競合他社の存在に左右されないためには「コンセプトを守る」こと

株式会社エブリーは、「[DELISH KITCHEN](https://www.delishkitchen.tv/)」をはじめとした複数の動画メディアを運営しています。
全てのメディアはホームページのように核となるような媒体を持たず、Facebook、インスタグラム、スマホアプリなど各プラットフォームにコンテンツを流す、いわゆる「分散型メディア」形式を取っています。

分散型メディアとは?:
変わりつつあるメディアの在り方。注目の集まる“分散型メディア”とは|ferret [フェレット]

2017年1月時点で、全メディアの総リーチ数は2,500万人を突破。2015年9月に会社設立されて以降、驚くほどの成長を続けています。
動画メディアは現在隆盛期であり、競合も多数参入しています。
その中で、エブリーの動画メディア群はなぜ急成長できているのでしょうか。

山田氏(モデレーター):
なぜこんなに急拡大できたんでしょうか。

吉田氏:
一番大きかったのは、動画が見られる環境が整ったのが一番大きかったのではないかなと。
インフラもありますし、各プラットフォームが動画を推していたのもあります。

その中で、最後まで見られるエンゲージの高いコンテンツを作り続けられるかどうかが大きかったかなと思います。
広告ではなくオーガニックで見ていただけることを重視して、できるだけ多くシェアされたりコメントされたりする動画にこだわって作り続けてきました。

山田氏(モデレーター):
ほかとはどう差別化していくんでしょうか?

吉田氏:
開始当初から他にも(競合は)出てくるな、とは思っていました。
ではどう差別化していけばいいのか考えた結果、メディアのコンセプトをしっかり作っていくことが重要かなと。

「実際に使えるレシピ」という軸はブラさないようにしました。

山田氏(モデレーター):
既存業界のどのあたりからライバル視されているのでしょうか。

吉田氏:
そうですね、例えば家事が終わった後の隙間時間とか、今までのメディアが接点がなかった新しい時間をもらえてるのかなと。
メディアの総接触時間自体は伸びているので、奪い合うというよりは新たな時間を創出できているのではないかなと思います。
  

2017年、メディアは「質」の時代に

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山田氏(モデレーター):
では最後に、皆様に今年の展望を語っていただきます。

山田氏:
パブリッシャーであると同時にプラットフォームとしても力を入れていきたいですね。
現在、1日5本ぐらいは他メディアの記事も配信しています。
何のためにやっているかというと、Yahoo!やスマニューの引力は非常に強いものがあります。
メディア同士でも、お互いの読者が何を求めているのかをキュレーションしあって、輪を広めていきたいですね。

吉田氏:
僕は昨年からメディアを運営して、質をとても大事にしていました。

これから先、質は絶対に問われます。
その分、コストは上がるけど、そういうメディアだけが伸びていく状態が望ましいなと。
SNSや各プラットフォームを使いながら、映像として伝えられることを極めていきたいなと思います。
テレビCMの代わりに、デジタルの領域でどういう風にしていけばブランディングしていけば良いのかを模索していきます。

竹下氏:
今後はやはりメディア同士で連携して質を上げていかないと、メディア全体が悪くなってしまう。

アメリカではフェイクニュースが大統領選に影響を与えてしまいました。
もはやビジネスの話ではなく、私たちはどんな社会がいいのか、嘘のニュースばかりが流れていていいのかと。
そういったことを考えると、ここは踏ん張りどころなのかなと。