告枠を設け、画像を入れ込む形式です。
一般にディスプレイ広告と呼ばれるものも、表示形式ほぼ同義です
バナー画像例

1-2.テキスト広告

その名の通り、テキスト(文字)のみで構成される広告を指します。リスティング広告メール広告が該当します。
テキスト広告例

1-3.記事広告(タイアップ広告)

記事形式の広告を指します。
雑誌でもよく見られる形式で、広告主側とメディア側のタイアップとして作成されたものは「タイアップ広告」と呼ばれる場合もあります。
記事広告の場合はメディア側の編集部で作成される場合がほとんどです。

記事広告例
通常の記事と区別するため、記事広告には「PR」と表記するのが基本的なルールとなっています。

1-4.ネイティブ広告

広告枠に出稿するのではなく、メディア内のコンテンツの中に馴染むように表示させる広告を指します。
ユーザーが広告枠を見ない傾向が強まってきた状況を受けて開発されたものです。
Facebookのフィード広告やSmartNewsやグノシーの「広告」表記のある記事がネイティブ広告に該当します。

ネイティブ広告例
他の一般記事と区別するため「広告」という表記が入っています。

1-5.動画広告

動画形式の広告全般を指します。
YouTubeで動画を再生する前に流れるインストリーム広告が浸透していますが、直近ではSmartNewsやグノシー、Antennaなども、アプリ内に動画広告枠を設置しています。

1-6.メールマガジン

サービスに登録した会員向けのメールマガジンを広告として配信する形式です。
以前はテキストのみで構成されるのが一般的でしたが、近年はHTMLを使い、画像がふんだんに使われたリッチコンテンツメルマガが主流となってきました。

メールマガジンについての詳細はこちら
メルマガ(メールマガジン)とは

1-7.リッチメディア広告

動画や音声などの動的な素材を駆使し、インパクトがあり、且つインタラクティブ(双方向性)な性質を持つ広告を指します。
何を以って「リッチ」とするかは、その時々によって変化しています。
例えば、テキストや画像などの静的なコンテンツがメインだった時代では、動画を利用するだけでインパクトを与えることができるので「リッチ」と呼べますが、動画広告が普及した現在はリッチメディア広告の枠組みとしては捉えられなくなってきました。

1-8.コンテンツ連動型広告

ユーザーが閲覧するホームページの内容やユーザーの興味・関心に合わせて配信される広告形式を指します。
基本的にディスプレイバナー)として配信される場合が多いですが、テキスト形式のものもあります。

1-9.リターゲティング広告(リマーケティング広告)

ホームページに一度訪れたユーザーに対し、継続的に広告を配信する形式を指します。
Google AdWordsが提供する場合はリマーケティング広告、Yahoo!プロモーション広告が提供する場合はリターゲティング広告と呼ばれます。
「ホームページに訪れた=関心がある」と考えられるので、関心のあるユーザーに対して繰り返しアプローチできるという効率的な広告手法ですが、しつこく繰り返すと逆にユーザーの心象を悪くしてしまう場合もあります。

1-10.リスティング(検索連動型)

GoogleやYahoo!などの検索エンジンが提供する検索連動型広告です。
ユーザーが検索行動を行った際、検索結果広告枠に表示されます。
基本的にタイトル広告文で構成されるテキスト広告の体裁をとっています。

リスティング広告についての詳しい解説はこちら
基礎知識:リスティング広告(検索連動型広告)について正しく理解しよう

1-11.位置情報連動型

スマートフォンなどのモバイル端末の位置情報サービス(GPS)を読み取り、ユーザー近辺の店舗情報などを配信する広告を指します。

2.課金形式

現在、世に出ているインターネット広告の大半は、クリック課金型とインプレッション課金型に分類することができます。
一方で、近年注目を集める動画広告は「視聴」ごとに課金が発生する仕組みとなっており、課金形式の主流も移行していくようです。

