〈事例紹介〉注目のポップアップストア5選

ここからは、私が最近気になった(記憶に残っている)ポップアップストアの事例を5
つ紹介していきたいと思います。
※当社からプレスリリースとして情報が発信されたものに関しては、参考でURLを掲載しています。

事例1・スキンケアブランド×〇〇!意外なコラボで消費者を沸かせる

ferette_waso.jpg出典:資生堂ジャパン
資生堂:WASOが代官山に八百屋をオープン
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000944.000005794.html

資生堂が世界88の国と地域で展開している「SHISEIDO」から登場したミレニアル世代向けの新しいスキンケアラインである「WASO(ワソウ)」の日本国内での発売開始を記念してポップアッププロモーションを実施しました。コスメブランドのポップアップイベントというと、実際に商品のタッチアップスペースがあったり、専属BAによる肌測定やプロのアーティストによるメイクアップ体験ができたりする場合が多いと思います(もちろんその多くが、Z世代に寄り添った、“映える“フォトスポットやアイテムが用意されているのですが)。

メイクアイテムの場合は商品自体のカラフルな鮮やかさで、そもそも画映えします。新商品というだけで注目が集まりそうなのですが、スキンケアアイテムはその使用感や、効果、性能を視覚的にシェアしにくく、消費者も“新商品”だから……と言って安易に食いついてはくれないでしょう。さらには、長年使っているスキンケアのブランドラインがあれば、大きなインパクトや魅力が無い限り、もしかしたら新しいブランドですら、見落とされてしまう気さえします。

そんな中、今回のポップアップで選ばれたコンセプトは、なんと八百屋。しかも代官山という、洗練された印象のある街のなかに突然ポップアップしました。野菜を美しく展示したユニークな空間で、ブランドが考える“自然の素材を活かし「ありのままの美しさ」を導く”という考え方を体現したものでした。コスメ×八百屋という、一見繋がりのなさそうな新しいコラボレーションは、ターゲットである20代女性という若年層に“新鮮”な驚きを提供できたと言えそうです。

事例2・目に見えない問題を“体験”でシェア

ferette_fb.jpg出典:フェイスブック ジャパン

フェイスブック ジャパンはフェイスブック日本版が誕生11周年を迎えることを記念し、日本初のポップアップカフェを原宿に出店しました。フェイスブックとしては日本初のイベントであり、パンケーキが無料で(しかもドリンク付きで!)提供されるという、なんとも太っ腹なイベント。しかし、ここでスイーツを手にいれるためには「プライバシー診断」をする必要があるのです。

カフェに訪れた人は、「Facebookの二段階認証の方法を知ってる?」などプライバシーやセキュリティーの設定に関する理解度をチェックする全5問のアンケート形式の診断を行わなければなりません。その診断結果に応じて、“異なる甘さ”のスイーツが提供され、プライバシーやセキュリティ保護について学べるというもの。Instagramの利用シーンもどんどん拡大するいま、ユーザーが安心・安全にプラットフォームを使える環境作りに注力しているということ自体を具現化するものとなりました。インターネット環境がどんどん普及するなかで自分の情報は自分で守らなければなりませんが、サイバースペース上の問題であるためにわかりずらさや自分ゴト化しにくいと感じられるハードルもあるはず。こういった問題に対して、家族や友人と一緒に、甘いパンケーキを食べながら、甘くあってはならない情報管理やITリテラシーについて考える体験は、ユーザーの記憶に残るものになったでしょう。