Twitterの運営担当者であれば、Twitterの新機能リリース情報はもちろん、それに関連するニュースは押さえておきたいところでしょう。特に、企業アカウントとユーザーのトラブルなどの事案は、自社の運営に役立てるためにも知っておきたいところです。

そこで今回は、そうしたTwitter運営者のために、2017年に起きたTwitter関連のニュースをまとめて25個ご紹介します。

1月のVine終了からTwitter売却騒動、6月には大幅なデザイン変更、8月中旬から話題になった有名アカウントの凍結騒動など、今年もTwitterでは様々な出来事がありました。改めて2017年を振り返り、来年のTwitter運営に活かしていきましょう。
  

2017年1月

1. Twitter公式動画共有サービス「Vine」終了

2017年1月17日(米時間)、Twitter公式動画共有サービス「Vine」が事前の予告どおり、サービスを終了となりました。

Vineは、6秒間の映像を自動でループ再生する動画を作成し、ほかのユーザーと共有できるソーシャルメディアです。リリース後、1億人以上が利用するほど成長を遂げましたが、Twitter社の売却失敗による事業のスリム化などを背景に、Vineはサービス終了となりました。

参考:
【衝撃の発表】Vineがサービス終了に至った3つの理由とは?|ferret
Vine終了で、Twitter上の6.5秒以下の動画はすべて自動ループに|ITmedia NEWS
  

2. 改正ストーカー規制法でTwitterも対象に

ツイートに対するリプライでの嫌がらせやDMを利用した執拗なつきまとい行為は、Twitter社でも度々問題として取り上げています。

2017年1月3日、改正ストーカー規制法が施行され、Twitterを含むネット上でのつきまとい行為も規制の対象となることになりました。

この改正は2016年5月に東京都小金井市で音楽活動をしていた女性がファンの男性に刃物に刺されて重症を負ったことがきっかけとしたものです。当時女性は男性からのTwitter上のつきまとい行為について相談していたが、警察では対応を行わなかったという点が社会問題にもなりました。

参考:
改正ストーカー規制法施行「Twitterやブログに執ような書き込み」も規制対象に|ITmedia NEWS
改正ストーカー法施行 ネット上も規制対象に|日本経済新聞
  

2017年2月

3. Twitter発コラボ漫画シャープさんとタニタくん2巻発売

Twitter担当者であれば、SHARPやタニタ、キングジムといった著名な企業アカウントのツイートは目にしたことがあるでしょう。

こうした企業アカウントは、Twitterの枠を超え、メディアミックス化にまでつながっています。実際、2017年2月23日には企業アカウントをキャラクターとして描く、Twitter発のコラボ漫画「シャープさんとタニタくん」の2巻が発売されました。

参考:
シャープさんとタニタくん@公式サイト|クロフネ
ストレイテナーが「シャープさんとタニタくん」への想いを語る|アニメイトタイムズ
  

2017年3月

4. 卵アイコン廃止!デフォルトのプロフィールアイコンが変更に

2017年3月31日、Twitterのデザインが変更され、デフォルトのプロフィールアイコンの画像が卵型から人型のデザインに変更されました。

卵型のデザインは、「卵からスタートし、そこからかえった鳥がタイムラインにツイート(さえずり)をお届けする」というテーマで設定されたものであり、2010年から7年間運用されてきました。ですが、卵型ではそこに自身の写真を入れるのだと気付きにくいという点から、人型に変更されました。

参考:
新しいプロフィールアイコンのデザイン|TwitterDesign
  

5. Twitter有料版がリリースされると海外メディアが報道し話題に

1月のVine終了からくすぶっていたTwitter社の買収問題に対し、新たな進展かと思われたニュースです。

Twitter社では同社が提供するTwitterクライアントサービス「TweetDeck」の有料版を検討しているとBBC Newsが取り上げ、Twitterのマネタイズが改善されるのではないかと話題になりました。2017年12月20日現在、「TweetDeck」有料版のリリースは公式では発表されておらず、実際に今後リリースされるかは不明です。

参考:
Twitterに有料サービスが登場するかも?高機能版「TweetDeck」を検討中と海外メディアが報道|ねとらぼ
  

2017年4月

6. TwitterLiteリリース

4月6日、従来のTwitterアカウントのまま、データ利用量を軽減できる機能「Twitter Lite」がリリースされました。

発展途上国では通信設備が整っておらず、モバイルユーザーの45%が2Gの通信速度を利用しているという現状において、よりTwitterを利用されやすくするためにリリースされました。