2-1.インプレッション課金型

インプレッション(配信)が発生した段階、つまり広告が表示されたら課金が発生します。
先に紹介したアドエクスチェンジはインプレッションの中でもCPM(1000回配信された段階で課金が発生する仕組み)を採用しています。

2-2.クリック課金型

リスティング広告ディスプレイ広告に適用されている課金形式で、広告を1クリックした段階で課金が発生する仕組みです。
「クリック」というユーザーのアクションが課金ポイントになっているため、インプレッション課金よりも費用対効果が高いという見方もあります。

2-3.期間保証型

特定ページヘの広告掲載を指定された期間だけ保証する形式で、クリック数やインプレッション数は料金には影響しません。主にバナー広告に適用されます。

2-4.成果報酬型(アフィリエイト・プログラム)

ホームページ上で、ユーザーが広告主の商品やサービスを購入する、あるいは何かしらで成約した段階で課金が発生する形式です。
一括見積もりなどの資料請求サービスなどは、アフィリエイト・プログラムを適用している場合がほとんどです。

2-5.配信数型

主にメルマガ広告に適用されるもので、配信数に応じて料金が変動します。
最近ではLINEでの配信も同様の料金体系がとられています。

2-6.広告視聴単価型(CPV)

動画広告に適用されている課金形式で、ユーザーが動画を視聴した段階で課金が発生します。
何秒以上再生で課金、フル再生で課金など、動画広告の種類によって課金発生ポイントは異なります。

覚えておきたいインターネット広告用語

アドエクスチェンジ

アドエクスチェンジは2010年頃に登場した配信形式で、インプレッション数(配信数)ベースで取引きされるものを指します。
アドネットワーク同様にディスプレイ広告広告枠を管理しますが、アドネットワークではばらつきがあった課金形態を「入札」方式に統一しました。
アドネットワークは、多数のメディアを束ね、それらが保有する広告枠をまとめて提供するのに対し、アドエクスチェンジはメディア単位ではなく、各メディアのインプレッション単位で提供するものです。
インプレッションが発生した段階で最も高い入札金額を付けていた広告が入札され、表示されるという仕組みです。(瞬時に入札を決めるシステムをRTB(リアルタイムビッティング)と呼びます。)
インプレッションが発生する度に入札先がきまるため、広告主側は狙った先に配信される確率が高く、効率的な広告配信が可能となりました。

アドネットワーク

アドネットワーク広告とは、ディスプレイ広告を提供しているメディアの広告枠を一括管理し、広告主側に1つのパッケージとして提供する形式を指します。
2008年にアドネットワークが登場するまでは、広告主側は自分で掲載メディアを選定しなければいけず、メディア側はPV数が少ない場合は広告を取りにくいという状況でしたが、アドネットワークの登場により、広告主側はアドネットワークが抱える媒体に一括で広告を配信できるようになり、メディア側も広告を受注しやすくなりました。
しかし、一括で配信されるため、広告主側の商材と全く関連の無いメディアに広告配信されてしまうというデメリットもあります。

まとめ

インターネット広告と他媒体の広告の大きな違いとして、テクノロジー技術の進化がインターネット広告の進化に繋がる点が挙げられます。
動画広告にしろアドエクスチェンジにしろ、テクノロジーが発展したからこそ実現できた広告です。

近年研究が進んでいるディープラーニングもGoogleが既に広告に応用しています。

今後も時代にそった広告やテクノロジーの進化による広告が登場してくるでしょう。

参考:
GTC 2015 - Googleが「ディープラーニング」に対する取り組みを紹介 | マイナビニュース

テクノロジーの進化によって、インターネット広告はよりユーザー一人一人の興味・関心に沿った最適化された広告配信ができようになるでしょう。
広告は基本的にはユーザーから嫌がられるものですが、その部分を解決していくためには、テクノロジーの進歩と同時に配信側の戦略も必要です。
自社の広告を配信するにはどの広告タイプを選べばいいのか、どのようなクリエイティブを作成すればいいのか、全てユーザー視点から考えてみましょう。

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