はじめまして。クロスフィニティ株式会社でエバンジェリストとして、セミナー講演や執筆を通じ、SEOの啓蒙活動をしている松野と申します。

今回よりferretにて、SEOに関する記事を寄稿することになりました。最新のトレンドはもちろん、業務に役立つ情報を記事を通じて発信していきますので、ご期待ください。第1回目は「Google検索結果(SERPs ※1)」をテーマにお送りします。

※1 SERPs=Search Engine Result Pages(検索結果ページ
  

2017年2月にGoogleから公式にアナウンスされた"日本語検索に関するアルゴリズム"や、昨年に発表された"モバイルファーストインデックス(MFI)"など、SEOを取り巻く環境は日々変化し続けています。とはいえ、引き続き、SEOにより検索結果で上位表示を実現することで自社の見込み顧客となるユーザーWebサイトに誘導してくる重要性というのは変わりません。

ただ、もちろん変化している部分もあります。それが「SEOGoogleの自然検索で1位を目指す」という考え方だけでは不十分になりつつあるという実情です。その理由はいたってシンプルで、Google検索結果(SERPs)が変化しているからにほかなりません。

そこで今回は、検索結果(SERPs)の変化について、ならびに今後のSEO事情についてご紹介します。ディレクターの方もエンジニアの方も、Webにまつわる業務を担当されている方にオススメです。ぜひ普段の業務にお役立てください。
  

Google検索結果(SERPs)の変化

2016年2月、PCにおけるGoogle検索結果における広告表示枠に変化がありました。

元々はSERPs右側にも広告枠がありましたが、そちらが廃止され、キーワードによっては、本来縦に3つ並んでいたプレミアムポジションに、4枠目が表示されるようになりました。
  
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▼2016年2月における広告枠の変化▼

  
こうしたSERPsの変化が、自然検索に何をもたらすのでしょうか。実際に、こちらの変化があった後の自然検索1位のキーワードにおけるクリック率(CTR ※2)を調査しました。

※2 CTR(Click Through Rate)=クリック率
  
その結果、広告枠表示の変化以降、自然検索に1位表示されているサイトのCTRが低下していることがわかりました。
  
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▼ある非ブランドキーワードでのクリック数・CTR調査▼

  
仮説ではありますが、恐らく4つ目の広告枠がプレミアムポジションに表示されることで、自然検索1位のサイトの検索結果画面全体位置における掲載場所が相対的に低くなり、その結果、ユーザーCTRが低下したのではないかと考えます。

このように、自然検索に限らず、そもそものSERPsが変化している傾向を把握することが重要です。1位表示を目指すことはもちろん重要ですが、自社の自然検索順位だけに目をとらわれていては、いつの間にか変化しているCTRの低下に気付くことができませんので注意しましょう。
  

SERPsにおける3つの特徴的な変化

では、前述の広告枠の変化以外に、実際にどのようにSERPsが変化しているのでしょうか。

今回は、具体的に3つほど特徴的な変化を取り上げたいと思います。

SERPsにおける3つの特徴的な変化

1. ナレッジパネル
2. ローカルパック
3. アンサーボックス

  

ナレッジパネル

ナレッジパネルとは、Googleの持つ「ナレッジグラフ」と呼ばれるセマンティック検索の情報データベースをもとに、特定のトピックに関する構造化された詳細情報を提供するパネルです。
  
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▼「コーヒー」検索結果

  
単なる「キーワードを含有する」ページ検索結果を出すのではなく、様々な情報の属性や関連性を鑑みて検索結果画面に表示する仕組みです。
  

ローカルパック

位置情報を組み合わせたクエリ(例:「渋谷 イタリアン」「本屋 梅田」など)で検索した際、Googleマップと一緒に表示されるため、馴染みのあるものではないでしょうか。
  
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▼「市ヶ谷 ラーメン」検索結果

  
2015年7月頃までは、7つサイトが表示されるなどしていましたが、2015年8月以降は3パック表示で定着しています。モバイルユーザーの影響力が大きい昨今では、検索結果上部に表示される本領域の影響力は大きくなっているといえるでしょう。
  

アンサーボックス

検索結果において、アンサーボックスと呼ばれる表示には3つの種類があると言われています。

アンサーボックスの種類

・Featured Snippet(強調スニペット)
・Knowledge Cards(ナレッジ・カード)
・Live Results(ライブ・リザルト)

  
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▼Featured Snippet(強調スニペット)▼

    
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▼Knowledge Cards(ナレッジ・カード)▼

  
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▼Live Results(ライブ・リザルト)▼

  
この中でも、特に、Featured Snippet(強調スニペット)は表示が拡大する傾向にあるため、注視する必要があります。

参考:
検索結果「0位」として注目される強調スニペット(Featured Snippets)とは

これらアンサーボックスは、ユーザー目線で考えると、検索結果画面上にてクリックせずとも知りたい情報にたどり着けるため、非常に有益な機能であると言えます。

一方で、Webサイトを運営する企業側としては、本来自社サイトへのリンク検索結果に表示させ、クリックしてもらい、サイトに訪問した上で情報を知ってもらいたいという本音もあるでしょう。とは言え、アンサーボックスの表示が拡大する昨今においては、いかにアンサーボックスに自分たちの情報を引用してもらうか、という発想に切り替えることも重要だと言えます。
  

