これまでの動画とカジュアル動画の違い

秋山:
これまでの動画はプロが時間をかけて作るイメージでしたが、カジュアル動画はどのような点が違うのでしょうか?

藤田氏:
カジュアル動画の一番の特徴はこれまでのように時間やコストがかからないため、何回でもトライ&エラーができることです。また、動画制作において何も知見がない人の場合、どうやって作るのかを悩む時間もかかります。これはカジュアル動画でも変わりません。

『LetroStudio』ではテンプレートを用意しており、そのお手本通り順番に作っていくことで業務時間の圧縮や各メディアに馴染むものが作れるようになっています。その点は大きな違いだと言えます。

秋山:
トライ&エラーを何回も繰り返すことができるのは強みですね。作る側の目線で見たとき、テンプレートが多いと逆に選べないといった悩みもありそうですが、その場合のサポートはありますか?

藤田氏:
はい、現在830本ほどテンプレートがあるため、多すぎて選べないケースはもちろんあります。我々の支援は二つで、一つ目はテンプレートをお客様の業種や施策の目的で検索できるようにしています。二つ目は、目的に合わせてコンサルティング支援をしています。動画を作る目的やゴール(KPI)、お客様の商品やサービスを理解したうえで、どのテンプレートがお客様の目的に近いのかを判断してサポートしています。

秋山:
受託業務を行なった御社ならではのノウハウが活きてますね。サポート体制としては利用者と一緒に経験値を溜めて伴走されるイメージでしょうか。

藤田氏:
そうですね。『LetroStudio』を始めて1年経ちましたが、何も知見のないお客様が動画を初めて作ったり、その動画の成果が出たりしたときの喜びをたくさん見てきました。私たちにとっても嬉しいことですので、一方的なコミュニケーションではなくお客様と一緒に歩いていくことを意識して支援をしています。

秋山:
動画広告はやってないけど、今からやりたい人に向けてカジュアル動画を運用するポイントはありますか?

藤田氏:
動画広告でいうと、カジュアル動画はじっくり観てもらうようなブランド広告には向いていません。実際に、カジュアル動画の長さは10秒程度が多いです。ユーザーもよほど興味あるものではない限り、動画広告をじっくり観ることはありません。弊社アンケートでも知らない会社の動画広告を観るのは30秒以内が多い結果となりました。

私自身は30秒でも長いと感じますが、1分の動画を配信している企業も見かけます。配信する媒体を選ぶことが重要と先ほどもお伝えしましたが、自社のコーポレートサイトの中で1〜3分の動画があるのは問題ありません。ただ、それをそのままSNS広告でも観て欲しいというのは企業のエゴになってしまうのです。

そのため動画広告を運用する場合、視聴時間は追いかける指標になりません。従来のテキストや静止画と同じくクリック、CVなどが基本的な指標になります。

運用のポイントとしては、手段を動画広告のみに絞らないことです。動画広告を1本出稿したけど成果が出なかった、なので動画を止めるとなると、せっかく取り組んだことが活かされないからです。動画と静止画のどちもやるというのが最も効果的な施策になります。

秋山:
なるほど、一つの手段における成果に捉われがちですが、トータル的に見てそれぞれを組み合わせて成果の最大化を目指すことが大切ということですね。

藤田氏:
はい、動画によるプロモーションはまだ新しいため動画を作れば広告成果も倍にできると考えてしまう企業様もいらっしゃいます。しかし、弊社はテキスト、静止画、動画は並列するクリエイティブと捉えています。テキストで刺さる人もいれば、静止画・動画で刺さる人もいる。これらをポートフォリオとして捉え、手段を1つに絞らず全体で成果の最大化を目指すことが大切だと考えています。