グロースハックの成功事例

Twitter

有名なグロースハックの事例の一つです。

ユーザー行動のアクセス解析により、Twitterの継続ユーザーは、平均5~7人をフォローしているということがわかりました。4人以下しかフォローしていない人は利用が継続しないのです。この結果からTwitter社は、ある程度ユーザーをフォローしてもらわなければ、Twitterの楽しさを理解してもらえないのではないかと考えました。

そこで出来上がったのが、新規ユーザー登録の際にオススメのユーザーを表示しフォローしてもらう施策です。この改善施策の実施後には、アクティブユーザー数を大きく増加させ、利用継続率も向上できました。

徹底的な分析のもと、継続的な成長が期待できる仕組みを構築したグロースハックのお手本とも言える事例でしょう。

Airbnb

今では多くの人が知っているAirbnbもグロースハックの成功例です。

Airbnbは、空き部屋を誰かに貸したい人と、宿泊する部屋を必要としている人とのマッチングサービスであり、世界中で利用されています。近年では「民泊」という言葉はすっかりおなじみですが、サービス開始当初はなかなか利用者が増えずに苦戦していました。

Airbnbは数々のグロースハックのもと爆発的な成長を遂げたのですが、中でも有名なものは、Craigslist(クレイグスリスト)というコミュニティサイトと連携させる手法です。すでに多くのユーザーを抱えるCraigslistは、ローカルの物件情報が集まっているWebサイトのため、Airbnbの宿泊先リストをCraigslistにも自動的に反映する仕組みを構築しました。

この施策は成功し大きなPR効果を生むようになったのです。エンジニアによる技術力がプロモーションを成功に導き、エンジニアの人件費以外に広告などのコストをかけずにユーザー数を増加させたところがポイントでしょう。余計なコストをかけないグロースハックらしい戦略事例です。

Spotify

スウェーデンの企業であるスポティファイ・テクノロジーが運営する音楽ストリーミングサービスです。4000万曲を超える音楽を月額料金制で提供しているものの、機能制限がある無料プランもあわせて提供することで利用者を伸ばしています。日本法人を設立し、近年ではテレビCMが放送されるほど馴染み深いサービスになりつつあります。

Spotifyのグロースハックとして注目したいところは、Facebookとの連携でしょう。Spotifyの利用登録をする際、Facebookのアカウントを持っていれば登録がスムーズになるだけではなく、Facebookのタイムライン上でユーザーが聴いている曲がわかるようになるなど、Facebookでつながっている人に対してSpotifyが認知される仕組みをつくったのです。

また、Facebookの友達がSpotifyに登録した際にSpotifyに表示するよう設定されました。単なるAPIの統合ではなく、音楽という芸術文化が根づいており、SNSによる情報拡散がスタンダードになった背景のもと、ユーザー心理をしっかりと捉えているからこそ、グロースハックが成り立ったと考えます。

Hotmail

1990年代の古い事例ですが、無料メールサービスで有名なHotmailは、グロースハックで多くのユーザーを獲得しています。その施策は、利用者のメール署名欄下のフッター部分を通じて無料でメールアカウントを開設するようにメール受信者に働きかける、というシンプルなものです。

インターネットユーザーがまだ少なかった時代に、スタートから間もなかったサービスが、1200万人ものユーザーを獲得する実績を作り上げました。広告費を費やすことなく、自社サービス内での工夫が強力な広告として機能しました。サービスを飛躍的に成長させた、インパクトのある事例です。