営業は、担当者1人で複数のクライアントと関わる機会が頻繁にあります。業務を円滑に進めるためにも、案件ごとに顧客情報の管理や商談のステータスを管理することが大切です。

小規模の営業チームであれば、社内のホワイトボードやExcelを用いて担当者別の管理が容易に行えますが、チームメンバーやクライアント増員によって管理が煩雑になってしまった経験はありませんか?

営業において管理業務の煩雑化による漏れは、チームの連携を損ねるほか、成約を逃す可能性も考えられるでしょう。そういった情報管理や共有、チーム内のコミュニケーションを円滑化できるのが、営業支援ツールです。

営業ツールには、SFAやCRM、グループウェアなど様々なツールが存在します。今回は、営業で活用されている主要なツールの特徴を紹介し、導入する上で確認しておくべきポイントをご紹介します。

営業の業務を円滑化する各種営業ツールの特徴を解説

SFAツール(営業支援システム)

「SFA」とは、Sales Force Automationの略称で「営業支援システム」と訳されます。商談ステータスの管理や営業部署内での情報共有、売上予測など、営業活動に関する様々な業務を1つのツールでカバーできるのが特徴です。

後述のCRM(顧客管理システム)と連携することで、顧客の詳細な情報と商談状況をデータとして紐付けられるため、顧客ごとの成約確度や売上の予測を立てることも可能です。

営業資料の管理や、商談の状況など各担当者によって属人化しやすい業務をチームで共有できるといったメリットもあります。

参考:
顧客管理から売上げ予測まで!営業を効率的に管理できる”SFAツール”15選|ferret

CRMツール(顧客管理システム)

CRM」とは、Customer Relationship Managemantの略称で直訳すると「顧客との関係の管理」になり、顧客管理に関する仕組みのことを指します。そして、顧客管理を行うツールをCRMツールと呼びます。

CRMツールは顧客の企業情報やニーズ、担当者情報など商談を行う上で必要になるデータを管理することができます。クラウド型のCRMツールなども提供されており、顧客の企業情報が更新されたら自動的にツール内の情報も更新されるというツールもあります。

また、名刺や紙の資料をスキャンすることでCRMツールに登録でき、Excelなどで手入力するよりも簡易的に使えます。現場の業務が多い営業担当者にとってのメリットが大きいツールと言えるでしょう。

参考:
顧客との関係構築に必須となりつつある顧客管理(CRM)ツール16選|ferret

BI(ビジネスインテリジェンス)ツール

「BIツール」とは、「ビジネスインテリジェンスツール」の略で、営業から開発、経営に関するデータを統合して分析を行うためのツールです。

業務の部門ごとのデータを統合できるため、経営の意思決定などに用いられます。また、データをグラフやマップなどビジュアライズ化できるため、分析を効率化できるという特徴があります。

参考:
社内の意思決定から業務効率化まで行える「ビジネスインテリジェンス」とは?基礎知識と主要BIツール8選|ferret [フェレット]

グループウェア

「グループウェア」とは、チームのコミュニケーション活性化や情報共有を円滑に進めるためのツールです。資料データのアップデートや業務の進捗確認、チャット機能などが搭載されているのが一般的です。

フィールドセールスのチームなど外回りの営業が中心になるチームでれば、担当者同士の連携を図るために活用できるでしょう。また、進捗管理やチャット機能などは、一部の機能がSFAと重なるため、必要に応じて選択してみましょう。

参考:
「グループウェア」10サービスの価格と機能を比較|ferret

Web会議システム

「Web会議システム」は、インターネット回線を利用したビデオ通話が行えるツールです。電話回線不要で利用できるため、遠方のクライアントと商談を行いたい場合に活用できます。

SkypeやLINEのようなビデオ通話に対応したメッセンジャーツールとの違いは、相手先企業はアカウント登録不要で利用できる点です。URLを発行し、そこからWeb会議に参加できるため、インターネット回線を利用している企業であれば誰でも気軽に利用できるのがメリットと言えるでしょう。

参考:
ファイルの共有や録画も無料でできる!Web会議システム7選|ferret

営業ツールを導入するにあたって確認しておくべきポイント

既存のツールで代替できない機能があるのかどうか

SFAやCRM、BIツールなど営業活動で利用できるツールは多岐にわたります。そこで、導入する上で確認しておくべき1つ目のポイントが、他のツールで代替できる機能があるのかどうかです。

既にチャット機能付きのSFAツールを利用しているのであれば、グループウェアが不要です。複数のツールを導入することで機能が重なってしまう可能性があるため、既に利用しているツールの機能を確認した上で検討しましょう。

作業工数を削減できているかどうか

新たにツールを導入することで、作業工数を削減できるかどうかも確認しておきたいポイントです。特に、営業活動において商談機会を逃さないためにも、資料作成やアポの調整、チーム内での情報共有を効率化することが大切です。

導入を検討しているツールと自社の営業チームの業務内容の相性を確認してみましょう。

営業チームメンバーが利用できるツールかどうか

既存のツールと機能の被りがなく、業務効率化の見込みのあるツールを選ぶことは大切です。それに加えて、最後に確認すべきポイントは、チームメンバーがツールを利用できるかどうかです。

機能面は非常に優れていても、利用するにあたって一定以上の知見が必要になる場合があります。例えば、複雑なデータを管理できる分析ツールや最新技術を搭載したツールなどが該当します。

無料試用期間を設けているツールもあるため、導入の候補になっているツールをチームで試用し、チームメンバーにとって利用しやすいものを選択すると良いのではないでしょうか。

参考:
営業支援ツールの必要性とその選択における誤解

まとめ

営業ツールは、顧客情報の管理や営業チーム内での進捗管理、遠方クライアントとの商談など業務シーンに応じて多岐にわたります。

全てのツールを導入すれば良いわけではなく、自社の営業チームが導入する上で、どういった業務が改善されるのか、現状の業務上の課題を明確にした上で導入することが大切です。

また、CRMとSFAなど目的は異なるものの、ベンダーによっては統合ソリューションとして提供していることもあるため、複数のツールを導入する前に一度確認してみることをオススメします。