今やメジャーなマーケティング手法にまでグロースしたコンテンツマーケティング
企業をはじめ個人においてもWebサイトブログ、SNS等のいわゆるオウンドメディアでコンテンツの作成や発信が当たり前となりつつあります。

ただし、オウンドメディアを持ったものの、とりあえずバズらせることを目的としたり、SEOのために記事を量産させることが先行し、本質的な目的が抜けていることも多いのが事実です。

そうならないための一つの手段として、明確なゴールを定めること、すなわちKGI設計が重要になってきます。
そのKGIを達成するために用いるKPIという指標も重要です。

今回はオウンドメディアを通して成し遂げたいKGIごとに、重要となるKPIの指標をまとめてみました。
そのほか、プランニング時によくある質問とその回答もまとめています。

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Webサイトを通して売上を伸ばしたいというケース

ここでのコンバージョン数とは、一般的なもので言うと「応募数、会員数、資料請求数、見積もり依頼数、問い合わせ数、クーポン印刷数」などが該当します。

KPIを算出する方法との一つとして、KGIの構成要素から辿っていくという方法があります。
KGIは売上とし、売上の構成要素「流入数CVR(コンバージョンレート)✕単価」という方程式から考慮すると、流入数CVR(コンバージョンレート)、単価KPIとなります。

参考:基礎知識:キーワードプランナーを活用しSEOからの売上予測を立てる方法

ここで1点注意が必要です。
CVR単価の場合は問題ありませんが、「流入数」はそれ自体だけだと抽象度が高すぎてKGIとの相関度合いが分かりづらいという欠点があります。

よって、流入数を、以下のように流入経路(チャネル)ごとに細かく分解していくことをオススメします。

 ・オーガニック(GoogleやYahooからの検索エンジン経由における、キーワード検索からの流入)
 ・ペイド (リスティング、ディスプレイ、Eメール、SNSなどからの流入)
 ・SNS(FacebooktwitterなどのSNSなどからの流入)
 ・その他(コンテンツ提携をしているメディアなどからの流入)

まとめると、上記4つの流入経路別流入数いずれかもしくはその組み合わせに加え、CVR単価KPIに持つことが、売上最大化におけるベターなKPIプランニングと言えます。 
なお、これらのKPIは、3つの時間軸「Daily・Weekly・Monthly」 に分けて目標設定すると、PDCAサイクル(事業活動における生産管理や品質管理などの管理業務を円滑に進める手法の一つ)が回しやすくなります。

Webサイトを通してブランド認知度を伸ばしたいというケース

ブランドは昔から存在する概念ですが、抽象度の高さがゆえ、定義はもちろんのこと定量的に図るKPI指標も様々です。
以下、その代表的なKPI例になります。

1.NPS(Net Promoter Score)

顧客のロイヤルティを測るための指標のひとつです。
「あなたはこの企業(製品/サービス/ブランド)を友人や同僚に薦める可能性は、どのくらいありますか?」というシンプルな質問に対し、0~10のスケールで答えてもらいます。

回答結果から、顧客を「推奨者(Promoter)」「中立者(Passive)」「批判者(Detractor)」の3タイプに分類し、「推奨者」の割合から「批判者」の割合を引いた数値が、NPSのスコアとなります。
参照:企業と顧客のツナガリ(1)顧客ロイヤリティを測る指標NPS

2.表示回数(コンテンツが表示された回数のこと)

ユーザーがサイトで商品を購入したかどうかではなく、多額を投じて新たに作成した印象的なキャッチコピーが人々の記憶に残り、世界中の人々の目に触れたかどうかという観点です。
参照:ブランド認知度の測定

3.リピート数

一度購入した顧客が、満足を覚え、再び購入する顧客のことです。
ブランド=継続的に利用されるという観点です。

Facebookを通してブランド認知度を上げたいというケース

「若者のFacebook離れが進んでいる」や「アクティブ率が実は低いのでは?」と言われているFacebookですが、それでも利用者数は2400万人近く(株式会社セレージャテクノロジーのアジア各国のFacebook推定ユーザ数)と、日本国内のSNSではトップクラスのシェアがあります。

Facebookは、主に「ブランディング」、次いで「潜在顧客の育成(意識や態度変容)」に強みを発揮するSNSであり、ブランド想起率・認知度のゴール設定をしている企業も多いのではないでしょうか。
ブランド想起率・認知度がKGIの場合、KPIは大きく以下になります。

①ファン数(ページに対していいね!をしている人数)
②リーチ数
    ∟ オーガニック(1次発信でリーチしたユーザー数を指す)
    ∟ ペイド(広告によってリーチしたユーザー数)
    ∟ その他(バイラルによってリーチしたユーザー数)
③投稿における、いいね数・シェア数・コメント数
④話題にしている人数(③に該当しているユーザーのアクティブユーザー数)

※動画再生回数やURLクリック数、キャンペーン応募数もKPIに含まれるケースもあります。

ブランド認知度という指標は、WEBサイトもそうですが、抽象度が高いためKPIプランニングの難易度が高いのが難点です。
まずは、上記のKPI指標をいくつか設定し、KGIとの相関度合を図っていくことをオススメします。
(こちらもWEBサイトと同様、「Daily・Weekly・Monthly」 に分けて目標設定することを推奨します)

KPIプランニングにおけるよくあるQ&A

Q1:KPIの個数に制限はあるの?

A1:基本的に制限はありませんが、プラニング時はSMARTの法則(以下参照)に従って設計するのが基本です。
この法則に従ってプランニングしていくと、自然と数は絞られていく傾向にあります。

・Specific(明確性や具体性があること)
・Measurable(定量的に測定できること)
・Achievable(達成可能性があること)
・Result-oriented or Relevant or Realistic(現実的であること)
・Time-bound(期限が設定されていること)

Q2:「実数」と「比率」、どちらの比重が大きいの?

A2:「実数分析」か「比率分析」と言い換えることもできます。両者は一長一短で、優劣をつけることはできません。実数分析の長所は「量」の分析に優れており、比率分析は有効性や効率性などの「質」の分析に優れていますので、両者をうまく組み合わせてKPIプラニングするのが理想と言えます。

Q3:KPIの指標は分かったけど、具体的な目標値はどうやって設計するの?

A3:目標値の設計は、「移動平均法」と呼ばれる方法で算出をするのが一般的です。
移動平均法とは、時系列データを平滑化することにより、規則的な変動要素(季節変動)と不規則な変動要素(無作為変動)の影響を除いた推移を探り、近い将来の予測に役立てようとする手法のことです。

言葉だけ聞くと難しいのですが、過去の売り上げデータやアクセス解析のデータがあれば、こちらのサイトにエクセルでの簡単な設計方法が記載されていますので、ご参考にしましょう。

まとめ

以上、コンテンツマーケティングにおけるKPIのプランニング方法とよくあるQ&Aです。

KPIKGIによって設定方法が異なるので、一概に「これが正解だ!」ということは難しいのですが、一つの参考としてお役に立てれば幸いです。