ネットショップの運営で、コンバージョン率の向上は最も重視していきたい要素でしょう。ホームページにアクセスがあっても、商品を購入してもらえなければ、利益に繋がらないからです。

コンバージョン率を上げるには、サイトデザインのリニューアルやWeb接客ツールの導入など様々な手段が考えられます。そのなかで、着手すべきなのは会員情報などの入力フォームの改善です。特に、パソコンユーザーを中心に入力フォームを作成している場合は、今すぐ見直しが必要です。

近年はスマートフォンの利用者の増加に伴い、ホームページにスマートフォンを使ってアクセスするユーザーが増えています。スマートフォンを経由してECサイトで買い物をすることも一般的となりました。

今回は、今すぐチェックしたいスマートフォンの入力フォームチェックポイントを紹介します。スマートフォンユーザーが利用しやすいフォーム作りの参考にしてみてください。

売り上げアップの鍵はEFOにあり

ネットショップの売り上げをアップさせるには、

  • 広告を使って集客
  • SNSで商品認知度を上げる
  • ランディングページのデザインを変更する
  • 入力フォームを改善し離脱率を下げる

などの手段があります。

上記の方法はどれも売り上げアップに有効な手段ですが、中でも入力フォームは優先すべきでしょう。なぜならば、入力フォームまでたどり着いているユーザーは、商品購入の意思がある可能性が高いからです。

ここで離脱してしまうユーザーを防ぐことは、ECサイトの売り上げに直結します。

この入力フォームの改善をして通過率を上げることを「入力フォーム最適化(EFO)」と呼びます。

参考:EFO(入力フォーム最適化)って?フォームを改善して売上を上げるための20のテクニック

なぜスマートフォンのEFOが必要なのか

総務省が発表した「平成28年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、全世代におけるスマートフォンの利用率は7割と非常に高い割合です。
特に、20代、30代のスマートフォン利用率は9割以上となっており、ほとんどのユーザーがスマートフォンを利用しています。多くのユーザーがスマートフォンを利用してホームページにアクセスしているといえるでしょう。

そのため、入力フォームに関しても、スマートフォンで入力しやすいフォームを意識する必要があります。

参考:平成28年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書

スマートフォンとパソコンのEFO対策の違い

それでは、スマートフォンとパソコンのEFOにはどのような違いがあるのでしょうか。

どちらも入力のしやすさを意識することは同じですが、デバイスの違いがあるため、以下の点に注意する必要があります。

ディスプレイが小さい

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スマートフォンはパソコンよりもディスプレイの小さなデバイスです。そのため、ディスプレイにスクロールなしで表示できる情報は、パソコンよりも少なくなります。

パソコンのディスプレイに表示させている情報をそのままスマートフォンのディスプレイに表示させてしまうと、入力フォームや説明文が小さくなり読みづらくなってしまうでしょう。

スマートフォンのディスプレイサイズに合わせた入力フォームを作成するようにしましょう。

入力方法の違い

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パソコンで文字入力をする際は、キーボードを使って両手で入力をします。

一方、スマートフォンで文字入力をする際は、片手でディスプレイを直接タッチしながら入力します。また、パソコンと違い、数字、アルファベット、記号など、入力する文字が変わるたびにキーボードタイプの切り替えが必要です。

会員登録の入力フォームに必要な住所や電話番号入力時は、キーボードタイプの切り替えが必要なもの文字が多く、スマートフォンの場合パソコンよりも入力の手間が多くなります。

入力にかかる時間が長くなれば離脱するユーザーも増えてしまうでしょう。スマートフォンの入力フォームでは、ユーザーの手間が少なく素早く入力できるフォーム作りが必要です。

