Web担当者として、自社サイトにSEOに関する状況はしっかりと把握しておきたいものです。そんな時に便利なのが今回ご紹介するOPEN SITE EXPLORERです。

OPEN SITE EXPLORERは、被リンク(バックリンク)調査ツールで他サイトから張られているリンクに関する情報を調べることができます。

悪質なサイトからリンクが張られて、何もしていないのにスパム行為を行ったと認定されないようにも、Web担当者として自社サイトに張られているリンクをチェックしておくのは必須といえるでしょう。

今回は、OPEN SITE EXPLORERの登録方法から実際の使い方までご紹介します。
  

目次

  1. OPEN SITE EXPLORERとは
  2. OPEN SITE EXPLORERの登録方法
    1. クレジットカード登録をせずに無料プランを使う方法
    2. クレジットカード登録をして有料プランを使う方法
  3. OPEN SITE EXPLORERの使い方
    1. 画面説明
    2. Authorityとは
    3. Page Link Metricsとは
    4. Inbound Linksとは
    5. Just Discovered Linksとは
    6. Top Pagesとは
    7. Linking Domainsとは
    8. Anchor Textとは
    9. Compare Metricsとは
    10. Spam Analysisとは
    11. Link Opportunitiesとは
    12. Advanced Reportsとは
  4. まとめ

  

OPEN SITE EXPLORERとは

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OPEN SITE EXPLORERは、2004年にアメリカのシアトルでスタートしたMoz社が提供する、被リンク(バックリンク)調査ツールです。

リンク・バックリンクとは、ほかのサイトから貼られたリンクのことです。検索順位を決定するいろいろな要素の中で、この被リンクは特に重要です。

最初に注意しておきたいのが、OPEN SITE EXPLORERはGoogle社とは関係がなく、データはあくまでMoz社が独自に取得した参考値だということです。インターネット上の全てのページを調査対象としているわけではなく、反映されるデータも数週間の時間差があります。

Googleが検索順位の決定に使用しているデータとしては、正確なのはGoogle Search Console(旧ウェブマスターツール)です。ですが、通常は自社サイト以外のSearch Consoleのデータはアクセスできません。そのため、OPEN SITE EXPLORERではSearch Consoleで調べることのできない競合の状況調査や、競合と自社の比較を主な利用目的としましょう。

それでは、ferretのサイトを例に、各機能を順にご紹介します。
  

OPEN SITE EXPLORERの登録方法

OPEN SITE EXPLORERは、会員登録せずに無料で利用できます。ただし、その場合は1日の検索回数は上限3回までです。

無料登録を行うことで利用回数の上限なしに使えるようになります。無料登録には2種類あります。

・クレジットカード情報を入力しなくてよい方法
クレジットカード情報を入力しなくても登録できる一方で、Spam Analysis、Link Opportunities、Advanced Reportsなどの一部機能が使えない制限があります。

・クレジットカード情報入力が必要な方法
有料登録を前提とした、30日間のトライアル登録です。有料登録と同じ全ての機能が使えます。30日間の無料期間にいつでも解約でき、解約すれば請求は発生しません。

まずはクレジットカードカードが不要な登録方法からご紹介します。
  

クレジットカード登録をせずに無料プランを使う方法

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OPEN SITE EXPLORERにて、画面右上の「Log in」をクリックします。

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「Create an account」に進みます。

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誰にでも閲覧できる形でサイト上に表示されても問題ないユーザーネーム、メールアドレス、パスワードを入力の上、利用規約同意へのチェックと「私はロボットではありません」にチェックを入れ、「Create My Account」をクリックして登録します。

入力されたメールアドレスに認証のお知らせが届きますので、「Activate Your Account」をクリックして認証を完了します。

これで1日の回数制限なく利用できますので、OPEN SITE EXPLORERのページに戻りましょう。クレジットカード情報を入力して30日間トライアルに登録し、全ての機能を使う場合、次に進みます。
  

クレジットカード登録をして有料プランを使う方法

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OPEN SITE EXPLORERにて、画面右上の「Free SEO Tools」をクリックします。

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「free for 30 days」をクリックします。

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クレジットカード情報と請求先情報を入力し、登録完了です。30日後に月額$149が請求されます。

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無料トライアルの残り日数は、画面右上の「Moz Pro」 > 「Moz Pro Home」の画面で確認できます。

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30日以内に解約する場合は、画面右上の☓マーク > 「Account & Billing」 のページで「Cancel Moz Pro」 をクリックして手続きします。
  

OPEN SITE EXPLORERの使い方

画面説明

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URL欄に "http://" あるいは "https://" から始まるURLを入力し、Searchボタンをクリックします。

Authorityとは

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Authority(オーソリティ)という単語の意味は「権威」ですが、検索エンジンは被リンクの量と質により、そのサイトにどれだけオーソリティがあるか判断します。

Domain Authority(ドメインオーソリティ)はドメイン単位、Page Authority(ページオーソリティ)はページ単位のスコアです。GoogleやYahooは90以上の高いオーソリティスコアがあります。
  

Page Link Metricsとは

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Page Link Metricsは、過去60日の間に見つかった被リンクである Just Discovered Links と Established Links の数を表します。Established Linksの2つの数字は、1つでも被リンクを含むサイドのドメイン数と、サイトの内外含めた全ての被リンクの数です。
  

Inbound Linksとは

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Inbound Linksでは、どこからリンクされているか確認できます。Inbound Links(インバウンドリンク)は被リンクのことで、対義語のOutbound Links(アウトバウンドリンク)は自社サイトから他サイトへのリンクのことです。

