数年前からEC業界を中心に注目されるようになった「Web接客ツール」。その勢いは、国内に数多くの「Web接客ツール」が存在しながらも、毎年新たなものが登場しているほど。そんなWeb接客ツールですが、そもそもの「Web接客とは何か、なぜ重要なのか」がきちんと語られることは少ないように思います。

コロナ禍による大きな市場環境の変化により、ビジネスモデルも変化を迫られている今、改めてWeb接客が注目される理由を紐解くことで、よりツールとしての活用の幅が広がると考えます。

「Web接客ツール」とは何か

Web接客のイメージ

「Web接客」とは、Webサイト上で実店舗のように接客をすることです。主にユーザーの購買行動を最適化する目的で、ECサイト等に取り入れられています。具体的な手法で言えば、ポップアップやチャットボットを用いたユーザーへの情報提供やコミュニケーションがWeb接客とされることもあります。

「Web接客ツール」とはタグ等を設置することによって、サイトやページを改修せずともWeb接客を行えるツールを指します。一口に「Web接客ツール」と言ってもそれぞれに機能や使いやすさ、価格などが大きく異なるため、導入時には目的や自社内のリソースにあったものを見つけられるよう比較、検討する必要があります。

市場環境「コロナ禍で起こったEC業界の変化」

EC事業に対する追い風と逆風

株式会社ナウキャストと株式会社ジェーシービーによる調査によると、コロナ禍で自粛が続く中、4月時点で小売業界の消費指数は「EC」と「家電」のみが1月比でプラス成長しており、他の業種は大きくマイナスを記録しました。プラス成長している家電も店頭ではなくECで売上を伸ばしています。

追い風が強く吹いているようにも感じられるECですが、今後の見通しとしては商品のカテゴリーによって需要の大小が明確化していくことも予測されます。

現時点でも食料品や生活用品、そして衛生用品の需要が非常に高い状態ですが、今後、コロナによる外出自粛が長期化すると、家庭内でも利用できるような娯楽商品や緊急時の備蓄用品の需要がさらに大きくなると共に、先行きの不透明感から、嗜好品などの需要は冷え込んでいくことも予想できるでしょう。

参考:
緊急事態宣言が全国に拡大した「4月後半の国内消費動向指数」を公開 | JCB グローバルサイト

EC化が促進され、オンライン競争が激化する時代へ

実店舗での商品販売やサービス提供が制限されている今、これまでEC化に積極的ではなかった事業者の多くがオンラインに活路を作ろうと整備を進めています。もともとEC化が進んでいたアパレル業界や家電業界などはもちろん、飲食店やホテル、教育などのサービスにおいてもオンライン化・EC化が進んでいくことが予想されます。

新規参入者が増えるに伴い、オンライン広告においても一部入札の倍率が上がり広告費が高騰する、また嗜好性の高い商品においては獲得効率が落ちることでCPA(顧客獲得単価)も高騰する等の影響が出てくる可能性もあるでしょう。

オンラインでのコミュニケーションを制するものが事業の成功を制す

エンドユーザー側においてもコロナウィルスの影響で在宅勤務や外出自粛が増え、インターネットの利用率が増加しています。必然的に企業とユーザーのコミュニケーション手段も、メール、チャット、SNSなどオンラインを介したものがさらに活発化していきます。

EC事業において、ユーザーに選ばれ続ける商品、企業であるために、既存ユーザーに対してコミュニケーションを取り、CRM(顧客関係管理)を行いながらエンゲージメントを醸成していくことの重要性は言うまでもなく、多くの企業が取り組んでいる領域です。しかし、見込み顧客とのタッチポイントにおいては、コミュニケーションの手段を導入できていない企業も多く見られます。

この見込み顧客に対しても、ユーザーインサイトを捉えて、適切なタイミングで適切な情報を伝えることで、大きく2つの効果が期待できるのです。

①即時的に購買意欲が高まり、獲得効率を向上させることができる
②商品や企業に対する信頼感を醸成し、その後のエンゲージメントに繋げることができる

より重要なのは②だと考えます。というのも顧客化後のリピート率や定期購入への引き上げ率、客単価など、事業のクリティカルな数字に直結する要素だからです。

オンラインでの獲得競争が激化していき、広告費の高騰が進む中、サイトに訪問してくれた見込み顧客を1人ひとり、いかに大切にしていくかによって、獲得効率が向上するのはもちろんのこと、その後の深いエンゲージメント構築にも繋がっていくことでしょう。

そしてその匿名の状態のユーザーのインサイトに合わせてコミュニケーションをとれるツールが「Web接客ツール」なのです。