参考:
Twitter Liteのご紹介|Twitter Japan
データが軽量化されアクセスしやすくなった「Twitter Lite」の使い方を解説|ferret
  

7. ポストTwitter?Mastodon(マストドン)が話題に

Twitter社の売却交渉が難航する中で、Twitterに代わるSNSとして「Mastodon」が話題となりました。

Mastodonは、ユーザーがインスタンスというユーザー同士のグループをサーバーごとに自由に立てられる、分散型のSNSです。日本国内ではイラストコミュニケーションサービスPixivがインスタンスを立ち上げ、そのユーザー数は2017年9月に25万人を突破しました。

参考:
Twitterに次ぐSNS?今、注目されている「Mastodon(マストドン)」の特徴と登録方法を解説|ferret
Pawoo、25万ユーザーに到達 pixivの10周年前日に|ITmedia NEWS
  

8. Twitterが米政府を提訴

2017年はTwitterを積極的に利用していることで有名なトランプ氏がアメリカ大統領に就任したことで、Twitterに関連した政治ニュースも数多く報道されました。

2017年3月にアメリカ国土安全保障省はTwitter社に対して、アメリカにおける滞在許可を管轄する市民権・移民局(USCIS)を批判するアカウントの個人情報開示の要求を行い、Twitter社はこれを言論の自由の侵害だとして提訴しました。

トランプ氏がイスラム圏からの旅行者を一時入国禁止にする大統領令を発令したことを背景に、Webサービスの社会的価値が問われたニュースだと言えるでしょう。

参考:
Twitterが米政府機関を提訴、トランプ政権に批判的なアカウントの情報開示求められ|ねとらぼ
  

2017年5月

9. Twitterプライバシーポリシー変更で広告のコントロールがより行いやすく

5月17日、Twitterでは機能の一部変更に合わせ、新しいプライバシーポリシーを公開しました。機能の変更では、Twitter広告におけるターゲット設定の際に参照されるユーザーデータに対してユーザー自身が確認し、修正を加えられるようになりました。

参考:
新しいデータコントロールとプライバシーポリシー|Twitter
  

2017年6月

10. Twitterデザイン変更で多くの企業アカウントから戸惑いの声

6月15日、TwitterアプリTwitterにおけるデザインのリニューアルを行いました。

プロフィールが表示される場所やアカウントの切り替え方法などが変わっただけではなく、プロフィールアイコンが四角から丸に変更になったことでも話題となりました。この変更に合わせて、企業アカウントはアイコンのデザインを変えることとなり、Twitter上ではデザイン変更をネタにしたユニークなツイートも多く見られました。

詳しい内容は以下の記事で取り上げているので、よかったらご覧ください。

参考:
▼【パインアメ、太鼓の達人etc...】Twitterの丸アイコンを生かしたアカウント9選|ferret
Twitterアプリリニューアルで大きく変わった4つのUXポイント|ferret
新しいデザインになりました|Twitter Japan
  

11. キングジム、Twitterコラボ商品「円周率ノート」発売

6月19日、Twitter上での積極的なツイートで知られるキングジムが、Twitterコラボ商品として円周率が罫線としてデザインされた「円周率ノート」を発売。3月14日の「円周率の日」にちなんでツイートした同デザインの商品が生活雑貨専門店ロフト担当者の目の止まり、商品化の運びとなりました。

参考:
キングジム、「円周率ノート」本当に発売 けい線が数字の羅列|ITmedia ビジネスオンライン
  

2017年7月

12. シャープ製品アカウントが運営停止

SHARPが運営する複数のアカウントのうちの1つであるシャープ製品(@SHARP_ProductS)が、任天堂株式会社の公式アカウントに対して「ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン」が実際の価値よりも、商品価値が低いと指摘するリプライを行い、Twitter上の多くのユーザーから批判を浴びました。

この結果、SHARPでは同アカウントの運営を停止し、40万人以上のフォロワーを抱えるSHARPシャープ株式会社(@SHARP_JP)も謝罪する事態となりました。

参考:
「シャープ製品」Twitter運営停止「ミニスーファミ」値踏みで炎上|ITmedia NEWS
  

13.「いいね」が投稿日順から「いいね」をつけた順に変更

7月22日、Twitter Japanは、アプリTwitterにおいて「いいね」の表示順を従来の投稿日順から、「いいね」を押したタイミングの時系列順へと変更しました。

