共生的4C

企業と企業、企業とユーザー、国と国、というように共に生きて利益だけではなく信頼を最優先事項とする自由市場経済でのマーケティングのことを「共生マーケティング」と言います。

共生マーケティングの4つの要素は、1972年に早稲田大学商学部研究科の修士論文で紹介されたことが始まりです。
先にご紹介した「4P」「4C」をより包括的に、売り手・買い手の双方の視点からマーケティングを考えるフレームワークです。

共生的4Cについても検討すると、先にご紹介した4P・4Cの双方の視点から商品やサービスについて検討できているかチェックすることができますので、こちらも合わせて理解しておきましょう。

Commodity:商品

売り手である企業側と買い手であるユーザー側が、共に商品やサービスを作り上げていくことを意味します。

Cost:価格

「constare(共に立ち上がって犠牲を払う)」という言葉が、もともとの意味です。
商品やサービスの価格や生産・販売などのコストだけではなく、社会的なコストや環境的なコストなども含めて、商品やサービスによって課されるすべてのコストを意味しています。

Communication:コミュニケーション

企業側のプロモーションだけではなく、ユーザーもSNSなどで商品やサービスに関する情報を拡散し、企業とユーザーが共に商品やサービスに「価値」を持たせることを意味します。

Channel:流通経路

流通経路としては、企業側・ユーザー側のどちらから見ても、簡単で低コストな流れを作ることが重要です。
そのためにも、実店舗とインターネットの融合が大きなポイントとなります。
それぞれの特性を活かしつつ、より最適な経路を検討しましょう。

合わせて行いたい「STP分析」

STP分析とは、商品やサービスのマーケティング手法の選択を、以下の3つの視点から検討するフレームワークです。

  • Segmentation:セグメント
  • Targeting:ターゲットユーザーの設定
  • Positioning:ポジション取り

マーケティング手法について検討する前に、STP分析を実施して市場価値が高く、自社の独自性や優位性を活用できる場所を検討しましょう。
ここで熟考することで、やみくもに商品やサービスの開発をするのではなく自社がより「勝てる」ものを検討することができます。

セグメント

ここでは、市場全体を4つの変数を軸にしてセグメントします。

  • 1.地理学変数:気候、文化、行動範囲、人口密度など
  • 2.人口動態変数:年齢、性別、家族構成、職業など
  • 3.行動変数:購買タイミング、購買目的、購買心理など
  • 4.心理的変数:ライフスタイル、価値観、趣味、パーソナリティーなど

この4つの軸を中心にセグメントを行うことで、今まで気がつかなかった市場の存在や将来ターゲットとなりうるセグメントに気がつくことがあります。

ターゲットユーザーの設定

自社のブランドイメージや価格帯などがカバーしている、ユーザーのグループを分析します。
ターゲットとなるグループは、必ずしも1つである必要はありません。
自社の商品やサービスでニーズを満たすことができ、長期的にユーザーとなりうるグループを選択しましょう。

ポジション取り

自社の消費やサービスが持つ強みや、独自性などを追及します。
ここを明確かつ具体的にできていればいるほど、長期的に市場におけるポジションを確立しやすくなります。
より強固なポジショニングのためにも、SWOT分析を活用して検討することをオススメします。

なお、SWOT分析については、ferret内の以下のページにて解説していますので、せひ参考にしてください。

参考
考えを整理するならこれ!SWOT分析をマスターしよう!