運用型広告において大きなシェアを占めるGoogle広告。その中でも急速に伸びているのが動画キャンペーン(動画広告です。YouTubeでも掲載されることからYouTube広告とも呼ばれています。今後も堅調が伸びが期待される広告であり、マーケターであれば当然押さえておくべきでしょう。

そこで、今回はGoogle広告の動画キャンペーンの基礎知識を一挙に解説します。動画キャンペーンの概要から、種類と特徴、動画キャンペーンを成功させるためのポイントまで紹介します。

動画キャンペーンとは?

動画キャンペーンとは、YouTubeやGoogleディスプレイネットワーク上の動画に掲載されるGoogle広告のことです。Googleが提供するGoogle広告は、運用型広告の中でも特に人気が高く、インターネット広告を検討するなら欠かせない選択肢の一つです。スマホ世代が日常的にYouTubeなどで動画を視聴するようになり、ここ数年は動画広告が著しく伸びていることもあり、Google広告の動画キャンペーンの人気も急速に高まりつつあります。

Google広告の動画キャンペーンでは、作成した動画をYouTubeで広告として流せます。広告が表示されるタイミングは、視聴したい動画の冒頭や中間など様々です。自分のYouTubeアカウントの動画を使用して動画広告を出稿したり、動画広告を表示するターゲットを詳細に設定できることもあり、とても利便性が高いのも特徴です。

動画キャンペーンの種類

Google広告の動画キャンペーンにはいくつか種類があるので、出稿する際はそれぞれの特徴を踏まえて選定しましょう。

インストリーム広告

インストリーム広告は、YouTubeやGoogleディスプレイネットワークのWebサイトアプリで表示される動画の最初や途中、最後に入る広告です。YouTubeで動画を視聴する際に見ることが多いのではないでしょうか。再生が始まってから5秒経つと、ユーザーはスキップボタンを押してスキップできます。

広告出稿主のメリットは、広告費用が発生するのが「動画広告が30秒以上視聴された場合のみ」なので、無駄な広告費がかかりにくいことです。その一方で、大半のユーザーが5秒でスキップしてしまうので、きちんと最後まで広告を視聴してもらうのが難しいのがデメリットです。

TrueView ディスカバリー広告

TrueView ディスカバリー広告とは、YouTubeの関連動画の上や検索画面に表示される広告です。ユーザーがクリックすると動画広告が表示されます。広告にはテキストサムネイル画像が表示されますが、表示形式はサイズやフォーマットによって異なります。

コンテンツを探しているユーザーにのみ表示されるので、ニーズのあるユーザーにアプローチできる可能性が高いのがメリットですが、強制的に動画広告を見せることはできません。そのためクリック率こそ低いものの、ニーズのあるユーザーに絞ってアプローチできる点がコンバージョン率を高めると言われています。

アウトストリーム広告

アウトストリーム広告は、Googleディスプレイネットワーク上(Googleのパートナーサイト)に表示される広告で、モバイル端末とタブレット端末にのみ配信されます。YouTube以外のサイトに動画広告が幅広く掲載されるため、認知度アップに貢献します。

広告費が発生するのは、動画が2秒間視聴されてからです。画面をスクロールするだけで動画広告が流れるので、強制力があります。そのままスクロールを続けて動画広告が見切れれば自動的に再生がストップするので、強制的に表示するものの、ユーザーにあまりストレスを感じさせません。ただ、ユーザー自身がタップしないと音声が流れないので、テロップを入れるなどして音声がなくても成立する動画広告にするのが理想的です。

スキップ不可のインストリーム広告

YouTubeに配信される6~15秒の動画広告で、スキップができないので強制的に動画をすべて見せることができます。メッセージ全体を必ずユーザーに伝えられるので、広告効果が高いでしょう。

強制力が高い一方で、広告費はクリック数ではなく、インプレッション数に応じて発生するので、ユーザーが興味を持たなかった場合も広告費は発生します。最長でも15秒までなので、短くキャッチ―な動画広告を見せたい場合に適しているでしょう。単純にブランドの認知拡大したい時も活用しやすいです。

バンパー広告

バンパー広告とは、YouTubeやGoogleディスプレイネットワーク上で掲載される、短く簡潔な動画広告です。YouTubeで動画が始まる前に流れるもので、視聴が完了するまでスキップはできません。スキップボタンがないので、ユーザーの気が散りにくく、動画に集中しやすいのがメリットです。

また、強制的に見させられるものの、6秒と短いのであまりユーザーにストレスを与えない点も魅力だと言えるでしょう。この6秒間でいかにユーザーにインパクトを与え、印象に残すかが重要です。こちらもブランドの認知度向上や、リーチの拡大に向いている動画広告だと言えます。ブランディング広告として活用するケースが多く見られます。

動画キャンペーンのポイント・コツ

実際にGoogle 広告の動画キャンペーンを始める際に、あらかじめ決めておくべきこと、押さえておくべきポイントを紹介します。

1.目的を決める

まず、動画キャンペーンの目的を決めましょう。売り上げアップなのか、ブランドの認知度向上なのか、問い合わせ数の増加なのか、目的によって制作するべき動画広告の内容も変わります。動画広告だと詳しい説明まではできないケースもあるので、興味喚起や認知度拡大に活用されることがよくあります。

2.ターゲットを決める

次に、動画広告を届けたいターゲットを決めます。目的によってターゲットも異なりますが、基本的には広告で訴求するサービス・商材のメインターゲットが動画広告のターゲットになることが多いでしょう。

3.動画広告の種類を決める

そのターゲットに合わせて、どんな動画広告を作ったほうがいいか、どのプラットフォームに展開したほうがいいかなどが決まります。インストリーム広告なのか、アウトストリーム広告なのか、TrueView ディスカバリー広告なのかなど、どの種類の動画が最も適しているかを考えましょう。

目的とターゲットはもちろん、広告費についても考慮する必要があります。動画の種類によって広告費が発生する基準や単価が異なるので、予算に合わせて考えたほうがいいでしょう。

4.動画広告を制作する

ここまで決まったら、いよいよ掲載する動画広告の制作に入ります。外注する場合は業者選び、自社制作する場合はメンバーやスタジオの選定などが必要です。さらに動画広告のストーリーを考えて絵コンテを作ったり、撮影・編集をしたりとそれなりの時間とコストがかかるので、スケジュールや予算を決めてから制作をスタートさせましょう。

動画広告の肝となるのは最初の5秒です。5秒でスキップされる動画が多いので、最初の5秒でユーザーを惹きつけられるように考慮して制作するのがコツです。

インパクトと好感度を与える動画キャンペーンにするために

動画キャンペーンは視覚的にもインパクトがあり短い時間に多くの情報を届けることが可能ですが、目を惹く分、ニーズに合った動画キャンペーンにしなければストレスを与えてしまい、マイナスのブランディングになりかねません。ユーザーが自然と興味を持ち、好感度を上げる動画広告を制作するように心がけましょう。

また、様々な種類があるのでどの動画キャンペーンを活用すれば費用対効果を最大化できるか考えることも重要です。YouTubeやGoogleディスプレイネットワーク上で展開する際に、どういった形で動画キャンペーンを行えば効率的に訴求できるか考えてから展開してみましょう。

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