地方自治体でもバイラル系の企画が盛んに

ついつい人にシェアしたくなるようなコンテンツを発信し、口コミなどを利用してユーザーに情報を広げてもらう手法をバイラル・マーケティングと呼びます。ソーシャルメディアの拡散性を活用して、低予算で爆発的に広まって行くなどの可能性があり、近年注目されています。普段Twitterやfacebookなどを見ている中で、見たことがあるという方も多いでしょう。
バイラルコンテンツの中には、拡散を重視するあまり奇をてらったものも多いです。また、下手をすると炎上してしまうという場合もあり、あまりお行儀がよくないようなイメージを持っている人もいます。地方自治体といった役所のやっている広報活動には、あまり親和性がよくなさそうというイメージもありますが、うまく活用すれば効果的なアピールが可能です。

オモシロ路線で情報発信をすることで、自治体のきっちりとしたイメージを逆手に取ったギャップが面白い、ツッコミたくなるという心理が働きシェア数を伸びる場合があります。こういった背景もあり、実は自治体とバイラル・マーケティングは相性がいいとも考えられるのです。持たれているイメージと反対のことをすることで、結果的にバイラル・コンテンツになり得ます。

バイラルマーケティングの事例【1】静岡県

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http://bokete.jp/user/Shizuokapref
静岡県が実施したバイラル・マーケティングの一つが「静岡県の魅力でボケてキャンペーン」です。「ボケて」というのは、株式会社オモロキが提供しているWebサービスで、画像に対してコメントをつけて大喜利ができます。ユーザー投稿型で面白い画像を好きに作ってもらい、サイト上で公開しているサービスです。

静岡県の観光名所や特産品などの画像を元に、この「ボケて」のフォーマットを使った投稿が募集されました。集められた投稿は、静岡県の広報課が運営しているポータルサイトで紹介されています。投稿一つ一つにソーシャルシェアボタンが用意されており、面白いものはソーシャルメディア上にも拡散される仕組みとなっています。
http://tsukai-shizuoka.jp/boke/comp

バイラルマーケティングの事例【2】宮崎市

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こちらは宮崎県産の金柑をアピールするために行われた施策です。恵比寿の駅前にて宮崎産の金柑をサンプリングとして配り、配られた金柑をオシャレに撮影してInstagramに投稿してもらおうという企画です。オフラインのサンプリングから、オンラインに拡がっていき、さらにソーシャルメディアで拡がっていくという仕組みになっています。

地方自治体が東京に出て商品を配ってアピールするだけでなく、オシャレな街の人たちにオシャレな写真を投稿してもらうことで、ブランドのイメージをよくしていこうという施策です。また、あえてInstagramに限定していることからも、オシャレな写真が並ぶメディアの特性を生かされています。