HeadlessCMSとは、従来のCMSに存在していたヘッド部分が存在しない新しいCMSです。専門的な知識は必要であるものの、システムの変更がしやすい、サイバー攻撃から狙われにくいなどの観点から注目度が高まっています。

「Headless CMSって聞いたことがあるけど、従来のCMSと何が違うの?」
「自社に導入してうまく運用できるだろうか」

本記事では、上記のような悩みをお持ちの方に向けて、Headless CMSの特徴従来のCMSとの違いについて解説します。
Headless CMSの特徴を理解し、自社に導入できるかどうか判断しましょう。

目次

  1. Headless CMSとは
  2. Headless CMSと従来のCMSの違い
  3. Headless CMSの必要性
  4. Headless CMSのメリット・デメリット
  5. Headless CMSの種類
  6. 【プロが厳選】Headless CMSツールおすすめ3選!特徴と料金
  7. Headless CMSと合わせて検討したいツールのご紹介

Headless CMSとは

Headless CMSとは、フロントエンド(別名:ヘッド)が存在しないCMSを指します。従来のCMSとは異なり、APIを通じてコンテンツ配信を行うため「次世代型CMS」と呼ばれています。

WordPressを代表とする従来のCMSは、Webサイトのユーザーが目にするフロントエンドと、コンテンツを入稿するバックエンドが一体となっていました。Headless CMSは2つの機能のうち、バックエンド機能のみが独立して存在しています。

従来のCMSではフロントエンドとバックエンドが同一のCMS上で管理されているため、双方に影響がでない範囲での改修しかできませんでした。フロントエンドとバックエンドが分かれているHeadless CMSでは、それぞれの作業環境に応じた自由度の高いシステム変更が実現可能です。

▼Headless formを導入するならformrunがおすすめ!

バックエンド機能とセキュリティ構築が不要!フォーム作成ツール「formrun」|formrun

30万ユーザー突破! フロントエンド開発だけで自由にフォームが作れる「formrun」

エンジニアの負荷を大幅に軽減できます。まずは無料でスタート!

Headless CMSと従来のCMSの違い

Headless CMSと従来のCMSの違い

Headless CMSと従来のCMSの大きな違いは「マルチデバイスに対応できるかどうか」です。Headless CMSは管理機能のみしかないため、表示画面は別に用意をしなければならず、専門知識が必要です。しかしその分、表示画面の自由度が高まり、従来のCMSでは難しかったさまざまなデバイス・チャネルへの対応が可能になります。

従来のCMSは同じコンテンツを別のソフトウエアやデバイスに配信したい場合、フロントエンドの大幅な改修が必要でした。サイト改修の手間や工数がかかってしまうのは、ユーザーと開発企業の両方にとって大きなデメリットです。

一方、Headless CMSでは、バックエンドに入稿したコンテンツを、APIと呼ばれるインターフェースを通して配信します。APIとは、異なるソフトウエアやデバイス同士をつなげる仕組みです。APIを活用することで、Webブラウザ、iOSアプリAndroidアプリ、IoT機器など、デバイスに合わせてコンテンツを配信できます。

Headless CMSの必要性

Headless CMSの必要性

新型コロナウイルス拡大以降、国内でDX化の推奨やオンラインサービスの需要が高まったことが、Headless CMSが必要とされるようになった要因です。企業がオンラインサービスを拡充し始めたことにより、ユーザーはさまざまなサービスをオンラインで受ける機会が増えました。

オンラインサービスをストレスなく利用するためには、Webサービスでの画面表示速度がポイントです。そのため、データファイルのやり取りが必要がなく、表示速度が早いHeadless CMSのニーズが高まりました。

また、オンラインサービスが拡充した結果、Webサイトアプリを狙ったサイバー攻撃も年々増加傾向にあります。

国立研究開発法人情報通信研究機構が2022年に観測したサイバー攻撃関連通信数は、5,226億パケットでした。2015年に観測したサイバー攻撃関連通信数と比較すると8.3倍の件数です。(参考:総務省『サイバーセキュリティ上の脅威の増大』第2部 情報通信分野の現状と課題

従来のCMSはフロントエンドとバックエンドが一体となっているため、サイバー攻撃をされた際にデータベースや管理画面にまで影響が出てしまう脆弱性がありました。

Headless CMSはフロントエンドとバックエンドが分離しているため、サイバー攻撃者が内部的な構造にアクセスすることは困難です。サイバー攻撃のターゲットになりにくいため、セキュリティ向上が期待できます。

