マーケティング担当者になって間もない方の中には、いろいろな施策を試してはいるけどなかなか思ったような効果が出ないとお悩みの方もいらっしゃるかもしれません。

そういうときに知っておきたいのが、顧客が購入にいたるまでの行動を段階的に分けて考える「マーケティングファネル」です。

今回はマーケティングファネルの基本的な概要をご紹介します。ファネルを使って購入までの段階をそれぞれ可視化することで、ユーザーが離脱した原因がわかるかもしれません。

いろいろな施策に取り組んでいるけど、なかなか購入までつながらないとお悩みの方は、この機会にマーケティングファネルについて一緒に学んでいきましょう。

目次

  1. マーケティングファネルとは
  2. マーケティングファネルを理解しておくべき理由
  3. マーケティングファネル3つの種類
  4. マーケティングファネルの活用方法
  5. マーケティングファネルはBtoBにも効果的
  6. マーケティングファネルのフェーズに応じて施策を展開しよう

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マーケティングファネルとは

マーケティングファネルとは、集客によってユーザーが商品を認知し購入して、商品の情報を複数のユーザーと共有するまでのユーザーの一連の流れを表したものです。

大きく集客して徐々に購入者がしぼられていく様子は、実験で液体を注ぐときに使われる逆三角形の漏斗(ろうと)に似ていることから、漏斗を英語で表したファネルという言葉が使われています。

「購入してもらうのが目的なんだから、ユーザーが情報を共有するところまで考えなくても良いのでは」と思う方もいるかもしれません。

ですが、商品を購入したユーザーのレビューや口コミを見て商品を購入する人や、SNS上で共有された情報を見て商品のことを知る人もいます。

今や「共有」する行為は人々の購買行動の一部に組み込まれており、マーケティングを行う上で無視できないフェーズだということを理解しておきましょう。

マーケティングファネルを理解しておくべき理由

マーケティングファネルの考え方をもとにマーケティング施策を行うことで、どの過程でユーザーが離脱したのかわかりやすくなります。

例えば、自社商品を購入できるホームページを運営しているとします。とりあえず商品購入ページを作成し、認知を広げるためにSNSで情報を発信しても、なかなか購入にいたらずその原因もわかりにくくなってしまいます。

一方、マーケティングファネルの考え方をもとにすると、ユーザーの行動を段階ごとに分解して考えられます。商品をカートに入れているのに購入していないユーザーが多い場合、購入するときのカートの操作がわかりにくい、個人情報を入力するフォームがわかりにくいといった原因が予想できます。

また、どんな過程を経て購入までたどりつくのか、どんな商品を購入するのかを把握しやすくなるので、自社商品を購入する可能性が高いペルソナを設定することにも役立ちます。

マーケティングファネル3つの種類

マーケティングファネルには、以下の3種類の考え方があります。

パーチェスファネル

図_パーチェスファネル.png

● 顧客が商材を購入するまでのファネル

パーチェスファネルは顧客が商材を購入するまでの心理変化にフォーカスするマーケティングファネルです。大きく「認知」「興味・関心」「比較・検討」「購入」という段階に分けられます。

逆三角形のなかで最も大きな部分を占めているのが「認知」の段階です。購入につなげるまでのスタートラインとして、自社の商材を多くの人に知ってもらうことを目指します。

「興味・関心」にあたるのが、逆三角形の中央部分です。すでに見込み客を獲得している状態のため、より理解を深めてもらい、「比較・検討」の段階へと誘導します。

逆三角形の頂点に位置しているのが「購入」の段階です。最終的な購入につなげるため、見込み客の決断を促進できるような情報を提供します。購入に前向きになれるように、購入後のイメージを伝えることも大切です。

図_インフルエンスファネル.png

● 購入後の顧客行動のファネル

購入までの顧客行動を図式化したパーチェスファネルに対し、インフルエンスファネルは購入後の顧客行動に焦点を当てたマーケティングファネルです。顧客が能動的に商材の宣伝を行うまでが対象範囲です。「継続」「忠誠」「共有・紹介」「発信」の4段階に分けて考えられます。

まずは「継続」のフェーズにて顧客にリピーターとなってもらうことを目指します。獲得した顧客へのアフターフォローなどが重視されるフェーズです。

さらに顧客との関係性を維持し「忠誠」へと移行します。顧客にとってメリットとなる情報を継続的に発信し、顧客をファン化することが重要です。「共有・紹介」の段階になると、顧客自身が広告塔となることが期待できます。

