自社の商品やサービスの集客・販売促進を行う上でよく活用される施策が「値引き」です。

値引きは、顧客にとってわかりやすい付加価値であり、企業にとっても特別な準備がいらないため、すぐに実行でき、効果を感じやすい施策です。しかし、安易に行えてしまうからこそ、企業が陥ってしまいがちな罠が潜んでいることをご存知でしょうか。値引き施策は、計画的に行うことが重要です。

今回は、値引き施策のメリット・デメリットを取り上げた上で、様々な値引き施策についてご紹介します。
  

値引き施策の目的は、利益の総額を増やすこと

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当然ですが、値引きをすると1商品あたりの利益率は低下します。ただその分、値引き施策によって顧客の購買意欲を刺激し、より多くの商品を購入してもらうことで利益の総額を増やしていくのが、値引き施策の本来の目的です。

この目的を念頭に置かないまま安易に値引きしてしまうと、歯止めがきかなくなったり、値引きに慣れた顧客が定価の商品を購入しにくくなったりと、悪い循環に陥ってしまう可能性もあります。実施が簡単な分、慎重に行うように気を付けましょう。
  

値引施策のメリット

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顧客にとっての利益(ベネフィット)がわかりやすい

商品に付加価値をプラスして提供する施策は、値引き以外にもあります。中でも値引き施策の特徴であり、メリットとなるものが顧客にとっての利益(ベネフィット)がわかりやすいことです。

例えば、商品に何らかの特典を付けたとしても、その特典に価値を感じるかは顧客によって異なります。一方、金額の価値は「高い」「安い」といった捉え方は違う可能性があるものの、価値は固定されているため幅広いターゲットに訴求できます。

参考:
「おまけ」で顧客の心を鷲掴み!5つの顧客インセンティブ施策を解説|ferret
  

新規顧客の獲得

顧客の多くは、新商品など過去に購入したことのない商品に警戒心を抱きます。新しいものを試すことで「得したい」という気持ちより「損をしたくない」という気持ちの方が強いからです。これは「損失回避の傾向」と呼ばれており、行動経済学でも証明されている心理的効果です。

ただ、値引きで購入のハードルを下げることにより、新規顧客にとっても手を伸ばしやすい導線をつくることができます。
  

既存顧客の満足度向上

新規顧客だけではなく、既存顧客に対しても効果が見込めます。「会員限定」など既存顧客限定の値引きや新規顧客の紹介割引を行うことで、継続的に自社商品を購入してくれている顧客の満足度向上につなげることができるでしょう。

顧客に「この企業から特別(大切)に扱われている」と感じてもらうことで、エンゲージメント(企業や商品への愛着心)が高まる可能性もあります。
  

割引施策のデメリット

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利益率の低下

前述のとおり、値引きを行うことで1商品あたりの利益率は低下します。そのため、安易に値引きするのではなく、利益の総額を増やすことを目的に値引き施策の戦略を立てることが重要です。

事前に値引き後の売上見込を予測し、計画的に実施しましょう。
  

定価で購入されなくなる可能性がある

期間限定セールなどで値引き施策を実施した場合、期間が終了し定価に戻した途端に売上が下がってしまうことがあります。

例えば、定価3,000円の商品を1週間2,000円で販売し、その後定価3,000円に戻したとします。その場合、顧客にとっては「3,000円の商品が2,000円に下がった」ことより、「2,000円の商品が3,000円に上がってしまった」印象の方が強く残ってしまうことがあるのです。

このように、1番最初だったり1番インパクトが強かったりした印象が、今後の判断基準として固定されてしまうことを「アンカリング効果」といいます。

参考:
営業マンなら知っておいて損はなし!「アンカリング効果」の基本と活用方法を解説|ferret
  

値引きによる価値の印象が強くなる

あまり頻繁に値引き施策を繰り返すと、顧客は「あの店はよく値引きしている」という印象を抱くようになります。「サービス精神が旺盛」だとプラスに捉えられればいいですが、「値引きしている店」という印象が根付いてしまうと、値引きしていない時期の売上や来客数が減少してしまう可能性もあります。また、もし近隣の競合店がさらに値引きを行った場合、値引き競争を繰り返さざるを得なくなり、双方が疲弊してしまう事態になりかねません。

あくまでも施策の一環として値引きを行うようにして、顧客にとってのイメージはより付加価値の高いものに惹き付けるよう心がけましょう。