Headless CMSのメリット・デメリット

Headless CMSのメリット・デメリットを紹介します。導入後にシステムを運用できないといった事態にならないよう、メリットだけでなく、デメリットも理解しておきましょう。

紹介するメリット・デメリットを参考に、Headless CMSの導入が必要かどうか判断してください。

Headless CMSのメリット

● 対応デバイスの制限がない

Headless CMSには、対応デバイスの制限がありません。APIを通してデータを出力することで、さまざまなデバイスやチャネルに対応可能です。

たとえばiOS用に開発したアプリケーションをAndroidアプリケーションで提供したい場合でも、Headless CMSであれば同じコンテンツを配信できます。

ブラウザのみでなく、複数のアプリケーションやデバイスなどにコンテンツを配信したい場合は、Headless CMSがおすすめです。

● システムの責任範囲が明確になる

Headless CMSはシステムの責任範囲が明確になる点がメリットです。

Headless CMSはバックエンドの機能のみを保持しているため、フロントエンドとは切り分けて構築します。サイトにトラブルが発生した場合に、フロントエンドとバックエンドのどちらに原因があるのかを特定しやすいのが特徴です。

従来のCMSはフロントエンドとバックエンドが一体になっているため、トラブル発生時の原因追求が難しい点が課題でした。また、フロントエンドとバックエンド双方の影響を加味して改修をしなければならないため、効率的に作業が進められないデメリットがあります。

Headless CMSを導入すれば、トラブルが起きても迅速な対応が可能です。

● UXの向上が期待できる

Headless CMSでは、UXの向上が期待できます。UXとは、User eXperienceの略で、ユーザーがシステムを通して得る体験のことです。ユーザーにとってストレスフリーなサービスを提供するためにも、重要なポイントです。

従来のCMSでは閲覧用ファイルを生成するため、処理に時間がかかっていました。一方、バックエンド機能のみであるHeadless CMSには、閲覧用のファイル生成処理が必要ありません。

サーバーの処理スピードを速められるため、従来のCMSと比べてコンテンツを素早く表示できます。なかなか画面が表示されず、ユーザーがページから離脱する危険性を軽減できます。

Headless CMSのデメリット

● プレビュー表示機能がない

Headless CMSにはプレビュー表示機能が存在しません。コンテンツを作成するときにプレビュー確認したいのであれば、別途フロントエンドを構築する必要があります。

従来のCMSよりもプレビュー表示までの過程が複雑になる点は、Headless CMSのデメリットです。

● エンジニアの対応が必要

Headless CMSの導入には専任のエンジニア対応が必要です。Headless CMSではフロントエンド開発に、HTMLJavaScriptをはじめとするプログラミング言語を使用します。知識がない非エンジニアが対応するのは困難であるため、社内にエンジニアが在籍していない場合は新たに採用が必要です。

従来のCMSからHeadless CMSに切り替える場合は、社内で人的リソースが確保できるか事前に確認しておきましょう。

● 幅広く知見のある人材確保が必要

Headless CMSを導入する場合は、Webサイト構築において幅広く知見のある人材を確保しなければいけません。Headless CMSを使用してサイト構築をする際は、バックエンドとフロントエンドの両方の開発を行います。そのため従来のCMSでは必要性が低かったAPIやWebデザインなどの幅広い知見が必要です。

従来のCMSと比べて、導入ハードルが高くなってしまいます。

▼Headless formを導入するならformrunがおすすめ!

バックエンド機能とセキュリティ構築が不要!フォーム作成ツール「formrun」|formrun

バックエンド機能とセキュリティ構築が不要!フォーム作成ツール「formrun」

フロントエンドにフォームを埋め込むことが可能。まずは無料でスタート!

