マーケティングの精度を高め、収益を獲得する仕組みをつくるためには、リソースをいかに管理するかが大切です。*マーケティングリソースマネジメント(MRM)は、効果的なマーケティング施策を明確にし、的確な予算配分を実現できる手法として知られています。*マーケティングの費用対効果を最大化するための方法の一つとして勉強しておきたいところです。

この記事をご覧いただければ、マーケティングリソースマネジメント(MRM)が、どのような方法なのか理解することができ、活用のメリットもスムーズに把握できます。マーケティングに取り組んでいる方は、精度を高めるための参考情報としてぜひご一読ください。

マーケティングリソースマネジメント(MRM)とは?

マーケティングリソースマネジメント(MRM)とは、マーケティングのために必要なリソースを的確に管理し、もっとも効率のよい予算投下を行うことです。

マーケティングでは、顧客を獲得するために、様々な施策を打ち出します。新聞や雑誌の広告もあれば、折り込みチラシ、ダイレクトメールもあるでしょう。オンラインでは、リスティング広告ディスプレイ広告、SNS広告などのインターネット広告など多岐にわたります。これらの中に予算の投資効率が悪いものが含まれていても、的確な管理をしていなければ把握できないでしょう。いかに無駄を減らし、効率化を行うかということが重要なのは言うまでもありません。

実施するマーケティング施策は、成果を確認するためにKPIを設定することが大切です。顧客の購入金額や頻度、購入までにかかった時間、アクションの内容などを把握し、それらが目標に対してどのような結果だったのか一つずつ確認しなければいけません。そして、効果があるアプローチのパターンまで把握し、ターゲット層やメディア、クリエイティブ、タイミングなどを最適化して、次のマーケティングに利用するのです。マーケティングリソースマネジメント(MRM)によって、どのマーケティング施策がなぜ成功したのかを把握できれば、PDCAサイクルをさらにブラッシュアップされ、精度を高められるでしょう。

参考:いま注目を集めるマーケティング・リソースマネジメント(MRM)|ITmedia エンタープライズ

マーケティングリソースマネジメント(MRM)のメリット

ここで、マーケティングリソースマネジメント(MRM)のメリットを整理してみましょう。マーケティング効果を最大化できるポイントが見えてくると思います。

費用対効果を高められる

*マーケティングリソースマネジメント(MRM)の最も大きなメリットは、費用対効果の向上です。*様々なマーケティング施策の実績を検証し、適切な予算配分に補正できます。このようなリソースの管理により、最も高い費用対効果を目指すことができるのです。例えば、効果がなかった施策を取りやめ、その分の予算を効果があった施策に追加するといったスムーズな戦略の切り替えが可能になります。このような最適化を繰り返し行えるので、PDCAサイクルをまわすほど、効果を発揮できるでしょう。

成果が上がった理由を明確にできる

実行したマーケティング施策の中で、投資効果があったものとなかったものを明確にした上で、その成果となった売上とコストの相関関係を把握できます。*マーケティングの成果を出すために、どのようなターゲットに、何をどのくらい行うかといったデータが得られれば、次はさらに確度を上げられるでしょう。*複雑な場合でもシステムを使うので、顧客セグメントや時系列ごとにデータを表示し、シミュレーションをすることができます。マーケティングにとって大切なのは、「仮説」と「検証」です。マーケティングリソースマネジメント(MRM)は、データをもとに具体的な仮説検証を実行できるところに大きなメリットがあると言えます。

参考: マーケティング・リソース・マネジメント(知っておきたいIT経営用語)|日経クロステック

客観的な判断ができる

マーケティングリソースマネジメント(MRM)はデータによる客観的な判断が可能です。個人的な思い込みや感情により判断を誤る心配がないと言えるでしょう。*この透明性の高さから、チームが動くべき方向を明確にでき、ブレないようにマーケティング活動の精度を高めていける効果があります。*チームでマーケティングに取り組むときに重要なことは、客観的に数字を見ることです。自社のマーケティングこそ、つい先入観が出てしまったり、発言者の立場による影響が及んでしまったりすることがあります。プロセスの有意性までわかるマーケティングリソースマネジメント(MRM)は、透明性による明確な判断を実現し、施策実行のスピードアップにもつながるでしょう。

MRMシステムの一例

マーケティングリソースマネジメント(MRM)のシステムを紹介しましょう。MRMシステムは、予実管理による投資収益率を最大化のほか、大量のマーケティング・リソースの作成管理が容易にできるものなどがあります。規模の大きいマーケティングにも的確に対応できる機能が魅力です。

HCL Unica

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出典:HCL Unica

HCL社のUnicaのコンポーネントであるUnica Planは、マーケティング計画、予算編成、リソース管理を統合してコストを明確にし無駄を排除することができます。キャンペーンサイクルタイムを短縮できるので、迅速な市場投入を実現できるシステムです。Unicaは、その他、様々なマーケティングの支援に役立つ、オンプレミスとプライベートクラウドのプラットフォームです。

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出典:Adobe Campaign

Adobe Campaignは、顧客データを活用した動的なキャンペーンを構築できるマーケティングツールです。マーケティングリソース管理のモジュールにより、タスク、予算、マーケティングリソースの管理とリアルタイムトラッキングを行います。また、複数の参加者が関わるマーケティングリソースの管理も可能です。ターゲットと費用の管理機能とレポートを使い、幅広い予算管理を実現します。

PDCAのスピードを意識し積極的に取り組むことが大切

マーケティングリソースマネジメント(MRM)は、投資収益率を最大化させる手法です。大切なのは、無駄な投資をしないことと、成果を上げられるものに投資することでしょう。つまり、徹底した予実管理の実行により、収益を上げられるマーケティング施策を最適化させられるのです。

また、メリットとして説明したように、*マーケティングリソースマネジメント(MRM)は、チームの仕事力を最大化するためにも有効です。*マーケティング施策に関するデータの透明性が高くなり、やるべきことが見えるようになれば、メンバーが同じ視点を持ちチームの団結力の強化にもつながるでしょう。事業規模が大きくなると、メンバー間の小さな認識のブレがマーケティング精度に大きく影響する恐れがあります。データの透明性を高く保持することが大切なのです。

もちろん、マーケティングリソースマネジメント(MRM)を実施したからといって、すぐに成果が出るとは限りません。実践していることのなかに十分な結果を出せるものがなければ、投資収益率は上げられないのです。大切なのはPDCAのスピードということを意識し、積極的にマーケティングを実践してみましょう。

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