日本と海外のマーケターの違い

海外大手マッチングサービス企業へのM&A

国内のマッチングサービス市場でトップに上り詰めたPairsは、次のステージとして台湾にて「派愛族(台湾版 Pairs)」をリリースし、さらに事業規模を拡大していきました。

そして、2015年5月、エウレカは多数の有力インターネットサービスを有する米InterActivCorp(IAC)の傘下にあたるMatch GroupによるM&Aを発表。同社は世界的なマッチングサービス「Tinder」や「Meetic」などを手がけており、そのノウハウを生かしてPairsはさらにグローバル展開を注力することを選択しました。

海外のマーケティングに触れ日本の強みを知る

Pairsの海外展開や、Match GroupによるM&Aを経て岡弘 氏は海外と日本のマーケターの違いについて、以下のように言及しています。

「海外(アメリカの場合)は市場がそもそも大きく、一発を当てるための広告予算も大きい。そのため、レバレッジも大きく掛けてインパクトを出す傾向にある。例えば、CPAを300円から280円に下げることも重要だが、敢えてCPAを上げてでも母数形成を重要視している。」(岡弘 氏)

マーケティングは精緻に施策を練るよりも、多額の予算で広告などを運用し、大きくレバレッジを掛けるというダイナミックな施策を行うというのは、市場の大きさを見れば当然とも言えるでしょう。

一方で日本の市場は、決して小さくはありませんが、海外と比べればサービスの市場は狭く、そして成熟も早い。そのため、「広告予算」だけに頼らず、広告キャンペーン設計を臨機応変に調整し、運用するのが一般的です。

「Match Groupと情報交換をしたとき、Pairsで運用していた広告のCPAについて話したんです。すると、Match Groupよりもかなり安価な運用できていることがわかり、とても驚かれました。海外のマーケターと比べて、細かさでは負けていないと思いましたし、私たちの運用スタイルは世界でも十分に戦えると感じました。」(岡弘 氏)

事実、岡弘 氏は当初依頼されていた、PairsのFacebook広告運用に始まり、アプリのチュートリアルやLPO、クリエイティブ制作、Facebookページなどを活用したオーガニック獲得施策にいたるまで支援範囲を拡大してきたそうです。

この事例から、現場で必要とされている施策が「広告運用」だったとしても、サービスの全体像から最適化すべきポイントはどこかを見極めることが、結果として広告のパフォーマンス改善に繋がるということがわかります。

プラットフォームの変化に気づけるか

Pairsは、上述の事例からもわかるように、Facebookというプラットフォームを最大限に活用して成長したサービスです。このように、トレンド性の高い「プラットフォームに乗る」ことはサービスの成長を目指す上で参考にすべき考え方です。

「Pairsは、Facebookというプラットフォームの急成長とともに非連続的にスケールさせることができたと言えます。なので、いま同じことができるかというと……それはもう明らかですよね。いま、当時の状況と同じことが起きているプラットフォームはなにかと考えて、そこにいるユーザーの視点に寄り添う姿勢があるマーケターが生き残っていくのではないでしょうか。」(赤坂 氏)

当時と現在では、Facebookのあり方が異なるのは明白です。また、現在ではInstagramやPinterestのように新たにビジネスとして注目されているプラットフォームが出現しています。

「Instagramは今まさに旬なプラットフォームですよね。そして今後、Facebookと同じようになっていくのではないかなと考えています。既に、いわゆる“おじさん”と呼ばれるような大人世代のInstagramの使い方と若い世代のそれは違いますよね。その点を理解することが大切です」(赤坂 氏)

赤坂 氏の発言からわかるように、プラットフォームは時代とともに移り変わるものです。また、それを利用する主要なユーザー(Instagramでは若年層)とそれ以外では「使われ方」が異なる場合があります。