具体的な対策はどうすればよいか

ナレッジパネル

ナレッジパネルの特徴は、Web上の様々な情報ソースを参照し、引用しているということです。

特に下記などは、参照元として使用されやすい傾向にあります。

ナレッジパネルの特徴(主な参照元)

・ Google+ページ
・ Googleマイビジネス
・ 構造化マークアップ
・ ユーザーからのフィードバック

まずは"ナレッジパネルの表記内容がどこから引用されているのか"を確認し、その情報元をチューニングすることでナレッジパネルの最適化も可能になるでしょう。

ナレッジパネルは往々にして、記載内容が誤っていたり、適切でないケースもありますので、パネル下にある「フィードバック」ボタンから修正依頼も可能です。もし自社の情報などで修正が必要であれば、修正依頼しましょう。
  
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ローカルパック

ローカルパックの対策では下記3つの要素が重要になります。

ローカルパック対策の重要な要素
・ 検索している場所からの距離
・ 検索クエリとのページの関連性
・ 知名度

「検索している場所からの距離」はコントロールできませんので、自社のサービス提供外など、全く異なるエリアでの検索などには対応できません。この中で、対応すべきは「検索クエリとページの関連性」を高めることと、Web上での「知名度」をあげる努力をすることになります。

まず「検索クエリとページの関連性」を高める上で、Googleマイビジネスの登録情報は重要な役割を果たします。ただ登録するだけでなく、登録内容(住所・カテゴリ・営業時間・写真など)も、可能な限り詳細に記載することをオススメします。

また、ローカルパックの最適化のためには、Web上における情報、特に「NAP」記述を統一することも忘れずに行いましょう。

N:Name(社名・サービス名)
A:Address(住所・所在地)
P:Phone(電話番号)

  
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そして、Web上での「知名度」を上げることの努力、つまり、ポジティブな口コミを集めたり、自社のサービスに関する言及を増やすことがローカルパック最適化においては重要となります。

ローカルパックに関しては、GoogleのヘルプページGoogle のローカル検索結果の掲載順位を改善する」を、ぜひ参考にしましょう。
  
参考:
Google のローカル検索結果の掲載順位を改善する
  

アンサーボックス

前述のとおり、アンサーボックスには3つの種類があると言われます。

その中でも、今回はFeatured Snippet(強調スニペット)についてご説明します。

参考:
強調スニペットについて

強調スニペットは、主にインフォメーショナルなクエリ(「○○とは」など)で出現することが多いため、何度か実際に目にした方もいるかもしれません。今回特出すべきトピックとして取り上げさせていただく理由としては、弊社が調査する範囲では、特に昨年後半から出現数が増加する傾向にあるからです。
  
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そんな強調スニペットですが、出現傾向を分析すると表示は多岐に及びます。

強調スニペットの例
・ 「○○とは」 		例: SEOとは
・ 「○○ △△ 違い」 	例: リフォーム リノベーション 違い
・ 「○○ カロリー」 	例: お茶碗1杯 カロリー

組み合わされた際に、強調スニペットが出現しやすいクエリ(ここでは「トリガーワード」と呼びます)の存在が見えてきます。

まずは、それらを見つけ出し、自分たちのビジネスにおいてどのようなトリガーワードがあるのかを把握することが重要です。そして、その検索クエリをとおしてユーザーが知りたいであろう疑問に対して、回答となるコンテンツを提供するページを準備しましょう。技術的な観点では、下記タグなどを用いながら、情報を整理してあげることがポイントです。

・ ヘッドライン(h1・h2)
・ リストタグ(<li>・<ol>)
・ テーブルタグ(<table>)

上記以外にも構造化マークアップなども、Googleが情報を解釈する上で手助けとなります。トリガーワードを把握し、ユーザーに適切なコンテンツを提供してあげることで、強調スニペットに自社のコンテンツが引用されれば、ユーザーとの新たな接点が生まれます。
  

まとめ

Googleの進化と併せてSERPsも変化し続けています。そのため、自然検索の順位ばかりを追いかけるのではなく、ユーザー行動に合わせて変化する検索結果面全体を見て、自社の戦略に活かすことが重要です。

ユーザーは自然検索をクリックしたくて検索しているわけではありません。自分の疑問に応えてくれる「情報」を知りたくて、検索しています。

自然検索で1位を目指すことも重要ですが、それだけでなくSERPs全体の変化を捉え、それぞれの表示に合わせて自社の情報を取り上げもらうよう工夫することが今後のSEO戦略において重要になると言えるでしょう。ぜひ実践してみてください。