スマートフォン入力フォーム6つのチェックポイント

1.テキストボックスやボタンを大きくする

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引用:留学くらべ〜る

スマートフォンは、指でタップして入力フォームを選択します。指でタップする場合、パソコンのカーソルを合わせるように、細かな作業は難しいでしょう。

入力フォームが小さいと、ユーザーが誤タップしてしまいストレスを与えてしまう可能性が高くなります。

指でタップしやすいテキストボックスの大きさを心がけるのはもちろんのこと、チェックボックスや決定ボタンのサイズも大きく設計しましょう。

2.キーボードの指定をする

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引用:留学くらべ〜る

会員登録時は、漢字・カタカナ・ひらがな以外にも数字やアルファベット、記号の入力を求めることが多いでしょう。

スマートフォンの場合、異なる文字種や記号の入力にはキーボードタイプの切り替えが必要です。例えば、氏名のあとに電話番号の入力フォームがある場合、ユーザーにキーボード切り替えの手間を与えてしまいます。

この手間をなくすために、電話番号や郵便番号では数字キーボードを、クレジットカードの名義入力ではアルファベットキーボードなど入力フォームごとにキーボードを指定してしまいましょう。また、半角、全角の指定がある場合も同様です。
入力フォームをタップするだけでキーボードが切り替われば、入力のストレスが少なくなるでしょう。

3.ハイフンの入力は省略する

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引用:留学くらべ〜る

電話番号や郵便番号を入力する際、ハイフンを入れるとキーボードの切り替えが必要になります。ハイフンを省略した方が、ユーザーは速やかに入力ができるでしょう。

ハイフンの入力は省略し、ハイフンは不要の注意書きか、ハイフンなしの記入例を記載しておけばユーザーも入力時に迷いません。

4.記入例をフォームの中に表示する

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引用:留学くらべ〜る

パソコンの入力フォームの場合、テキストボックスの上段や下段に記入例が記載されている場合があります。しかし、スマートフォンの場合は、記入例をフォームの中に表示させましょう。

フォーム内に表示させることで、スペースの削減になりますしデザインもすっきりします。また、ユーザーはどこに何を記入すべきか一目でわかります。

5.入力項目を減らす

そもそもの入力項目を減らせば、ユーザーが入力フォームにかける時間が短くなります。会員登録の上で絶対に必要な項目以外は削除するか、必須項目以外は任意入力にして、入力項目を減らしてみましょう。

ユーザー属性を分析するため様々な情報を入手しておきたい気持ちもありますが、ここでは登録完了までの時間を短くすることに集中してください。

6.電話番号を表示させる

パソコンとスマートフォンの大きな違いとして、デバイスを使って電話がかけられる事が挙げられます。スマートフォンの入力フォームページには電話番号を記載し、タップしたら電話がかけられるようにして起きましょう。

電話番号の表示は入力時間の短縮には繋がりません。けれども、ユーザーが入力方法に迷った時にワンタップで電話して質問ができれば、離脱防止につながるでしょう。

EFOツールの導入も検討してみましょう

自社で入力フォームをチェックすることはもちろん大切ですが、改善ポイントがわかっても人手不足や知識不足で改修が難しい場合もあるでしょう。その場合は、有料のEFOツールを導入してみるのも1つの手段です。

コストはかかりますが、ツールを導入すればすぐに入力フォームの改善に取り組めます。結果としてコンバージョン数が増え、利益の向上に繋がる場合もあります。

社内でEFOに取り組むことが難しい場合は、EFOツールの導入も検討してみましょう。

まとめ

入力フォームまでたどり着いているユーザーは、購入意欲が高いユーザーです。このようなユーザーの離脱を防ぐことで、売り上げアップが期待できます。

近年は、スマートフォン経由でECサイトにアクセスするユーザーも多くなっています。特に、スマートフォンの利用率が高い年齢層を対象としている商品を扱っているのであれば、今すぐにスマートフォン用EFOに取り組む必要があります。

パソコンとスマートフォンの違いを理解し、スマートフォンユーザーがストレスなく登録できる入力フォームを心がけてみましょう。