また、同時にユーザーが「いいね」したツイートをフォロワーに表示する機能もリリースされており、一部のユーザーからは「フォロワーに見て欲しいものはリツイートするので機能は不要だ」といった批判が出ています。

参考
Twitter、「いいね」の表示順変更 投稿日順→いいね付けた順に|ITmedia NEWS
  

2017年8月

14. 有名アカウントの凍結が相次ぐ

8月中旬から、漫画家のやしろあずき氏をはじめ、多くのユーザーにフォローされているイラストレーター・漫画家のアカウントが凍結され、Twitter上で話題となりました。

Twitterではあくまで法律とTwitterのルールに基づいた処置であるとしていますが、Twitter CEOジャック・ドーシー氏は一部ルールの施行にミスがあったと認める発言をしています。中には、虫の蚊に対する「死ね」というツイートがTwitterルールに違反していると通報されたことでアカウント凍結されたと主張している事例もあり、Twitter社に対するユーザーの不信感が広がる事態となりました。

参考:
アカウント凍結「日本でもミスがあった」TwitterのドーシーCEO、「改善に注力」(1 / 3)|ITmedia NEWS
「絵師アカウント凍結問題」、Twitterが見解の一部示す「凍結の原因は何らかのルール違反」「多数の通報だけでは判断しない」|ねとらぼ
何カ所も刺されて蚊に「死ね!」とツイート……アカウント凍結|BBCニュース
  

2017年9月

15. ローチケHMVチケットキャンセル問題によりTwitter炎上の危険性が改めて浮き彫りに

「チケット販売サービスのローチケHMVでミュージカルのチケットを購入したものの、運営から一方的にキャンセルされた」という内容のツイートがTwitter上で話題となり、一時ローチケHMVへの批判が相次ぐ事態となりました。

結果として、ユーザー側の入金が行われていなかったことでチケットがキャンセルになったという事が判明したものの、企業のTwitter担当者にとっては炎上の危険性を改めて認識する事となりました。

参考:
ローチケのキャンセル問題、申告者は「未入金」|ITmedia ビジネスオンライン
  

16.「天空の城ラピュタ」放映で企業アカウントのツイートが話題に

9月29日、アニメ映画『天空の城ラピュタ』が放映され、Twitter上では企業アカウントからのツイートが話題を呼びました。

Twitterユーザーの間では、"天空の城ラピュタ" 放映時に作中のセリフに合わせて「バルス」とツイートすることが恒例となっており、日清カップヌードルやSHARPシャープ株式会社などの企業アカウントが作中のセリフをもとにしたツイートを行っています。

参考:
#バルス 効果で29万RT!企業の「天空の城ラピュタ」ツイートまとめ|ferret
  

2017年10月

17. 立憲民主党Twitterアカウントが3日間で12万フォロワー獲得

2017年10月の衆議院議員選挙に合わせて結党された "立憲民主党" がアカウント開設からたった3日間で12万フォロワーを獲得し、注目を集めました。

アカウントでは、演説の内容や政策に関して積極的にツイートを行い、公示前の16議席から選挙後は48議席まで議席数を伸ばす躍進。議席数の伸びはTwitterだけの影響ではありませんが、Twitterにおける本格的な政治活動としても話題となりました。

参考:
立憲民主党のTwitter人気3日で12万フォロワー自民超え、政党最多に|ITmedia NEWS
【衆院選】立憲民主、公示前16議席から3倍増|産経ニュース
  

18. Twitterクライアントサービス「ついっぷる」8年のサービスに幕

10月31日、およそ8年間の長期間に渡り提供されてきたTwitterクライアントサービス「ついっぷる」が終了。現在ではTwitterに投稿する写真を保存するアルバム機能や掲示板機能は終了し、話題の投稿やユーザーをチェックできる「ついっぷるトレンド」のみ継続しています。

参考:
「ついっぷる」きょう終了 画像ダウンロードは11月まで|ITmedia NEWS
  

2017年11月

19. トランプ大統領のアカウントに一時期ログインできない状態に

11月2日(米国時間)、当日にTwitter社を退職した社員の手によって、トランプ大統領のアカウントが11分間停止されるという騒動がおきました。

トランプ大統領のツイートは、政治的にも影響力が大きく、時として議論を呼ぶ事があります。ユーザーからは、この社員の行動に対して讃えるツイートがされる一方で、Twitter社の管理能力の甘さも指摘されました。

