商品が売れないのは、マーケターや営業担当のせいではなく、商品に課題があるからかもしれません。

顧客のニーズを満たす商品が、正しい市場に提供されている」というPMF(プロダクトマーケットフィット)の視点で見たときに、自社のプロダクトはどの状態にあり、どのような施策が適しているのか、また、いち担当者として改善できることはあるのか。

コンサルティング会社の才流・代表の栗原 康太氏に、2022年10月に出版された書籍『新規事業を成功させる PMFの教科書』の内容を交えながら、そのヒントを伺いました。

プロフィール

栗原 康太 氏
東京大学卒業。2011年に株式会社ガイアックスに入社し、BtoBマーケティング支援事業を立ち上げ。事業部長、経営会議メンバーを歴任。「メソッドカンパニー」をビジョンに掲げる株式会社才流を設立し、代表取締役に就任。著書に『事例で学ぶ BtoBマーケティングの戦略と実践』(すばる舎)、『新規事業を成功させる PMFの教科書』(翔泳社)など。

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「マーケティングの失敗」か「 PMFしていない」かを判断するシグナル

ferret :
もしも「自社の製品・サービスがPMFしていないのでは」と疑問を持ったときに、それはマーケティングや営業がうまくいっていないのか、製品・サービスがPMFしていないのかの判断はどうすればできるでしょうか。

栗原 :
書籍の中で紹介している「PMFしていないシグナル」のいくつかは、明らかにマーケティングや営業のせいではなく、製品・サービスに起因するものがあります。

PMFしていないシグナル.jpg

例えば、上図の「PMFしていないシグナル」のうち

  • 商談から受注までの期間が長く、見込み客の検討の熱量が低い
  • 受注数は伸びてるが、解約率が高く、顧客が喜んでいない
  • 事例インタビューを依頼できるほど、満足している顧客がいない

は、明らかに製品・サービスに穴がある状態、つまり、PMFが不十分な状態であるシグナルだと思います。

ferret :
マーケティング段階ではPMFしているかの判断は難しく、商談以降のステップで判断できるようになるということですね。

栗原 :
そうですね。PMFしていない場合、マーケティング施策を進めても全くリードや受注が取れないこともありますが、マーケティングのやり方が悪かったのか、製品・サービスに問題があるのかどうかは、社内に経験豊富なマーケターがいない限り、判断が難しいと思います。そのため、商談以降の段階で判断することをおすすめしています