「発信」の段階では、顧客によって共有された情報を企業自身が拡散し、さらにバイラルを起こすことが目的です。顧客による好意的な口コミやレビューを発信すれば、広告以上の効果が見込めます。

ダブルファネル

図_ダブルファネル.png

● 購入までと購入後を組み合わせたファネル

ダブルファネルはパーチェスファネルとインフルエンスファネルを組み合わせたものです。2つのマーケティングファネルを通し、4段階に分けて考えます。

パーチェスチャネルの「認知」に当たる部分は「プロモーションフェーズ」と呼ばれます。情報発信や潜在顧客を増やすことが主な取り組みです。

その後、パーチェスチャネルの「興味・関心」「比較・検討」に該当する「アクイジションフェーズ」に移行します。見込み客のリスト化、さらなる売り込みなどを行います。

インフルエンスファネルにおける「継続」「忠誠」は「リテンションフェーズ」と呼称されるのが一般的です。具体的には獲得した顧客の客単価を高めていくことを目指します。

そして最後に「インフルエンスフェーズ」に移行します。商材・企業のファンとなった顧客に広告塔として機能してもらうのがこの段階での狙いです。

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マーケティングファネルの活用方法

マーケティングファネルの活用方法を、上述したパーチェスファネルを例に解説します。

認知|Web広告やSNSにて認知を拡大

「認知」のフェーズでは、Web広告SNSで情報展開するのが一般的です。自社の存在や商材に注目してくれる潜在顧客を増やすことを意識します。興味を持ってくれた顧客の着地点として、自社のWebサイトLPを用意しておく必要があります。

興味・関心|WebサイトやLPにてターゲットの興味をひく

WebサイトやLPに顧客を誘導できれば、「興味・関心」のフェーズのスタートです。この段階で重要なのは、ターゲットの興味をひくこと。行動を起こした顧客を離脱させないことがポイントと言えます。

比較・検討|商品ストーリーや強みを訴求して検討してもらう

続く「比較・検討」のフェーズでは、自社の商材を選んでもらうことを目指します。そのためには、商品ストーリーや強みを訴求することが大切です。商材の特徴や競合と比較した際のメリットをわかりやすく伝えましょう。

購入・申込み|無料トライアルやキャンペーンにて購入の後押し

最終的な「購入・申し込み」のフェーズに顧客を誘導するためには、購入を後押しする取り組みが必要です。具体的には、無料トライアルやキャンペーンがあげられます。

マーケティングファネルはBtoBで特に重要

BtoBビジネスではマーケティングファネルの効果が大きいと考えられています。以前のBtoBにおける購買プロセスは、営業活動での商品提案からスタートし、決裁者による検討を経て購入にいたる、という流れが一般的でした。

しかし、現在ではインターネットの普及に伴い、比較・検討オンライン上で収集した情報をもとに行われています。

さらに、BtoBの購買は決済額の大きさから、検討期間が長くなりがちです。上述したように購買行動が変化した現在、顧客は長い期間を検討しながら過ごすことになります。この間、顧客がどんな心理状態にあるのか、以前よりも見えにくくなっているのです。

図_BtoBのファネル活用の例.png

また、BtoBの購買行動は「ビジネスに役立てる」というシンプルな目標があることから、プロセスが一本道で進む点が特徴です。上記の例のように、マーケティングファネルはリード獲得戦略にも、KPIの算出にも活用できます。
このファネルの詳しい内容は下記の資料にも掲載しています。

BtoBマーケの戦略設計・各種施策のノウハウを網羅

基礎からわかる BtoBマーケティング実践ガイド【2024年最新版】

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マーケティングファネルのフェーズに応じて施策を展開しよう

マーケティングファネルをもとにマーケティング施策を考えることで、ユーザーの行動が可視化しやすくなり、購入にいたらない原因を見つけやすくなるメリットがあります。また、ユーザーの行動を把握し、どのようなユーザーに購入されやすいのかわかれば、ペルソナを設定することにも役立つでしょう。

マーケティング施策に取り組むときは、その施策がマーケティングファネルの中のどのフェーズに当たるのかを常に考え、全体感を把握しておくべきです。

各施策を効率的に行うために適宜ツールを取り入れながら、効率的で効果的な施策を行いましょう。

 
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