参考:
トランプ大統領のアカウント停止、Twitter社「予防措置を講じた」とツイートしたけど… |ハフィントンポスト
  

20. 140文字ルール変更

11月7日、Twitterはサービス開始以来継続してきた1ツイート140文字というルールを変更し、280文字にまで文字数を拡大しました。
これは日本語・中国語・韓国語のような漢字圏に比べ、そのほかの言語の文字数あたりの情報量が少なく、140文字の限度に達してしまうユーザーが多くいたことを問題視した結果の変更です。
※日本語・中国語・韓国語はルール変更の対象とはなっていません

参考:
Twitterの文字数が140文字⇒280文字に 一部ユーザー対象に実験を開始|ハフィントンポスト
日本語、中国語、韓国語以外の言語の制限文字数を280文字に拡大します|Twitterブログ
  

21. 中国にてトランプ大統領がツイート

トランプ大統領は、Twitterを使って自身の意見を積極的に発信しており、ツイートの内容は国際社会からも注目を集めています。ですが、中国では政府の指針によりTwitterをはじめFacebookやGmailといった世界的なWebサービスにアクセスできません。そのため、大統領の中国訪問にあたって、「中国でもTwitterは利用できるのか」という点が話題となりました。

結果として、大統領は中国でも通常と変わりなくツイートを行いましたが、なぜツイートを行えたのか理由は定かではありません。

参考:
トランプ氏、中国でもツイート どうやって? なぜ重要?|BBCニュース
  

22. Twitter新ルール追加

神奈川県座間市のアパートで9人の遺体が見つかった事件をきっかけに、Twitterでの新ルールの追加がなされました。この事件では、Twitter上で自殺を志願しているユーザーにコンタクトをとって殺害に及んでおり、日本政府もTwitter上での規制の必要性を示唆するなど大きな波紋を呼んでいます。

参考:
座間9遺体事件で「Twitter規制検討」ネットには反発の声|ハフィントンポスト
“Twitter外”での発言や行動に制限? Twitterの新ルールについて運営に聞く|ねとらぼ
  

23. Twitter、トランプ統領の反イスラムRTを削除せず

アメリカトランプ大統領が反イスラムを扇動する内容を含んだ動画をリツイートしたことに対して、Twitterがリツイートを削除しなかったことが問題となっています。

Twitterでは、メディアポリシーに基づき削除を行わないこと説明しているものの、その理由の詳細は明らかになっていません。

参考:
Twitter、トランプ大統領の反イスラムRTを削除しない理由を変更|ITmedia NEWS
  

2017年12月

24. 定額制の広告運用サービス「オートプロモート」リリース

12月5日、Twitterは新たな広告運用サービスとして「オートプロモート」をリリースしました。
オートプロモートはツイートが自動で広告に切り替わって配信される定額制のサービスです。広告設定の手間が不要であり、より気軽に広告運用できる仕組みとして活用の幅が広がっています。

参考:
Twitterが新機能をリリース!新たな広告運用サービス「オートプロモート」の仕組みと広告出稿の流れを大公開|ferret
月額定額制のTwitter広告「オートプロモート」のご紹介|Twitter
  

25. Sarahah/Peingなど匿名質問サービスが流行

11月半ばから12月にかけて「Sarahah」や「Peing」といった匿名質問サービスがTwitter上で流行しています。中でも「Peing」は12月11日時点で登録ユーザー数は41万となり、質問数は300万を超えています。

参考:
「1人で6時間で作った」Twitterで匿名質問「Peing」人気、月間2億PV超えへ|ITmedia NEWS
急速に流行「Sarahah」とは? 中東発のアプリ、日本でランキング1位に(岡田有花) - 個人|Yahoo!ニュース
  

まとめ

2017年初頭はVineの終了やポストTwitterとも言われたMastodon(マストドン)の登場などTwitter売却交渉に関連したニュースが数多く話題となりました。8月頃からはアカウントの凍結問題が話題となり、2017年12月現在もアプリ開発者に対して一方的なアカウント凍結を行っているとして問題は尾を引いています。

また、今年はアメリカのトランプ大統領をはじめとして、Twitterの政治利用についてもスポットライトがあたった1年でもありました。

10月27日に国内の月間アクティブユーザー数は4,500万人を超え、日本国内においてTwitterの利用は拡大しています。今後も新機能のリリースや企業のTwitter利用、ユーザーの変化に目を配り、自社のビジネスチャンスを逃さないようにしましょう。

参考:
Twitterの凍結騒動で考える性善説と性悪説の分岐点(徳力基彦) - 個人|Yahoo!ニュース
ツイッター:国内利用者4500万人に|毎日新聞