TwitterやFacebookでのユーザーとのトラブルに冷や汗を流した経験はありませんか?

SNSは気軽に情報発信が行える一方で、ユーザーと直接やり取りすることにより、トラブルが発生するリスクがあります。
2017年3月には損害保険ジャパン日本興亜がネット炎上を対象とした保険商品を発売するなど、企業にとっても高い関心を持った事柄と言えるでしょう。

このようなネット炎上やユーザートラブルに対する防止策の1つが、ソーシャルメディアの運営方針を定めたソーシャルメディアポリシー」の設置です。

今回は、ソーシャルメディアポリシー作成に役立つ4つの事例を紹介します。
ユーザーとトラブル経験がある企業や、運営ルールの徹底に悩まれている方はぜひ紹介する事例を参考に自社でもソーシャルメディアポリシーを作成してみてください。

参考:
[最大1000万円補償、「SNS炎上保険」の中身は? | 東洋経済オンライン] (http://toyokeizai.net/articles/-/164138)

ソーシャルメディアポリシーとは

ポリシー___ソーシャルメディア公式アカウント一覧___サンリオ.png
例:ソーシャルメディアポリシー|サンリオ

ソーシャルメディアポリシーとは、企業がFacebookやTwitterブログのようなソーシャルメディアを利用する際の取り決めをまとめたものです。

企業によっては「コミュニティガイドライン」や「ソーシャルメディアガイドライン」といった名称でまとめられている場合もあります。

参考:
[企業のソーシャルメディアポリシー・ガイドラインの作成方法 |マーケティングオートメーションツール SATORI] (https://satori.marketing/marketing-blog/socialmedia/socialmedia-guideline/)

ソーシャルメディアポリシーを作成する2つの目的

では、なぜ企業はソーシャルメディアポリシーを設定し、かつ社外に公開しているのでしょうか。それには2つの目的があります。

1.対社内:運営方針を定めておくことで、運営メンバーによる投稿の質を担保する

特にTwitterのような気軽に投稿できるツールの場合、担当者が自己判断で投稿してしまい、企業のイメージに悪影響を及ぼしてしまうリスクがあります。

実際、一迅社より発行されている漫画作品『ゆるゆり』では担当者が不用意な発言を繰り返したことで、ユーザーから批判が相次ぎ、責任者である編集長や原作者が謝罪する事態にまで発展するといったトラブルがありました。

ソーシャルメディアポリシーを定めることで、社内の方針やルールを社員に行き渡らせておけばこういった事態を防ぐことができるでしょう。

参考:
「ゆるゆり」コミック版公式Twitterアカウントが開設も、問題発言で早速担当者が交代 |
ねとらぼ

2.対ユーザー:運営方針やルールを明らかにしておくことで、ユーザーとのトラブル時に対応できるようにする

ルールを明文化しておくことで、ユーザーとのトラブルを事前に防ぐことにもつながります。

例えばNHK(日本放送協会)の公式アカウントでは、2016年4月にそれまで行っていたフォローされたユーザーをフォローする「フォロー返し」を今後行わないことを、方針の1つとして発表しました。

これは「NHK公式アカウントがNHK以外のアカウントをフォローすることは、そのアカウントの意見に対する支持・賛同ではないか」という批判があったためです。

自社としては何気ない行動であっても、ユーザーから疑念を持たれてしまうリスクもあります。
事前に自社のアカウントが投稿する内容やフォローの方針を明らかにしておくことは、こういったユーザーとのトラブルを防ぐことにつながります。

参考:
NHKがTwitterの「フォロー返し」を取りやめに なぜ? 広報に聞いた |buzzfeed

ソーシャルメディアポリシー4事例

ソーシャルメディアを活用している企業の中でも、ソーシャルメディアポリシーを公開している企業の事例を紹介します。
各社の運営や考え方に合わせ、記載されている内容の違いを意識しながら見てみましょう。

1.NHK(日本放送協会):外部SNS等を利用したコンテンツ提供について

NHKオンライン|NHKインターネットサービス利用規約.png
http://www.nhk.or.jp/toppage/rules/index4.html

NHK(日本放送協会)では、インターネットサービスの利用規約の1つとして「外部SNS等を利用したコンテンツ提供について」というガイドラインをまとめています。

【外部SNS等を利用したコンテンツ提供について(一部)】
・NHKアカウントは、以下の例外を除き、他の外部SNSアカウントに対して「いいね!」「シェア」「フォロー」などを行いません。
-NHKアカウント相互の「いいね!」「シェア」「フォロー」
-「報道目的の取材利用」のための一時フォロー
(中略)
・NHKは、外部SNS等に関する瑕疵・バグ、トラブル、誤認、サービス停止等、およびNHKアカウントにおける利用者同士の紛争について、一切責任を負いません。
・NHKアカウントに関するご意見やお問い合わせは、NHKオンライン内の「ご意見・お問い合わせ」までお寄せください。
(中略)
・投稿されたコメント等の内容については、利用者が発信したものなので、NHKは責任を負いかねます。内容についてのご意見やお問い合わせは、直接、投稿された利用者にご連絡ください。ご自身の権利が侵害されていると思われる場合は、申告フォームからご連絡ください。

上記のように「いいね」や「シェア」のルールだけでなく、NHKの背負う責任を明確表記しています。

報道機関のようなセンシティブな情報を取り扱うアカウントの場合、ユーザー同士のトラブルを誘発してしまいかねません。そのため、利用者同士のトラブルや、権利の侵害が起こった際の対応方法にも言及しているのが特徴的でしょう。

