オウンドメディアは儲かるのか?

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飯高:
そもそもオウンドメディアって、儲けを考えるものではないですね。
これは僕の中の答えです。結果的には儲かります。オウンドメディアとして確固たる地位を築けばいくらでもマネタイズする方法はあります。
例えばferretってかなりニッチな業界のメディアではありますが、立ち上げ1年半で営業利益黒字出してるんで、そういう意味では儲かります。

ただ、メディアをやるのであれば、誰の何をどのように解決したいか、これが全てだと思っています。
その先に儲けは後からついてくるものです。

どれだけユーザーと向き合って、彼らが求めるものを提供できるのかを考えるのが最初だと思っています。
なので、儲けを考えてオウンドメディアやるのは正直ちょっと違うかなと思います。

寺倉氏:
普通のWebメディアではなく、企業のマーケティング課題を解決するためのオウンドメディアであれば、どんなに頑張っても10億円ぐらいの規模にしかならないんじゃないかなと思います。
100億や1,000億まではいかないから、オウンドメディアだけではそこまでは儲からないかなと。

基本的には儲けは考えない方がいい。
ただ、メディアをやっていればユーザーはそこそこ集まってくるんですよね。

新しいサービスを立ち上げる時って、いかに認知を広げるかというところに苦心する方が多いと思うんですが、そのような新しいサービスに転用するためにオウンドメディアを使うというならアリかなと思います。

オウンドメディアを使うという選択肢は、ひと昔前まではなかった

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寺倉氏:
ferretってマーケティングツールへの送客として役割もありますよね?リードは結構獲得できているんでしょうか?

飯髙
その質問に答えるには、マーケティングの前段からお話しした方が良さそうですね。

ひと昔前までは、SEOリスティング広告を駆使して顕在層にアプローチすればどんどん顧客を獲得できました。
でも今はプラットフォームの多様化や、日本国内で問題となっている少子高齢化の影響で検索ボリュームは減少、よくても横ばいになっています。つまり青天井ではなくなってしまったんです。
ただ前提としてですが、これまでもこれからもリスティング広告のように顕在層向けのアプローチ手段は有効であり、それは変わらないです。

今は世の中の考えが顕在層だけではなく、潜在層にもアプローチしようという方向シフトしてきています。
その一環としてオウンドメディアに注目が集まりました。

(潜在層向けの)手法って、昔は今ほどできなかったんですよ。
なぜかというと、以前まではユーザーとのタッチポイントはGoogleやYahoo!などの検索エンジンがメインだったからです。

今はソーシャルメディアの登場によってユーザーと出会える場が多様化しました。
加えてテクノロジーの進化によって、多様なプラットフォームでユーザーとコミュニケーションをとりながら、顧客へと育成できる環境が整ってきました。その一つがマーケティングオートメーションです。

そしてやっとそめひこ氏の質問の答えに戻るんですけど、ferretはメディアとしてユーザーとコミュニケーションをとる一方で、自社サービスへの送客数をKPIに設定しています。
今あるテクノロジーを使えば使うほど、育成も送客もうまく回っていくかなと考えています。
結論6月は1500件以上のリードを創出しています。

ferret編集長が語る、月1,500件のリードを創出するオウンドメディアの作り方

メディアを運営するなら、PVやセッションに惑わされてはいけない

寺倉氏:
メディアとしてマネタイズする場合、記事広告バナーPVでお金とると思うんですけど、そういう目線で見るとPVを追いかけるようになるかなと思うんですが、ferretはどうなんでしょう?

飯髙:
ferretはPVは見ていないです。一番重要なのは新規ユーザー数です。
PVってごまかせるところがあるんですよ。ページ分割したり無限スクロールを入れればいくらでも水増しできます。
じゃあセッション数を追えばいいのかというとそれも違います。

メディア運営を続けていればドメインパワーがついてくるし、SEOも上がっていきます。
ドメインパワーやSEOのおかげで、メディアが成長している「風」に見えるのはかなり危ないですね。

オウンドメディアは、いかに新規の潜在層を獲得できるかが鍵になります。
なので僕らは新規ユーザー数を見ています。