ソーシャルメディア上の影響力を測る「kloutスコア」とは?
個人、企業に関わらずソーシャルメディアが活用され始めてからしばらく経ちましましたが、近年ではそれぞれの持つ影響力がとても重視されるようになりました。インフルエンサーマーケティングと言われる手法も注目を集め、SNSのアカウントが持つ個々の影響力を有効活用しようという動きが盛んです。
ただ、実際にマーケティング施策を検討する中で、影響力というのは可視化しづらく有効性を判断するの難しいという課題があります。
評価の仕方はさまざまですが一つの指標として「Klout」というサービスの「Kloutスコア」数値があるのをご存知でしょうか?
今回は、「Kloutスコア」の基本概要と使い方を解説します。
Kloutスコアとは
Kloutスコアは、Twitterやfacebookなどソーシャルメディア上でのどの程度影響力があるのかを数値化してくれるサービスです。アメリカのサンフランシスコの会社Kloutが提供しているWebサイト、アプリ上で算出することができます。2008年にローンチされて以来、世界中で活用されているサービスです。
Facebook、Twitterだけでなく、Instagram、Google+、LinkedIn、YouTubeなどのさまざまなSNSに対応しています。また、運用しているFacebookページ、Tumblrや、Blogger、Wordpressなどのブログサービスのなども対象とすることができ、単なるSNSコミュニティ内の拡散力だけでなく、Webというフィールド自体でどれくらい情報伝達のエネルギーがあるかを判定できます。
Kloutスコアは、一つのKloutアカウントに対して各SNSアカウントを紐付けることにより、運用しているのソーシャルメディア全体を横断して評価することが可能です。
Kloutスコアは量だけでなく質でも評価される
Kloutスコアは、単純なフォロワー数だけで評価されているわけではありません。
スパムアカウントやbotなど、生身の人間が閲覧していないと考えられるアカウントからフォローされていても、スコアが上がらないような仕組みになっています。botなどは個人が閲覧用に利用していない場合が多く、botばかりにフォローされていると、一見フォロワー数が多くても1回の投稿に対するインプレッションやエンゲージメントは低いといったケースは多いものです。
また、相互フォローの「身内」と思われるアカウントからRT、いいねを集めたり、特定のフォロワーとひたすらリプライし合っていても、Kloutスコアは上がりません。
発言からRTやリプライの連鎖をどれほど生むかといった部分が重要視されます。
1回の発言で、自分のコントロールし得ないところでコミュニケーションが派生していくことを影響力として評価されているのです。
複数のソーシャルメディアを横断して登録されていたり、よりKloutスコアの高いアカウントと会話しているなどもスコアを上げるポイントとなっています。
無作為にたくさんフォローしフォロワーを増やすだけで比例して上がっていくものではなく、投稿に対してしっかり反応してくれるような興味関心がマッチしたフォロワーを増やすことが重要です。
数だけでなく質が考慮された数値であれば、単純なフォロワー数で判断するよりもより本質的な価値を示すことができます。
Kloutスコアの目安
Kloutスコアは1~100の間で数値され、その平均値は41点と言われています。
大体の目安として、50くらいからある程度影響力のあるユーザーとしてみなすことができ、60台を目指して努力するといった目標が考えられます。
また、Kloutスコアはその時々で変動するものです。一つのツイートが瞬間的にものすごくバズったとして、その時点ではスコアが飛躍的に上昇するかもしれませんが、その後の落ち着いたタイミングではまた元のスコアに戻っているというケースも多いでしょう。
Kloutの登録方法
https://klout.com/home
それでは、実際にKloutに登録していってみましょう。まずKloutのホームページにアクセスします。KloutはWeb上で展開されているサービスなのでブラウザ、もしくはアプリから登録し、利用ができます。
facebook、Twitterどちらかからのソーシャルログイン、もしくはEmailからのSign Upが可能です。ソーシャルメディアとの連携を許可することで、スムーズにKloutアカウントの開設が可能です。残念ながら日本語は非対応ですが、難しい単語はほとんど出てきません。
ログインすると、このよう自身のアカウント情報を読み取って自動的にスコアリングをしてくれます。また、どのようなジャンルの話題に興味があるかを自動的に判定し、タグをつけてくれます。これらのTopicsは後から編集してすることが可能です。
アイコンの左下に表示されているのが、Kloutスコアです。僕の場合は、45と表示されています。(平均以上ではありますが、まだまだですね…頑張ります。)
Settingsの欄から、ソーシャルアカウントを追加やプロフィールの設定が可能です。また、自身の興味のあるトピックスを表示し、そのジャンルで特にKloutスコアが高いおすすめアカウントを紹介したり、ニュースページなどの一覧が表示されます。
その他にも登録したアカウントに対して予約投稿する機能がついており、複数のソーシャルメディアの投稿管理用ツールとしても利用可能です。
他人のアカウントのスコアも表示できる
Kloutスコアは登録されている他のアカウントのスコアも調べることが可能です。(以下は執筆時のスコアであり、日々変動する可能性があります。)
ソフトバンクの社長、孫正義氏は現在66。経営者として多く名前がよく知られていますが、SNSもしっかり活用しているとして知られています。
音楽ニュースメディアのナタリーのアカウントは79。音楽の話題を提供し、それらを多くの人がコメントしていくなど、ソーシャルメディアの情報伝達においてものすごい影響力があると考えられます。
世界クラスの有名人になると90を超えるアカウントも出てきます。レディ・ガガはソーシャルメディアを存分に活用しているアーティストとして知られており、93とやはり高スコアを叩き出しています。
アメリカ大統領ドナルド・トランプ氏は95。ワールドクラスの著名人となるとやはり100に近いスコアになっています。選挙戦もかなりソーシャルメディアを活用していたことで話題にもなっており、賛成や批判も含めかなりの影響力を持っていると言えます。
Kloutスコアは何に使える?
