Web接客ツールで、例えばこんな顧客体験が可能になる

それでは、Web接客ツールを導入すると、具体的にどのような顧客体験を可能にしてくれるのでしょうか。ここからは、消費者視点で分かりやすい「BtoCの小売・アパレルECサイト」を例に見ていきましょう。

購入を悩んでいるユーザーにだけクーポンを表示

「クーポンを出すと売上が上がる」というお店でも、常時クーポンを出し続けるのはコスト負担が大きくなってしまうものです。

しかし、Web接客ツールを導入すれば「購入経験が少ないユーザー、かつ、一定数以上のページ閲覧など、モチベーションが高まっているユーザーに限定してクーポンを表示することが可能になります。

ユーザー行動に合わせてピンポイントで購入をひと押しすることで、コンバージョンにつなげることができ、クーポンの無駄打ちも回避できます。

身長などパーソナルデータを自然に取得し、コンバージョンアップ

例えばユーザーが「スタッフコーデ」を見ているときにアンケートフォームポップアップ表示し、身長などパーソナルデータを取得します。

このデータを利用して、コーデ提案やレコメンド表示などを行うことで、ユーザーはより自分に適したアイテムを選べるようになり、コンバージョンアップにつながります。

カーソルの動きで離脱を察知、レコメンド商品をポップアップ表示

PCのブラウザ上部にカーソルを当てたユーザーは今見ているタブを閉じたり、別のタブに遷移する可能性が高く、離脱しそうなユーザーと推察できます。

そのタイミングで、閲覧履歴に基づいたレコメンド商品や今売れている目玉商品など、ユーザーメリットの高いコンテンツポップアップ表示することも可能になります。これにより、離脱を防ぎ、サイト内回遊を促します。

買い物かごに商品を入れたまま離脱したユーザーに、1時間後にLINEで購入リマインド

ECでの「カゴ落ち対策」と言えば、メールでのコミュニケーションが主流です。しかし、メールはリアルタイムに見てもらえないことが多いのがデメリットです。

Web接客ツールの中には、LINE通知と連携できるプロダクトもあります。よりユーザーに見てもらいやすく、売上アップに寄与します。

お気に入り商品が値下がりしたタイミングでアプリプッシュ通知を配信、「買いそびれ」を防ぐ

Web・アプリ横断施策を投入できるWeb接客ツールも存在します。

例えば、顧客が「お気に入り」登録している商品が値下がりしたタイミングで、アプリ側でプッシュ通知を配信。最適なタイミングで顧客ニーズに合った情報を提供することは、コンバージョンにつながります。

Web接客 成功のポイント

前項で述べたような、効果的な顧客体験を成功させるためには、Web接客ツールを運用する中でいくつかのポイントを押さえる必要があります。

ペルソナを設定する

対面でのおもてなしであれば相手の姿が見えるため、年代や背格好、服装の好みなど、その場で視覚・会話などからさまざまな情報を得て、細やかな対応をできます。

一方、Web接客とは「姿の見えない相手に対して、適切で細やかなおもてなしをすること」です。

そのため、自社のWebサイトの典型的なユーザー像をなるべく鮮やかに描き出し、ユーザーに求められる接客モデルを構築することが大切です。

自社の典型的なユーザー像を描き出すことを、マーケティングの世界ではよく「ペルソナ設定」と言います。「ペルソナ」は、「ターゲット」とは異なるものです。

ターゲット例

30代女性

ペルソナ例

  • 都内で仕事をしている32歳の女性
  • DINKsか独身
  • よって、ややお金に余裕がある
  • ファッションやビューティーが大好きで、感度が高く、その領域に対する可処分所得が多め
  • 比較的単価の高いものにでもお金をかける傾向あり
  • セレクトショップが好き
  • 周りの人と一味違う、ちょっと尖ったひと癖あるファッションやヘアスタイルをしたい
  • 職業はクリエイティブ系など、「堅め・保守的ファッションの社会人」ではなく「自由で奇抜なファッションの社会人」

「ペルソナ設定」で注意すべき点は、担当者の思い込みで主観的に決めないことです。消費者へのヒアリングデータや、ブログ、SNS上での消費者のリアクションなど、なるべくデータに基づいて描き出すようにしましょう。

カスタマージャーニーを描く

「カスタマージャーニー」とは、直訳すると「顧客の旅」です。つまり、商品を認知し、Webサイトに辿り着き、購買行動に移る間の「思考」「感情」「行動」プロセスを指します

Web接客ツールによって効果的に購買行動を促すには、この「カスタマージャーニー」を描き出すことも重要です。「カスタマージャーニー」には以下4つのポイントがあります。

集客

自社商品やサービスの認知獲得フェーズ。
どうやって知ってもらい、自社サイトに来てもらうか(SNS、SEO、Web広告など)の施策を考える必要がある。

接客

実際にサイト内でコンテンツに触れてもらうフェーズ。
WEB接客の場合、「チャットボットでの問い合わせ対応」「おすすめ商品の表示」「クーポン」や「通知」の提示で「迷い」「買いそびれ」などを解消してあげる必要がある。

顧客化

ECなら購入完了のフェーズ。
接客の「ゴール」と言えるポイント。

追客

アフターサービスのフェーズ。
ECで購入履歴のあるユーザーにメルマガを送ったり、クーポン発行したりなどでリピート購買を促し、ロイヤルティを高める施策を行う。

シナリオを作る

Web接客ツールは、あらかじめ設定した条件に合致すると自動的に対応します。

どんな条件の人に、いつ、どのページで、どのタイミングで、どのようなクリエイティブを出すかを設定し、その条件にユーザーが合致した瞬間に接客が行われる、という仕組みです。

これをWeb接客ツールの「シナリオ」と言いますが、「カスタマージャーニー」のうち、特に「接客」「顧客化」「追客」のフェーズを鮮明に描いておくことで、Web接客でどのようなシナリオを展開すべきか具体的なヒントとなります。

キャンペーンを設定する

シナリオを描いたら、一つ一つのキャンペーンを設定していきましょう。Web接客ツールを活用して「誰に」「どこで」「いつ」「どのようにアプローチするか、という小目標です。

例えば、「購入したこととがない人」に、「トップページ」で「1ヶ月間、初めてのお客様限定クーポンを出す」といったことです。

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引用:小売・アパレル業界での具体的な KARTE の活用方法|KARTE

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