Targetのプルダウンでは、サブドメイン、ルートドメインのフィルタを、Anchor Textのプルダウンではphrases、termsのフィルタをかけられます。「Request CSV」をクリックすると、CSVをダウンロードできます。以降、ほかのビューでも類似のプルダウンとCSVダウンロード機能を使えます。
  

Just Discovered Linksとは

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Just Discovered Linksでは、最近作られた被リンクを確認します。

Anchor Text(アンカーテキスト)を眺めれば、どのようなテーマで取り上げられているか傾向を掴めます。URL欄に競合のサイトを入力し、DA(ドメインオーソリティ)で並び替えてみて、自社もリンクされたいサイトや、スパムの疑いがありリンクを避けたいサイトを探すこともできます。

Top Pagesとは

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Top Pagesでは、サイトのトップパフォーマンスのページを確認します。
HTTP Page Statusでのフィルタや、Page AuthorityとLinking Root Domainsでの並び替えができます。Request CSVで、データのCSVダウンロードができます。
  

Linking Domainsとは

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Linking Domainsでは、サイトにリンクされているドメインを確認できます。

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ドメインの左の+(プラス)マークをクリックすると画面が拡大し、ページURL一覧が表示されます。
  

Anchor Textとは

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Anchor Textでは、どのアンカーテキストが貼られているかを調べます。
アンカーテキストとは、HTMLページ上でリンクが貼られている文字列のことです。

Linking Root Domains Containing Anchor Textの列で降順に並べた時、自社ブランド名・サイト名が上位にあれば、ブランドやサイトが浸透していることがわかります。

1つのドメインから、アンカーテキストを含んだ被リンクが不自然に多く貼られていないか確認することで、SEOペナルティを回避します。

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アンカーテキストの左の+(プラス)マークをクリックすると画面が拡大し、アンカーテキストが存在するページURL一覧が表示されます。
  

Compare Metricsとは

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Compare Metricsでは、最大5つのサイトの比較ができます。
各行で最も高い数字は緑色の文字で表示され、チェックマークが付きます。

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競合サイトを登録するには、「Add URL」をクリックし、"http://" あるいは "https://" から始まるURLを最大4つ入力し、Submitボタンをクリックします。

Spam Analysisとは

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Spam Analysisでは、独自の17の指標からリンク元サイトがスパムかどうか特定します。
棒グラフの横軸は当てはまる指標の数で、縦軸は該当するリンクの数です。

当てはまる指標が1〜4個のリンクはスパムである可能性は低いですが、7個を超えるとスパムの疑いが高まるので注意が必要です。サイトをチェックしてみてスパムであると判断したら、検索順位への悪影響を防ぐため、サイトにリンク削除依頼を出したり、Search Consoleでリンクを否認したりなどの対策をします。
  

Link Opportunitiesとは

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今よりさらに多くの被リンクを獲得できる可能性があるかどうかについてです。

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Reclaim Linksのタブでは、ページエラーなどを検知できます。
せっかく質の高い被リンクを得られても、リンクされたページでエラーなどを返していては、十分な効果が得られませんので、確認の上、対策しましょう。

Page Issuesのプルダウンで選べる4xx、5xxは、エラーの理由を示すHTTPステータスコードです。3桁の数字によってどのエラーか判断します。

4xx: 400番台のエラー
クライアントエラーといって、ブラウザから送信したリクエストの不備が主な原因です。対策として、301リダイレクトで別のページリダイレクトしましょう。

5xx: 500番台のエラー
サーバーサイドエラーといって、サーバーのリクエスト処理失敗が主な原因です。対策として、サーバーが正しく動いているかや、トラフィックが処理容量を超えていないかを確認します。この場合、サイトが検索エンジンインデックスされないので注意してください。

302: 302リダイレクト
301リダイレクトが恒久的な転送で、302リダイレクトが一時的な転送です。かつては301が推奨されていましたが、現在はどちらでも差はないようです。詳しくは以下の記事も参考にしてください。

参考:
Web担当者なら必須!SEOに適したケース別リダイレクト方法|ferret
内部対策SEO:SEOに適したケース別リダイレクト方法を理解しよう|ferret
  
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Unlinked Mentionsでは、サイトについて言及されているものの、テキスト形式のみで、リンクが貼られていないページを見付けます。もし可能であれば、リンクを貼ってもらえるようにサイト管理者にお願いしましょう。

検索順位の決定には新しいコンテンツの重要度が高いため、直近30日の情報のみを参照しており、それより古い情報は含まれません。

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Link Intersectでは、自社以外に2つの競合のURLを入力します。すると、自社にはリンクされておらず、2つの競合にはリンクされているサイトが表示されますので、競合にあって自社にないコンテンツを確認しましょう。

Contactsに表示されているFacebookやTwitterのアイコンをクリックすれば、そのサイトの管理者のページに飛べるようになっており、直接連絡を取る手助けとなります。

Advanced Reportsとは

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各ビューにあるCSVエクスポート機能より、さらに複雑かつ大量のデータをCSVで出力する機能です。最大100,000リンクの情報を含みます。ただし作成できるのは1日5レポートまで、1つ出力するのに最大3〜4時間かかることがあります。
  

まとめ

今回はOPEN SITE EXPLORERという被リンク(バックリンク)調査ツールの使い方をご紹介しました。

Web担当者は業務が多岐に渡るため、全てを自分の力で行うとすると無理があります。そこで今回ご紹介したようなツールを使って、自分の業務を効率化していくことが大切です。

ぜひ、自社サイトの状況をしっかりと把握して、リスクを未然に防ぐように自社サイトの運営をしていってください。