インフルエンサーマーケティングが盛んになっており、実際に導入も検討しているが、本当に効果の見込みの根拠が欲しいというケースは多いのではないでしょうか。Kloutスコアが高いだけで効果が出ると断定することは難しく、判断できることは限られてはいます。
しかし、量だけでなく質を重視した指標であり、実質的な影響力を推し量る上でより信頼感のある数値であると考えられます。
Kloutスコアは、実際に一部のソーシャルリスニングツール、アナリティクス系のツールなどでも利用されています。リスニングで検知した投稿の中から、インフルエンサーを探し出したい際にこのKloutスコアが高いアカウントを一覧表示してくれる機能を持ったツールも存在します。
また、社内でソーシャルメディアを運用している企業でも、具体的なKPIを見出せないままただ闇雲に運用しているという担当者は多いのではないでしょうか。ソーシャルメディアマーケティングを通して、どのような成果が出ているのかについて定量的なレポートを求められた際に利用しても良いでしょう。
単純なフォロワー数やエンゲージメント率の推移だけでなく、Kloutスコアも併せて指標として導入することで、より納得感のあるレポートが作成できます。
まとめ
ソーシャルメディアマーケティングの施策の効果を数値化した形で示すのはなかなか難しいものです。
またインフルエンサーの選定なども、信頼感のある指標はまだまだ議論され続けています。
Kloutスコアをうまく使いこなすことで、ソーシャルメディアマーケティングの本質的な価値を証明し、正しい判断の指標にしていきましょう。
- ソーシャルメディア
- ソーシャルメディアとは、インターネット上で不特定多数の人がコミュニケーションを取ることで、情報の共有や情報の拡散が生まれる媒体のことです。FacebookやTwitterなどのほか、ホームページ上の掲示板もこれにあたります。
- マーケティング
- マーケティングとは、ビジネスの仕組みや手法を駆使し商品展開や販売戦略などを展開することによって、売上が成立する市場を作ることです。駆使する媒体や技術、仕組みや規則性などと組み合わせて「XXマーケティング」などと使います。たとえば、電話を使った「テレマーケティング」やインターネットを使った「ネットマーケティング」などがあります。また、専門的でマニアックな市場でビジネス展開をしていくことを「ニッチマーケティング」と呼びます。
- アカウント
- アカウントとは、コンピューターやある会員システムなどサービスを使うときに、その人を認識する最低必要な情報として、パスワードと対をなして使う、任意で決めるつづりです。ユーザー、ID、などとも言います。
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- Twitterとは140文字以内の短文でコミュニケーションを取り合うコミュニティサービスです。そもそもTwitterとは、「小鳥のさえずり」を意味する単語ですが、同時に「ぺちゃくちゃと喋る」、「口数多く早口で話す」などの意味もあります。この意味のように、Twitterは利用者が思いついたことをたくさん話すことのできるサービスです。
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- Webサイトとは、インターネットの標準的な情報提供システムであるWWW(ワールドワイドウェブ)で公開される、Webページ(インターネット上にある1ページ1ページ)の集まりのことです。
- アプリ
- アプリとは、アプリケーション・ソフトの略で、もとはパソコンの(エクセル・ワード等)作業に必要なソフトウェア全般を指す言葉でした。 スマートフォンの普及により、スマートフォン上に表示されているアイコン(メール・ゲーム・カレンダー等)のことをアプリと呼ぶことが主流になりました。
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- 印刷物のカタログやパンフレットは、通常複数のページから成り立っています。インターネットのホームページもまったく同じで、テーマや内容ごとにそれぞれの画面が作られています。この画面のことを、インターネットでも「ページ」と呼んでいます。ホームページは、多くの場合、複数ページから成り立っています。
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- アカウントとは、コンピューターやある会員システムなどサービスを使うときに、その人を認識する最低必要な情報として、パスワードと対をなして使う、任意で決めるつづりです。ユーザー、ID、などとも言います。
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- エンゲージメントとは、企業や商品、ブランドなどに対してユーザーが「愛着を持っている」状態を指します。わかりやすく言えば、企業とユーザーの「つながりの強さ」を表す用語です。 以前は、人事や組織開発の分野で用いられることが多くありましたが、現在ではソーシャルメディアなどにおける「交流度を図る指標」として改めて注目されています。
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- KPI
- KPIとは、目標に対して施策がどの程度達成されているか、を定量的に表す指標のことをKPI(重要業績評価指標)といいます。
- ソーシャルメディアマーケティング
- ソーシャルメディアマーケティングとは、マーケティングにソーシャルメディアを用いる手法のことです。たとえば、TwitterやFacebook、Google+やLINEなどのソーシャルメディアに定期的に投稿し積極的にユーザーと交流することで、自社のホームページのPVアップや商品の宣伝効果を狙います。なお、ターゲットとなるユーザーがソーシャルメディアを使用していない場合、ソーシャルメディアマーケティングを行うと効果が期待できないので注意が必要です。
- エンゲージメント
- エンゲージメントとは、企業や商品、ブランドなどに対してユーザーが「愛着を持っている」状態を指します。わかりやすく言えば、企業とユーザーの「つながりの強さ」を表す用語です。 以前は、人事や組織開発の分野で用いられることが多くありましたが、現在ではソーシャルメディアなどにおける「交流度を図る指標」として改めて注目されています。
- ソーシャルメディアマーケティング
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