顧客の購買履歴や属性などを分析しマーケティング施策に活かしたいものの、思うように成果が得られていない方も多いのではないでしょうか。デジタルマーケティングで収益を上げるためには、データを管理・分析するための仕組み作りや、データに基づく施策の立案などが重要です。

この記事では、デジタルマーケティングを成功させるポイントと、具体的な成功事例を紹介します。データを活用した施策で成果を上げたいマーケティング担当者の方はぜひ参考にしてください。

目次

  1. 収益を上げるためにデジタル化が必須な理由とは
  2. デジタルマーケティングを成功させるポイント
  3. デジタルマーケティングの成功事例を紹介
  4. アパレル事業やEC事業など、その他の成功事例
  5. デジタルマーケティングで顧客ニーズに合わせた施策を実行しよう

収益を上げるためにデジタル化が必須な理由とは

具体的なポイントや成功事例を紹介する前に、まずはデジタルマーケティングに取り組むべき理由を解説します。

インターネット回線の高速化やスマートフォンの普及などにより、顧客の購買行動は従来と比べてより複雑化してきました。現在では、Webサイトアプリ、店舗など複数の顧客接点があります。また、購入を決める前に検索エンジンやSNSなどで情報収集することも一般的です。

このような状況で収益を上げるためには、 顧客ごとのニーズに合わせた細かなアプローチ が求められます。顧客の購買データを分析し、適切なアプローチを効率よく行うために、デジタルマーケティングの導入が必須です。

デジタルマーケティングを成功させるポイント

単に顧客データを蓄積するだけでは、デジタルマーケティングで成果を上げることはできません。 ビジネスモデルや抱えている課題によって、 分析するべきデータや最適な施策は異なり ます。

デジタルマーケティングに取り組む際に押さえておくべきポイントは以下の3つです。

デジタル化で解決したい課題を明確化する

デジタル化でどのような課題を解決したいかを明確にし、具体的な目標を設定することが重要です。「来店率の向上」や「顧客単価の向上」、「解約率の減少」など、達成したい目標を設定しましょう。

課題を明確化せずにデジタルマーケティングツールなどを導入しても、成果を得ることができません。導入のコストや管理の手間などが増えてしまい逆効果となるケースもあります。

そのため、 自社で抱えている課題が何なのか を把握しておくことが、デジタルマーケティングで成果を上げるポイントです。施策の前後で成果を確認できるように、定量的に把握できる指標で課題を明確化しましょう。

複数の施策でアプローチする

2つ目のポイントは、「メールと実店舗」や「Webサイトアプリ」など、複数の顧客接点でアプローチすることです。

顧客の購買行動が多様化している現在では、「メール配信だけ」や「実店舗での接客だけ」など単一の施策だけでは十分な収益が得られません。顧客満足度を高め、収益を上げるためには、複数の顧客接点で最適なアプローチをする必要があります。

また、各接点で施策を別々に行うのではなく、顧客のニーズに合うように連動させることも重要です。「実店舗の購買履歴のデータをもとに、メールの内容や配信タイミングを変える」などの細かな施策が、顧客満足度の向上に繋がります。

自社に合うマーケティングツールを導入する

デジタルマーケティングを実施するためには、マーケティングツールの導入が必須です。マーケティングツールの主な機能として、顧客データの蓄積や分析、データに基づく施策の自動化などが挙げられます。

マーケティングツールには得意分野が異なる様々な種類があるため、自社に合うものを導入することがポイントです。

例えば、顧客数が数万件以上など膨大な場合は、大量のデータを高速で処理できるツールが適しています。また、実店舗を運営している企業では、POSレジなどのデータも一元管理できるツールが必要です。

この他にも、マーケティングツールを利用するユーザー数や、コスト面なども踏まえて自社に合うツールを選びましょう。

デジタルマーケティングの成功事例を紹介

デジタルマーケティングの成功事例は、自社で施策を行う際の参考にすることが可能です。以下では、PDF資料に掲載されている6社の成功事例から、2社をピックアップして紹介します。

各企業が抱えていた課題や取り組んだ施策、デジタルマーケティングによって得られた成果などをぜひ参考にしてください。

BtoB事業で顧客満足度を高めた事例

1つ目に紹介するのは、家電量販店や地域電気専門店などを対象とした事業を行うパナソニックコンシューマーマーケティング株式会社の事例です。大手家電メーカーのグループ会社である同社では、「Panasonic」ブランド商品の提案やサービス提供などを行っています。

