具体的な方法

黒瀬氏:皆さんは、コンテンツを制作する際にどのように企画・制作・分析されているでしょうか?

伊藤氏:
まずフォーマットを決めます。
例えば「◯◯10選」とか。そういったフォーマットにのせて配信するのは効果的ですね。
タイトルもフォーマットの形式がわかりやすいようなものにします。

 

亀松氏:
うちは毎朝1時間ほど、編集会議をやっています。
専属の編集部員は6人ぐらいいるんですけど、この朝の会議でネタを提案してもらいます。
こういうネタにしようとか、こういう切り口にしようというのをみんなで考えます。

その後、お題を考えて、この人に解説してもらおうという弁護士に電話して、依頼します。OKをもらったら、メールで解説コメントを送ってもらうんですが、そのままでは一般の読者にとって難解な内容ので、我々でわかりやすく編集して、その内容を再度弁護士さんに確認してもらって、記事を公開します。

作成時間は記事によってバラバラです。朝ネタを出して夕方には完成しているものもあれば、2週間以上かかるものもあります。

黒瀬氏:記事のタイトルをつける際のテクニックはありますか?

亀松氏:
やはり、クリックしたくなるタイトルかどうか、ということですね。
Yahoo!って一日4000本の記事が流れてくるんですが、タイトルが悪かったら、編集部の人や読者にまったく読んでもらえない可能性がありますから。

黒瀬氏:面白いコンテンツを出すためのトレーニングは何かやってるでしょうか?伊藤さんどうでしょう。

伊藤氏:
よくやってるのは、国内外のバズった記事をピックアップして、シェア数を隠してどのくらいシェアされたかをあててみたりしてます。それを繰り返していると感覚が身についていく。

 

酒井氏:
SEOを意識したコンテンツは、まず上位表示したい検索キーワードを選びます。Googleが提供しているキーワードプランナーなどでターゲットユーザーが使いそうな検索キーワードを収集していきます。

収集した検索キーワードは、検索回数や順位データを加味して、選抜していきます。検索されてないキーワードでコンテンツを作っても意味がないですし、コンテンツメディアが上位表示しづらい検索キーワードもありますので、実際の検索結果を見ることも大切です。

黒瀬氏:一定の品質を保つためになにか工夫されていますか?

酒井氏:
弊社はもともと紙から始めているので、そこのノウハウを取り入れています。
紙はウェブのように、簡単に編集することができないので、品質管理の基準が高いレベルで作りこまれています。こういったノウハウをコンテンツメディアに取り入れることで、コンテンツの品質を担保するようにしています。


また、SEO観点では、検索エンジンに取り上げられるための、言語化しにくいノウハウが存在します。そのノウハウを伝えるための方法として、記事の執筆工程を3~5段階に分けて、ライターの方に、フィードバックをするケースもあります。

 

伊藤氏:
弁護士ドットコムニュースの場合、ヤフトピにはどういう記事があがりやすいんでしょうか?

 

亀松氏:
 オリジナル性が高いものですね。同じ内容のニュースを、新聞系のマスメディアも出したときは、そちらが優先されるんですよね。媒体の信頼性が違うので。なので、弁護士ドットコムニュースでは、我々にしかできない記事を出そうと、常に考えています。

 

伊藤氏:
直近の例だとSMAP騒動だとどのような記事を出しました?

 

亀松氏:
SMAP騒動をブラック企業の観点から分析した記事を公開しました。
SMAPの謝罪会見に対して、ネット上では「あれはパワハラだ」という声があがってたんですね。
そこで、労働問題を専門に扱ってる弁護士さんに聞いてみたら、独立しようとする人の退職を拒むような企業の姿勢はおかしいということだったので、そのような内容の記事を出したら、多くの人に読まれましたね。

参考
SMAP謝罪中継「ブラック企業の退職妨害と通じる面がある」労働弁護士が批判|弁護士ドットコム
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