こんにちは、株式会社ヘノブファクトリー谷脇です。
このシリーズでは、一貫して「サイト育成」についてご説明してきました。
サイト育成とは、当社がオススメしているWebサイトの弱点を探り当て、少しずつ改善し、サイトの効果をアップしていく手法のことです。

シリーズ2回から4回では、「物販型サイト」「資料請求型サイト」「会員登録型サイト」などサイトの特性に合わせて、ありがちな失敗、取り組むべきポイント、サイト育成の事例を紹介しましたので是非ともご参考になさってください。
この記事では、サイト育成に取り組む際の注意点や、効果を判断するポイントをお伝えし、手軽に実践できる「デザイン&導線改善」のテクニックも説明していきます。

▼前回の記事▼
伸び悩むサイトを「サイト育成」によって、効果アップさせよう! 「サブスク型」サイトの効果改善方法

Webサイトごとの効果が出る鉄板施策を探していこう

前回までご説明してきたように、「物販型サイト」「資料請求型サイト」「会員登録型サイト」などの特性ごとにサイト育成の方法は異なります。さらに、サイトの特性が同じでも、商材やサービス、運営企業が違えば、同じ施策で効果が出るとは限りません。

運営をご支援している中で「どんな施策が、一番効果がありますか?」とよくお客様に聞かれますが、残念ながら、どんなサイトにも万能な施策はありません。その代わり、私たちは、改善に時間のかからない小さな施策を、たくさん試すことをオススメしています。
たとえば、「全ページに共通して入っているナビゲーションを変更する」、など作業自体には時間がかからず、影響範囲が大きいものから取り組むといいでしょう。

すると、多くの施策を試すことができ、ひとつの施策の効果が1.1倍だったとして、それを10回繰り返せば、約2.6倍もの効果アップが実現できます。
それがサイト育成の醍醐味だと、私たちは考えています。

Webサイトで売上をアップする要素は、「集客数」「CV」「顧客単価」

Webサイトで売上をアップするための計算式は、以下の通りです。

売上=集客数×CV×顧客単価

そのため、「集客数」「CV」「顧客単価」のいずれかが上がれば、売上アップにつながります。

ユーザの購買心理を「連想」して施策を考える

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数字の悪いページを見つけ、改善施策を実施するとアタマではわかっていても、実際にどんな施策を行うのが良いのかイメージがつかない、そんな声をよく聞きます。

そんな時は「購買心理の7段階」を活用して、ユーザの心理を連想してどんなコンテンツが必要かを考えましょう。

ユーザは、こちらの表に示したように、注意から順に感情が動いて、最終的に決断すると言われています。サイトを歩く中で、どんな感情なのか、どういうコンテンツを示すことで次の感情に移ってもらえるのかを考えていきましょう。

ユーザが知らない状況だった場合は「知らせる」コンテンツが必要で、「他人事」の状況の場合は「自分事」になってもらうための連想コンテンツが必要であるということがわかります。

ネットショップの場合は「より買いたくなる」動機付けをする、資料請求サイトの場合は「より詳しく知りたくなる」動機付けをする、という具合です。

ご自身のサイトをユーザ目線で辿って見た際に、どんな感情になるのか、そして、ゴールとなる「決断」まで自然と誘導されるサイトになっているか、一度歩き回ってみることをおすすめします。

集客数は大切ですが、この購買心理に働きかけることができないと離脱や直帰を生んでしまい、結果サイトの中に人が残らなくなってしまいますので、逃がさない作りにしていきましょう。

私たちが多くのサイトを見ている中で、不足しているのが「連想を引き出すコンテンツ」です。欲望に働きかけるコンテンツは足りていて、自分だったらと連想してもらうステップがないことで次に進めていないことが多いのです。「20代の女の子がInstagramに写真を上げているシーン」や「ファミリーでピクニックに行くシーン」「ビジネスマンが仕事をバリバリこなしているシーン」など、商品やサービスにマッチしたイメージと共に伝えることで、自分ごとにできる場合がありますので、適宜コンテンツを強化していきましょう。

施策を導入して、結果を見る、を1サイクルに

施策を試す期間は、2週間ほどをオススメします。
施策を反映した上で効果を検証し、効果があれば施策を反映したまま次の施策に進み、効果が下がってしまった場合は一喜一憂せずに、元に戻して次の施策へと進んでいきましょう。
そして、ひとつの施策を反映している2週間のうちに、次に反映する施策の準備を進めていくのがベストです。

小さな施策で出せる効果は、売上がアップするという最終ゴールではなく、直帰率が下がって回遊率が上がる、PVが増えるなどの小さな効果であることがほとんどです。
しかし、どんな効果があったかを検証することで、次の打ち手が見えてきます。

たとえば、ナビゲーションを変更してPVが増えたのにCVが増えない場合は、CVする商品ページ情報の改善をすればいいとわかるので、PVが増えたページの情報を修正する、といった具合です。
このように施策を繰り返すことで、効果が出るWebサイトへと育成していくことができます。

第一回の記事でも説明したように、Webサイトを以下のような育成のステップにのせていくことをオススメします。

1.サイトの弱点を見つける
2.改善すべきページを把握する
3.デザイン・ コンテンツ制作
4.施策の更新
5.集客および販促
6.効果の検証

※各ステップについて、くわしく知りたい方は「伸び悩むWebサイトを育てる!「サイト育成」の6ステップを解説の記事もチェックしてください。

手軽に実践できる「デザイン&導線改善」改善テクニック

先ほど、「どんなWebサイトにも効果的な施策はない」とお話ししましたが、私たちの経験上、複数のサイトで効果につながった施策がいくつかあります。
どのサイトでも効果があるとは言えませんが、小さな施策のひとつとして試してみてもいいと思います。

商品ナビの追加や並び順を変える

商品を紹介している物販型サイトの場合、商品ナビゲーションを追加することで直帰率を下げられた事例があります。
すでに商品ナビがある場合は、定番商品順にしていたところを売れ筋順に変更して売りたい商品を目立たせることで、効果がアップする可能性があります。

フッターエリアの情報を充実させる

Webサイト全体の共通フッターに、簡素な情報しか載せていないサイトが実は多いです。
こうした共通フッターの情報を充実させることで効果が出た事例があります。

また、サイト内のページ特性に応じて、異なるサブのフッターを追加することで、各ページの直帰率が下がり、サイト全体の回遊性が上がったという事例もありました。

小さな改善を積み重ねていくことが重要

Webサイトの効果をアップしたいときは、いきなりリニューアルをするのではなく、小さな改善を積み重ねていく「サイト育成」をオススメした理由はご理解いただけましたか?

私たちがサイト育成をオススメする背景には、実は自社でWebショップをゼロから立ち上げ、売上1億円規模に育成した実績があるからです。
その事例については次の機会にお話ししたいと思いますが、そのWebサイトを育成するために実践したノウハウが、私たちがお客様に提供するサービスの基盤となっています。