先日、ヒートマップツールのPtengineを使ったFerretを分析(パソコン編)した記事を紹介しました。
今回は、スマホ版とパソコン版の比較を行い、デバイスの違いがユーザーの行動にどう変化をもたらすのかを分析してみました。
ちなみに、分析した記事に関しては、スマホからの閲覧がパソコンの2倍ほど多い記事です。

Ptenginの紹介や、ヒートマップでパソコン版の分析結果については、前回の記事をご覧ください。

【データ公開!】今話題のPtengineのヒートマップを使ってferretを分析してみた(パソコン編)

ユーザーがクリックした箇所の比較

スマホ版もパソコン版と同様に上部のSNSボタンが頻繁に押されていることが分かります。

ユーザーがクリックした箇所の比較

パソコン版での仮説

読む前にSNSボタンを押す理由としては、

・あとで読むためのブックマークのような使い方
・記事を読む前の習慣として
・SNS経由から記事を読むにあたりとりあえず拡散しておくなど

などが考えられます。

特にスマホ版に関しては、色の濃さから見てTwitterボタンが多くクリックされていることがわかります。

しかし、設置されているSNSボタン「Twitter、Facebook、Google+、はてなブックマーク、Pocket」の中でもTwitterボタンへのアクション数は5つのボタンのうち4番目の多さとなっているため、若干の差異があるかもしれません。
とはいえ、この数にはパソコンのデータも加味されているので、twitterのSNSボタンはスマホからの利用が高い可能性があると考えることもできます。

スマホ版はあまり記事内リンクが押されていない

パソコン版では、リンクがとにかく押されていました。特に、リンク先の内容が英語版の資料であってもクリックされていることから以下のような仮説が考えられました。

パソコン版での仮説

意図的にリンクをクリックしているというよりは、なにげなくクリックを押しているユーザーが多い、もしくは英語版の資料をどう作成しているのかなど興味本位でクリックしていることが考えられます。

一方のスマホ版に関しては、記事内にあるリンクがほとんどクリックされていません。

スマホ版はあまり記事内リンクが押されていない

仮説として、閲覧環境の違いが関係していることが考えられます。

パソコンから閲覧するユーザー:腰を据えてじっくり見れる環境(オフィス・自宅)
スマホから閲覧するユーザー:僅かな隙間時間を利用した環境(通勤時・休憩時)

つまり、このような閲覧環境の違い「閲覧に使える時間」がパソコンに比べ、スマホでは少ないということです。
そのため、スマホで閲覧しているユーザーは、複数の記事を見る時間が持てないために、パソコンに比べリンクをクリックし難いといった傾向が考えられます。

アテンションから見て分かる適度な文章量

パソコン版においては、ページの50%から徐々にブルーのゾーンが増えてきますが、スマホ版では40%から顕著にブルーや白身がかったブルー(ほとんどみれられていない)ゾーンが増加しました。

アテンションから見て分かる適度な文章量

こちらの記事の40%あたりだと約1,100文字程度になりますので、スマホユーザーにとっては1,000文字以上から流し読みや離脱が増えている可能性が考えられます。

また、パソコン版の分析で、目次の必要性が浮き彫りになったことからも目次を使って必要な情報を趣旨選択できるようにすることで流し読みや離脱が軽減できるかもしれません。

まとめ

Ptengineのヒートマップを使って分析してみると、パソコンに比べスマホユーザーの場合は、閲覧環境や時間の制限があるため、傾向として「時間をかけずに必要な情報を収集したい」ということが考えられます。

パソコンではじっくり読みたい、スマホでは端的に読みたいといったニーズに分かれることからも、双方のニーズを満たす仕組み(目次の設置など)が必要であることが分かりました。

パソコン版とスマホ版のヒートマップを確認することで、それぞれのユーザーの行動の違いの把握や今回のような改善ポイントも浮き彫りにすることができます。