デジタルマーケティングに取り組む以前は、顧客へのアプローチ手段が一斉メール配信しかなく、個別に最適な情報を届けられないことが課題でした。また、顧客の特性ごとに配信セグメントを作成することはできたものの、セグメントの抽出に時間がかかっていたことも課題でした。

パナソニックコンシューマーマーケティング株式会社では、これらの課題をデジタルマーケティングツールで解決し、以下のような成果を得ています。

顧客ごとのアプローチを自動化しエンゲージメントを向上

顧客ごとに細かなアプローチを行うため、カートシステムのデータや、Webサイトのアクセスログ、メールデータなどをデジタルマーケティングツールによって連携しました。

各種データの連携によって、顧客ごとに適切な情報を自動でメール配信することが可能です。例えば、かご落ちしてしまった顧客や、買い替え時期が近付いた顧客に対して、リマインドや適切な情報を送信できます。

顧客ごとのアプローチを自動化 したことで、 エンゲージメントが向上しました。

購買行動を細かく分析しアプローチ

デジタルマーケティングツールの活用により、顧客ごとの購買行動を従来よりも細かく分析することにも成功しています。

例えば、「Webサイトの特定のページに3回以上訪れている人は、どの程度の頻度でいくらの製品を購入する傾向がある」などの分析も可能です。Webサイトの閲覧から購買までの行動をデジタルマーケティングツールで可視化し、施策に役立てています。

来店率や利用頻度を高めた料理教室の事例

2つ目に紹介するのは、日本と東南アジアにおける料理教室スタジオの運営や、ECサイト運営などを手掛ける株式会社ABC Cooking Studioの事例です。

デジタルマーケティングに取り組む以前は、スタジオ外で顧客へのサポートが提供できていないことが課題でした。特に、体験レッスンを予約した人がレッスンの日時を忘れてしまい、来店に繋がらないことが、同社が抱えていた主な課題です。

デジタルマーケティングツールの導入により、以下のような成果を得ています。

体験レッスン予約者のリマインドメール開封率が改善

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株式会社ABC Cooking Studioが運営する料理教室のビジネスモデルでは、体験レッスン予約者の来店率を高めることが、収益を上げるためのポイントです。

デジタルマーケティングツールの導入により、 体験レッスン日時のリマインドメールを、顧客ごとにカスタマイズした内容で配信できる ようになりました。その結果、リマインドメールの開封率が従来よりも高まっています。

受講状況に合わせた情報発信で利用頻度が向上

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さらに、体験レッスン受講後の情報発信により、利用頻度も向上しています。

デジタルマーケティングツールの導入以前は、工数の問題から定期的な情報発信ができていませんでした。ツールの導入により、顧客ごとにカスタマイズしたメールを自動配信できるようになったことが、成果に繋がったポイントです。

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特に、レッスン受講の翌日に 予約可能なレッスン日時をお知らせするメール施策が効果を発揮しています。受講者が自分の参加できるレッスンをすぐに探し出せず、予約に繋がらないという課題を解決できました。

部署を超えた連携で新たな施策を実現

メール配信などを担当するオンライン事業部だけでなく、 店舗担当の事業部からアイデアが寄せられるようになったこと も、デジタル化で得られた成果です。

例えば、教室を利用できるチケットの有効期限に関するリマインドメールは、期限が切れる6カ月前に行っていました。しかし、店舗担当の事業部から「6カ月前だけでなく、3カ月前にもリマインドしたほうがサービス向上に繋がるのでは」という声が上がり、具体的な施策に取り組んでいます。

このように、顧客ごとのアプローチを自動化できると、顧客満足度を高めるアイデアが生まれやすくなることもデジタルマーケティングのメリットです。

デジタルマーケティングで顧客ニーズに合わせた施策を実行しよう

顧客のニーズが細分化する中で収益を上げるためには、 購買行動などのデータを基にしたデジタルマーケティングが必須です。 デジタル化で解決したい課題を明確化した上で、自社に合うマーケティングツールを導入し、顧客満足度を高めるための施策に取り組みましょう。