通販に見る「4C」

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顧客目線の理論「4C」とは

「顧客視点」というキーワードに付随して、「4C」という理論が出されることがあります。

4C」とは、アメリカのエコノミスト、ロバート・ローターボーン(Robert F.Lauterborn)が、1993年に新たなマーケティング手法として提唱した理論で、「Consumer value(顧客にとっての価値)」「Cost(顧客が支払う額)」「Convention(顧客にとっての利便性)」「Communication(顧客とのコミュニケーション)」の頭文字をとって名付けられています。従来あった、Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(販促)の頭文字を取った「4P」という売り手主体の「いかに売るか」という概念に対して、「いかに買うか」という買い手主体の概念を提示したのが特徴です。

通販であれば、このようにあてはめることができるでしょう。

◎ 通販における「4C」とは

・Consumer value(顧客にとっての価値)
品揃えの豊富さ、欲しいものがいつでもある、他では買えないものがあるetc

・Cost(顧客が支払う額)
他店・他サイトより安値、手の届く価格で買える、余分な費用がかからないetc

・Convention(顧客にとっての利便性)
24時間購入できる、支払い方法と配送日時を選べる、梱包が丁寧etc

・Communication(顧客とのコミュニケーション)
困ったときにいつでも教えてもらえるチャットサービスがある、他

これは、インターネット通販でも、従来型のカタログ通販でもTV通販でも、同じようにあてはめられます。
  
参照:
4C|ferret マーケティング用語辞典
  

伸びる企業のマーケティングのカギは「4C」

顧客の多くは、「4C」の中の1つ以上を求めています。「4C」に満遍なく対応することが難しくても、いずれか1つに特化して強化することで、顧客の求めるものに応えることができ、ひいては差別化にもつなげられます。

躍進中のインターネット通販事業者の代表格、Amazonでは、下記のとおりです。

Amazonの例

・Consumer value
「ロングテール戦略」と呼ばれる、大きなニーズのある人気商品だけでなく一部の人にしか売れないニッチな商品まで用意している品揃えの豊富さ

・Cost
一般の小売店より安く買えることが多い価格設定、一部無料配送

・Convention
配送までの速さ、決済までの簡単さ、梱包方法への工夫

・Communication
24時間対応のカスタマーサービス

Amazonは、サービス開始当初からこれらの要素を全て備えてはいませんでした。そして、利用者の書き記すコメントや商品の購入動向などから徐々に整えていき、導入決定後は迅速に「4C」にあたる要素を加えていっています。

創業者でありCEOであるジェフ・ベゾスは、購入者から届くメールを自分で読むこともあるほど顧客視点を徹底しています。Amazonではこのトップの姿勢が、世界各国で国ごとの特徴に合わせて設定されたWebサイトの隅々にまで反映されているのです。そして、これはAmazonだからできたこと、Amazonに限る話ではありません。

ほかの企業でも、顧客視点の重要性を認識し、顧客視点を意識した通販サイト運営・マーケティングを行うことで、競争の激しい通販市場において、優位に立ち、成長企業になれる可能性があるのです。