2.シャープについて:シャープ 公式Twitterアカウント コミュニティ・ガイドライン

シャープについて:シャープ_公式Twitterアカウント_コミュニティ・ガイドライン.png
http://www.sharp.co.jp/corporate/socialmedia/twgl.html

2017年10月時点で42万人以上のフォロワーを抱えるTwitterアカウントSHARP_JP(シャープ株式会社)の運用ルールをまとめたガイドラインです。

【シャープ 公式Twitterアカウント コミュニティ・ガイドライン(一部)】
1.運営について
(中略)
(5) 当社がコンテンツを発信する時間帯:平日10:00〜17:00(年末年始、土日、祝日および当社の定める休業日を除きます)。なお、それ以外の日時においても発信する場合があります。
(6) 運営期間:本アカウントは、予告なく運営を終了し、または削除される場合があります。
2.返信およびお問い合わせへの対応について
(1) 当社は、本アカウントに対するコメントの全てに返信するものではありません。
(2) 当社は、DM(ダイレクトメッセージ)によるお問い合わせに関しては、お答え致しません。
(中略)
3.フォローについて
当社は、本アカウントをフォローしていただいた全てのユーザーをフォローするものではありません。また、ユーザーが 本アカウントをフォローしていない場合であっても、当社がフォローさせていただく場合もございます。

シャープ株式会社では、上記のように運営している時間や返信に関する免責事項を記載しています。同アカウントでは、他のユーザーへのリプライに対する返答やリツイートを行うことがあり、交流にも積極的に取り組んでいます。

一方、アカウントとして対応できる範囲には限度があり、どのようなユーザーや時間帯でも返信するわけではないことを詳細に伝えています。

3.コカ・コーラ:ソーシャルメディアの利用に関する行動指針

コカ・コーラシステム_ソーシャルメディアの利用に関する行動指針__The_Coca_Cola_Company.png
http://www.cocacola.co.jp/company-information/social-media-guidelines2

コカ・コーラでは公式ホームページで「ソーシャルメディアの利用に関する行動指針」として、ソーシャルメディアを利用する目的や基本理念などを明示しています。

「 ソーシャルメディアの利用に関する行動指針」の構成
 1:【本行動指針の基本理念】
2:【ソーシャルメディアに関するコカ・コーラからのコミットメント】
  ■ ソーシャルメディア活動においてコカ・コーラが掲げる5つの基本的価値観
 3:【社員及び協力会社によるソーシャルメディアの利用について】
■ コカ・コーラシステムの全社員及び協力会社社員がソーシャルメディアを利用する際に求められること
4:【コカ・コーラシステム認定 ソーシャルメディア担当者に対して求めること】

「透明性の担保」や「消費者のプライバシーの保護」といった基本的な価値観を明らかにした上で、社員及びソーシャルメディア担当者がソーシャルメディアを利用する際の方針を立場ごとに記載しています。

特にブランドを守るためには、社員の情報発信にも意識を配る必要があります。その点、コカ・コーラのソーシャルメディアポリシーは細かいルールではなく、土台となる考え方を統一しているのが特徴的でしょう。

参考:
コカ・コーラ社のソーシャルメディアポリシーがすごい!参考にしないと勿体無いレベル|ferret [フェレット]

4.サンリオ :ソーシャルメディアポリシー

ポリシー___ソーシャルメディア公式アカウント一覧___サンリオ.png
https://www.sanrio.co.jp/social/policy/

サンリオでは、基本的なポリシーや行動指針から、運用ルールまでをシンプルにまとめたソーシャルメディアポリシーを公開しています。

ソーシャルメディアポリシー(一部)】
<2>行動原則
■法令・社内ルールを遵守します。
インターネットの特性を理解します。
■第三者の著作権・名誉権等の権利侵害行為を禁止します。
■社外秘情報、お客様およびお取引様の非公開情報の公開を禁止します。
■個人情報、プライバシーへの配慮をします。
<3>免責事項
■株式会社サンリオは、ユーザーにより投稿されたコンテンツについて一切の責任を負いません。
ユーザーからいただいた投稿に対して、個別にご返信することはいたしかねますので、あらかじめご了承ください。
■株式会社サンリオは、ユーザー間、もしくはユーザーと第三者間のトラブルによって生じた損害に対する一切の責任を負いません。
(中略)
<4>削除事由
株式会社サンリオは下記に該当するユーザーコンテンツを投稿しないことをユーザーに期待し、必要に応じて該当するユーザーコンテンツを削除・修正をいたします。
■各公式アカウントに関係しない情報、または投稿

上記のように、行動原則として個人情報の保護や権利の侵害行為といったコンプライアンスに反する行為は行わないことを明示した上で、細かい免責事項を記載しています。

箇条書きでコンパクトにまとめられており、サンリオの主なユーザーとなる一般のユーザーでも読みやすい内容となっています。

まとめ

ソーシャルメディアポリシーは社内の運営方針を定めるだけでなく、ユーザーとのトラブルの受け皿にもなる存在です。

SNSを運用する目的や基本的な姿勢や、「いいね」やフォローなどの運営におけるルールなどを定めておけば、ユーザーからの問い合わせについても素早く返答することができ大きなトラブルになるのを防ぐことができるでしょう。

 ・基本的な考え方/行動指針
 ・フォロー・シェア・「いいね」などのルール
・コメントに対する対応について
 ・コンテンツやコメントの削除について
・配信する内容における責任

今回紹介した事例では、主に上記のような点をまとめていました。ソーシャルメディアポリシーを作成する際には、自社の運営に照らし合わせながら、紹介した事例の表記方法を参考にしてみてください。