近年、スマートフォンやICカード、IoTの普及によりビッグデータが話題に上がるようになりました。

ビッグデータとは、文字どおり「膨大な量のデータ」を指します。
量についての明確な定義はありませんが、一般的なデータ管理ツールでは処理しきれないレベルの膨大な量のデータが「ビッグデータ」と呼ばれているようです。

「ビックデータ」と共によく話題に上がるのが*「データドリブン」*という言葉です。
データを活用するマーケティングの手法は、アクセスに関するデータを集めやすいWebマーケティングの場でも注目を浴びています。

今回は、「データドリブン」という言葉の意味と、実際の事例をご紹介します。
「聞いたことはあるけど、あまり意味はわからない」という方は是非このタイミングで押さえておきましょう。

データドリブンとは?

「データドリブン」を直訳すると「データ駆動」となり、データを元に次のアクションを決定する行為のことです。
「データドリブンマーケティング」はデータを軸にしたマーケティング手法のことを指します。

近年では、SuicaやICOCAのような交通系ICカードの利用情報や、監視カメラによる人物認識情報、GPSを利用した位置情報など、ビックデータと呼ばれる膨大な情報が溢れています。
1つのデータが持つ意味は小さくても、大量のデータとして集まれば多くのことが見えてきます。

例えば、東日本震災時のGPSから収集した人や車の動きのビッグデータは首都圏で交通渋滞がなぜ起こったのか明らかにし、今後の対策へと役に立てられています。

参考:
NHKスペシャル震災ビッグデータ*(2020年8月5日時点でページが存在しないためリンクを削除しました)*

今、データドリブンマーケティングが注目を浴びているのは、このようなビッグデータを活かそうという動きと結びついているからと言えるでしょう。

データを集積し、分析を行って今後の施策に生かしていくデータドリブンマーケティングの手法は、データを集積しやすいWebマーケティングの場でも活用できます。
ホームページの運営や、Web広告を使って成果を上げていきたい人は、ぜひ参考にしてみてください。

データドリブンマーケティングの主要ステップ

データドリブンマーケティングには4つのステップがあります。
今回は、ネットショップを行っているホームページを想定し、具体的な行動にまで落とし込んで考えてみましょう。

1.データを作る

データをもとにして施策を考えるには、まずデータを集められる環境を作らなくてはいけません。

ネットショップであれば、会員データを集める仕組みを作りあげなければ、特定の属性の人にどんな商品が売れる傾向にあるのかわかりません。
住所や氏名だけでなく、性別や年齢、興味のある分野などについて入力する会員フォームを設置したり、アンケートシステムを使って情報を集める手法が必要です。

販売した商品の情報と会員情報が結びついていれば、顧客ごとの購入した商品の傾向が明らかになっていくでしょう。
この時、ただ闇雲にいろいろな情報を集めようとするのではなく、事前にどのようなデータを取りたいのか明確にしてから取り組むことがポイントです。

2.データを集める

実際に情報を集めていきます。
この時のポイントは大量の情報を集めてきた時に、きちんと保管できるスペースを用意しておくことです。

商品の販売データや会員情報は、集積していけば膨大な量になります。その量に耐えられるだけのネット環境を用意しておきましょう。

また、対面でのアンケートなどで情報を集める場合は、社内で情報を管理できるだけの体制がなくてはなりません。
1,000枚のうちの1枚であってもアンケート用紙を失くしてしまえば、情報の精度は下がりますし、個人情報が含まれていた場合は信用問題となります。

3.データを見える化する

集めたデータをそのままにしては何の役にも立ちません。グラフや表に落とし込んで、データがどのような結果を示しているか把握できるようにしましょう。

アクセス解析ツールで取り扱えるデータ以外の小規模なデータならExcelのような表計算ソフトやデータを一覧にまとめることができるダッシュボードを利用してまとめることができます。

膨大な量を処理する際は、それに適したシステムを使いましょう。

この際にポイントとなるのは、データを抜け漏れなく見える化することです。
「30代女性ヨガ好きで、過去一週間以内にヨーグルトを購入した人」のようにカテゴリを細分化しすぎて、分析するデータの母数が小さくなりすぎないように気をつけましょう。

参考:
MECEって?ロジカルシンキングの基本的考え方を理解して思考の抜け漏れを防ごう
データを抜けなく漏れなくチェックするには、こちらの記事もおすすめです。

4.データを使う

データを可視化したら、それを元に分析を行います。
例えば30代女性の購入傾向を見た時に、11月から12月にかけて絆創膏を購入している数字が上がっていたとします。
そのデータを活用して、来年は10月中に絆創膏の在庫を増やしておくことができます。

さらに一歩進んで考えてみましょう。
「あまりケガをする年代でもない人が、冬に絆創膏を購入するのは冷水で食器洗いをして、あかぎれを起こしているのでは?」と仮説を立てみます。

データを集めた当時の気温の変化と販売の状況を見て、気温が急に下がった時に売れていることがわかったとしたら、気温と絆創膏が関連していることが明らかになります。

その場合、翌年、気温が下がる日の前に絆創膏を入荷し、用意する在庫を最低限にすることができます。
また、もしあかぎれが原因で絆創膏が売れるなら、絆創膏だけでなくハンドクリームも売れるかもしれません。

このようにデータを利用する際は仮説を立てることが大切です。
11月から12月は絆創膏が売れるから大量に入荷するというだけでは、データドリブンマーケティングとして成功しているとは言えないでしょう。

参考:
データドリブンマーケティングに求められる条件とは?
【データドリブンマーケティング入門】時代はやはりデータ分析だった
[データドリブンマーケティングのためのデータ活用4ステップ]
(http://www.ibs.inte.co.jp/webanalytics-blog/2015/12/21/data4step/)