多様化するコンテンツ

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**飯髙:**一方で、テキスト以外のコンテンツも増えていますよね。テキスト不要のコミュニケーションも。

**津田氏:**インスタグラムなんかまさにそうですよね。
多分、皆それぞれ得意な分野で表現していく方になるのかなと。自分が思っていることを表現するのに、言葉、写真、動画などあらゆるメディアの中から選べる時代になりましたよね。

あと最近思うことなんですが、メディアが細かくセグメント分けされたなかで多くの人にメッセージを届ける時、かつてはテレビCMを放映して広告代理店に依頼してキャンペーンを打てばある程度ヒットさせることができたんですよね。
でも今はその方程式が通用しない。通用してもかつてほどの効果が得られなくなった今は、あらゆるメディアで、それぞれに適したかたちでメッセージを伝えなければいけないなと思います。

自分が全てのメディアで仕事しているっていうのは、そういう意味合いもありますね。
もっと仕事を選んでもいいんでしょうが、それだけだと自分が枯れてしまう。

原点に戻れば、僕がやりたいのは「伝える」ことなんです。であれば、全てのメディアに携わらなければいけないかなと。

**飯髙:**津田さんが最近注目されているメディアってありますか?

**津田氏:**朝日新聞の中で特にデジタルに詳しい平さんが運営されている「新聞紙学的」は面白いですね。後は「DIGIDAY」とか。
最近良さに気づいたのが日経新聞のデジタル版ですね。日経のマイニュースという機能があるんですよ。
自分でキーワードや特集を登録すると、ソーシャルメディア的なインターフェイスで話題を追いかけることができます。情報をサッと確認する際に便利ですね。

NewsPicksも利用してます。自分の記事の反響を見るときに使っています。

オウンドメディアは「結果的に宣伝になる」もの

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**飯髙:**大手だけでなく、一般企業もオウンドメディアを持ち始めた今、情報発信が得意でない企業が発信力を持つために気をつけるべきことは何でしょうか?

**津田氏:**ソーシャルメディアで一時期、企業アカウントが流行しましたが、成功しているアカウントで、自社の宣伝だけしているところはなかったんですよね。
例えば自動車メーカーだったら、クルマ好きの人に役立つ情報を発信し続けて、その中に自社の宣伝を3割程度含めるのが成功パターンだったと思います。

オウンドメディアの本質も同じです。オウンドメディアをやるんだったら、業界全体に貢献する情報を発信する。
業界そのもののファンを増やすことで、結果自分たちにも還元される。
業界全体の宣伝をするってことはライバル企業にも塩を送ることにもなるけど、中長期的には自分たちにリターンがある。そこができるかどうかじゃないですかね。

企業アカウントの草分け的存在の末広さん(株式会社加ト吉(現テーブルマーク株式会社)公式Twitterアカウントの運用担当者)の決まり文句が象徴的かなと思います。
例えばフォロワーから「今日加ト吉のうどんを食べようと思ったのにラーメンを食べました。ごめんなさい」というツイートが来たら「大丈夫です。麺類皆兄弟ですから」と返すのが定番だったんですけど、これってジョークのように見えて本質を突いた言葉だと思います。そもそも、麺が好きな人であればその人にはアピールできる可能性あるよねって考えられるかどうか。

オウンドメディアを運営する際に重要なのは「結果的に宣伝になる」ところをずらさないことですね。
まずは読者にとって有益な情報は何かを突き詰め、発信して、結果として、自分たちの宣伝になればいい。宣伝のためだけにオウンドメディアをやるんだったら、効率は悪いのでPR会社に丸投げしちゃった方がいいですよ。