インターネットを閲覧する時に、何気なく使っている「Webブラウザ」。
Windowsなら「Internet Explorer(インターネットエクスプローラー)」や「Microsoft Edge」、MacやiOSなら「Safari」が標準のブラウザですが、実は他にも様々なWebブラウザがあるのをご存じですか。

そこで今回は、ディレクターが使うべきWebブラウザを特徴とともに紹介していきます。今使っているWebブラウザに不満を感じていたり、もっと機能的なブラウザをお探しであれば、ぜひ参考にしてみてください。

ブラウザを選ぶ際、知っておきたいキーワード

ここでは、具体的なブラウザの紹介に入る前に、Webブラウザに関連するもので最低限知っておきたい注力キーワードをご紹介します。

1. ブラウザベース

インターネット上にはたくさんのWebブラウザーが配布されています。しかも、そのブラウザのほとんどは、「Firefox」系のブラウザか、Google Chromeのもととなる「Chromium」系のブラウザです。ベースが同じであれば、大抵の場合は拡張機能(アドオン)も別の同系ブラウザに追加することができます。
またオープンソース系の「Firefox」「Chromium」とは別に「Microsoft Edge」「Safari」「インターネットエクスプローラー」は、それぞれ単独にブラウザベースを持っています。

2. HTMLレンダリングエンジン

HTMLレンダリングエンジンとは、Webページを表示する元データとなるHTMLやCSSなどのデータを受け取ってから、PCやスマートフォンなどのデバイス側で表示する処理を行うプログラムのことです。「Webkit」「Gecko」「Blink」「Trident」などがあります。

3. 拡張機能(アドオン)

Webブラウザの本来の役割は、その名のとおり「ホームページを閲覧する」ことですが、ブラウザに拡張機能を入れることで、動画を編集したり、画像を保存したり、様々なことを行うことができます。

厳選!ディレクターが使うべきWebブラウザ9

1. Mozilla Firefox

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https://www.mozilla.org/ja/firefox/new/

Mozilla Firefoxは、Mozilla Foundationが開発するオープンソース・クロスプラットフォームのWebブラウザです。アドオンが非常に豊富で、使いやすくカスタマイズすることができます。また、比較的古いOSにも対応しており、「Windows XP」や「Windows Vista」、「Mac OS X Snow Leopord」にまで対応しています。2016年4月現在、世界で第3位のシェアを誇ります(※)。

2. Google Chrome

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https://www.google.co.jp/chrome/browser/desktop/index.html
Googleが開発する軽快な動作のWebブラウザです。「Chrome ウェブストア」にアクセスすると、拡張機能だけでなく、ブラウザの見た目をお気に入りのものにするテーマや、アプリやゲームなども追加することができます。ページの表示速度もFirefoxよりやや速いです。Googleアカウントと同期することで、デバイス間でブックマークを同期することもできます。2016年4月現在、「インターネットエクスプローラー」を抜いて世界で第1位のシェアを誇ります(※)。

※ブラウザのマーケットシェアに関しては、2016年4月現在のNetMarketShareを参考にしています。

3. Opera

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http://www.opera.com/ja
独自のHTMLレンダリングエンジンである「Presto」を使っていることが以前の売りでしたが、現在はChromiumベースのBlinkを使用しています。ブックマークは星形ではなくハート形のボタンで追加していきます。ニュースヘッドラインが読めるディスカバー機能や、セキュリティに配慮したVPN機能、標準で内蔵された広告ブロッカーなど、常に先進的な機能を取り入れることで、一定の人気を保っています。

4. Vivaldi

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https://vivaldi.com/?lang=ja_JP

VivaldiはOperaの元CEOであるテッツナー氏らが開発した、Chromiumベースのブラウザです。Webページを開くとそのページに順応したタブ色に変化し、新しいタブページには「スピードダイヤル」と呼ばれる高速アクセス機能にも対応。アドオンなしでも標準でマウスジェスチャ機能にも対応しています。新しく追加された機能「タイムスケジュール」では、昼用・夜用でテーマを使い分けることができます。カスタマイズすればするほど使い勝手がよくなるブラウザです。Chromeウェブストアにアクセスすれば、アドオンをインストールすることもできます。

参考:
Chromeでは物足りない方に最適!高機能ブラウザ「Vivaldi」の使い方

5. Pale Moon

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http://www.palemoon.org/
Pale Moonは一言でいえばWindowsに最適化された「Firefoxの計量版」ともいえるWebブラウザです。見た目は一昔前のFirefoxに非常に似ているので、Firefoxとほとんど同じ操作方法で履歴やブックマーク、アドオンやテーマのインストール、設定を行うことができます。ダウンロードページは英語ですが、日本語化して使うことが可能です。

6. CentBrowser

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http://www.centbrowser.com/
CentBrowserは多機能なChromiumベースのブラウザです。注目は、ページの移動やタブの開閉が自由にできるマウスジェスチャー機能のほか、リンクをバックグラウンドで開いたりアドレスを瞬時にコピーすることができる「スーパードラッグ」を標準で搭載している点です。タブオプションを設定すれば、タブの上にカーソルを置くだけでクリックなしでタブを開くこともできます。Chromeウェブストアにアクセスすれば、アドオンをインストールすることもできます。

7. Maxthon Cloud Browser

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http://www.maxthon.com/
Maxthon Cloud Browserは旧Chromeが採用していたWebkitとインターネットエクスプローラーが採用するTridentのデュアルレンダリングエンジンを搭載した、ユニークなWebブラウザです。名前にもあるように、ブックマークだけでなく設定やダウンロードデータなども「クラウド」で同期されるので、Maxthon Cloud Browserがあれば、端末や場所を問わず同じ環境でブラウジングを楽しむことができます。iOSAndroid、Windows Phoneにも対応しています。

8. Microsoft Edge

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https://www.microsoft.com/ja-jp/windows/microsoft-edge
Microsoft EdgeはWindows 10から標準で搭載された、インターネットエクスプローラーの後継となるWebブラウザです。Webページに手書きで書き込みをする機能や、不要な情報を非表示にする読み取りビュー機能が特徴的です。iOSのSiriのようなヴァーチャルアシスタント「Cortana」が検索のお手伝いをしてくれます。まだ国内でのシェアは高くありませんが、開発者にとっては無視できないWebブラウザになるでしょう。

9. Blisk

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https://blisk.io/
Bliskはこれまで紹介したものとは一線を画すWebディレクター・クリエイター・デザイナー向けのWebブラウザです。標準で縦に2分割された画面が特徴で、左はデスクトップ向け表示、右側はスマートフォンやタブレットなど、モバイル向けに表示をします。左側をスクロールしたら右側もそれに合わせてスクロールする、スクロールシンクの機能も搭載。デバッグやページアナリティクスなど、開発者向けの機能が充実しています。