顧客ロイヤルティアップのために知っておきたいポイント5つ

1. 顧客へのヒアリングを徹底して数値化する

先にご紹介した「NPS」でも自社独自の評価基準でも構いませんが、既存顧客へ自社商品やサービス、企業ブランドなどに対する愛着や信頼などをヒアリングし、視認できるように数値化することがポイントです。

数値化することで「現在、何が足りていないのか」「十分に提供できているのか」をきちんと把握することが可能です。

結果、足りていない部分に対しては改善施策を分析・検討、十分に提供できている部分はなぜロイヤルティが高いのかを分析して企業ノウハウの1つとして蓄積しておくことができます。
  

2. 心理的なロイヤルティの向上

例えば、リピーターに対してはポイント付与のサービスを提供したり、新規顧客を紹介してくれたら追加サービスなどのインセンティブを提供したりなど、「顧客に喜ばれることは何か」を意識した施策は、心理的なロイヤルティの向上につながります。

先にご紹介したように、心理的なロイヤルティが高まれば行動面でのロイヤルティも高まる傾向にありますので、結果的にさらなるリピート利用や口コミ行動などにつながります。

ただし、ここで重要となるのは、根本からの心理的なロイヤルティ向上を意識することです。本来心理的なロイヤルティとは、商品やサービス、企業ブランドなどに対する愛着や信頼などの「感情」を指します。そのため、ただポイントサービスなどを提供しただけでは、類似のサービスを競合他社が提供した際に天秤にかけられます。

ここで顧客がどちらの企業を利用するか判断軸となるのは、「どちらのブランドが好きか、信頼できるか」です。愛着と信頼を勝ち取るためには、競合他社と類似したサービスを提供するだけではなく、「如何に顧客目線で彼らのニーズに寄り添うことができるのか」がポイントとなります。
  

3. サービス力の向上

顧客と企業が接するタッチポイントは、実際の販売現場だけではありません。電話やホームページ、SNS、メールなど、タッチポイントは多岐に渡ります。

顧客と接することができるツールが多ければ多いほど、様々な角度からアプローチ可能です。ただ、非常に便利ではありますが、同時に顧客が企業に求める「要求への対応」もロイヤルティ向上において重視されるポイントとなります。

例えば、以下の例ではいかがでしょうか。

Aというネットショップで机の購入を検討していて商品の詳細を知りたいが、Aへ連絡したものの何時間も返答がない。

同じ商品名を検索してみたらBというネットショップも販売していたので、そちらにも問い合わせるとすぐに返答があった。

Bの方がAに比べて1,000円高いが、対応の速さと丁寧さからBでの購入を決めた。

このような経験は、特にネットショップを利用する機会の多い方はよくあるのではないでしょうか。問い合わせやクレームなどへの対応の遅れや乱雑さは、顧客満足度を低下させてしまうためロイヤルティを失う大きな要因となります。

「自分が顧客だった場合にどうしてもらえるとうれしいか」を考え、ホスピタリティのあるサービスを提供するよう心がけることが重要です。
  

4. SNSの活用

FacebookやTwitter、インスタグラムなどのSNSを利用して自社商品やサービスの販促を行っている企業も少なくありません。

SNSは既存の顧客と企業が気軽につながることのできるツールで、かつ新規顧客に対してもプロモーションだけではなく、サービス力をアピールすることのできる場です。また、顧客の細かいニーズ、商品やサービスに対する感想などを知ることもできるので、率直な意見をヒアリングする場としても活用できます。

さらに、SNSで拾い上げた顧客のプラス意見をスタッフに伝えることもできるため、顧客ロイヤルティ向上のメリットとして先に記載した「5. 業務効率の向上」にもつながります。

なお、SNSを活用するにあたっては「3. サービス力の向上」でもご紹介したようにスピーディーな対応が求められます。

適切でスピード感のあるコミュニケーションは、既存顧客の満足度を上げるだけではなく、新規顧客に対しても好印象を与えます。顧客とよい関係を構築・維持することを意識してください。
  

5. カスタマーエクスペリエンスの向上と改善

カスタマーエクスペリエンスとは、顧客が商品やサービスなどを利用する際に通過する体験の一連の流れを示します。商品やサービスの購入前の販促〜購入後のサポートなど、自社の商品やサービスに関連する顧客体験全てです。

カスタマーエクスペリエンスを向上させるためには、現状でどのタッチポイントに改善できる点があるのかを分析することからはじめる必要があります。分析を行った結果を商品やサービス、関連するサポートサービスなどに活かすことができれば、顧客ロイヤルティを向上させることにもつながります。