Headless CMSの種類

Headless CMSの種類は、大きく分けて以下の2種類が存在します。

  • CaaS型
  • Self-Hosted型

それぞれの特徴を理解し、Headless CMSの選定に活かしましょう。

CaaS型

CaaS型とは、運用会社がサーバーやデータベースを提供するサブスクリプション型のHeadless CMSです。サーバーやデータベースの手配が不要で、すぐに利用が開始できます。

クラウド上に存在するサーバーやデータベースの管理は運用会社が行うため、保守にかかる手間や人的リソースを削減できる点がメリットです。また運用会社のサポート体制が充実しているため、初めてHeadless CMSを導入する場合でも、安心して利用できます。

デメリットとしては、月額料金が発生するため長期的に見るとコストがかかる点が挙げられます。

Caas型はHeadless CMSを運用できるか不安な企業や、適宜サポートを受けたい担当者におすすめです。

Self-Hosted型

Self-Hosted型は、サーバーやデータベースを自社で用意するHeadless CMSです。自社にサーバーやデータベースがあることで、コードの書き換えが自由に行えるため、自由度の高いサイト構築が可能です。

Self-Hosted型は月額利用料が発生しないため、コストを抑えられる点がメリットとして挙げられます。ただし、セキュリティ対策やシステム利用を可能にするための展開など、やらなければならないことが多くなるというデメリットがあります。

セキュリティ対策に知見がある人材や、専門性が高いエンジニアを確保できる場合におすすめのHeadless CMSです。

【プロが厳選】Headless CMSツールおすすめ3選!特徴と料金

以下では、Headless CMSツールのおすすめ3選を紹介します。

  • microCMS
  • Contentful
  • Directus

❶日本企業ならではの充実サポート「 microCMS」

 microCMS

microCMS公式サイト

microCMSは、APIをベースとする日本製のCaas型Heasless CMSです。国内企業70社以上が導入、継続率90%以上を誇る人気のHeadless CMSであり、Webサイトからスマホアプリに至るまで最適な表示ができます。

国内企業が運営するmicroCMSの最大の強みはサポートが充実している点です。不明点を解決できる日本語でのチャットサポートや使用方法を勉強できるブログセミナーなど、導入後も安心して利用できる体制が整えられています。

初めてHeadless CMSを導入する企業や、運用できるか不安な担当者におすすめのHeadless CMSです。

料金プラン

  • Hobby:0円
  • Team:4,900円~/月
  • Business:63,000円~/月
  • Advanced:150,000円~/月
     

❷さまざまなプラットフォームへ柔軟に対応「Contentful」

Contentful

Contentful公式サイト

Contentfulは、多様なチャネルへの対応力を兼ね備えたヘッドレスCMSとして、世界中で高い評価を受けています。

ウェブサイトからアプリ、IoTデバイスまであらゆるデジタルプロダクトに最適なコンテンツを提供することができます。開発者にはそのカスタマイズ性と拡張性が、マーケターには簡単にコンテンツを管理・配信できる使いやすいインターフェイスが魅力です。さまざまなプラットフォームに柔軟に対応したい企業や、開発者とマーケターのスムーズな協業を目指す組織に最適です。

料金

  • Free
  • Basic:$300/月
  • Premium:要確認

❸柔軟なデータベース設計が魅力「Directus」

Directus

Directus公式サイト

Directusは、オープンソースのSelf-Hosted型Headless CMSです。専門的技術が不要な管理画面であるため、コンテンツ管理が容易に行えます。

データベースでのやりとりがメインのDirectusは、カスタマイズされたデータベースへの直接アクセスが可能です。

データ数を膨大に使用するECサイトや、電子カタログなどを構築したい場合におすすめのHeadless CMSです。

料金

  • 要確認

Headless CMSと合わせて検討したいツールのご紹介

制作したページにユーザーからの問い合わせフォームを設置したいというケースも多いと思います。そんな時は、フォーム作成ツール「formrun」がおすすめです。

formrunでは、テンプレートを利用したフォーム作成や、HTMLCSSを使って自由にデザインを調整できるフォームを作成することができます。

formrunは、フロントエンドへフォームを埋め込むことが可能です。フロントエンド改修と同時にフォームの改修が行えるようになるため、サイト全体の開発時間を短縮できます。

Salesforce・kintone・HubSpotへの連携が簡単で、面倒なAPI設定の手間が省ける点も魅力です。また、メール送信やセキュリティ開発もformrunを使えば開発不要ですぐにフォームを使用することができます。

Headless CMSの導入時には、formrunの導入もあわせてご検討ください。

ローコードでのフォーム作成について詳しく見る(エンジニア向け)

ノーコードでのフォーム作成について詳しく見る

▼formrunを使ったフォーム作成例

formrunを使ったフォーム作成例