ホームページを作成する目的は、単に自分たちの存在をアピールするだけに留まらず、ユーザーに定期的に訪問してもらい、最終的にはコンバージョンや売上を上げることです。
単に美しいだけのホームページではあまり意味がなく、結果の出せるホームページにするという目的を達成するために、UXデザイナーはとても重要な役割を担っています。

UXデザインは、従来の直感的なデザインとは違い、厳密な根拠や仮説に基づいてデザインを行なっていきます。
その範囲は、デザインという名前の通りモックアップやプロトタイプを作るだけではなく、調査や計画、テストや効果測定に至るまで、ユーザー体験を広げるためのあらゆることを担当していきます。

売上に責任を持つ重要な役割を担っているがゆえに、UXデザイナーと円滑にコミュニケーションをとるのは大切なことです。
今回は、UXデザイナーとコミュニケーションを取るために知っておきたい専門用語をご紹介します。

UXデザイナーとコミュニケーションを取るために知っておきたい専門用語

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1. 3クリックルール

ユーザーは3クリック以内に自分が本来見たいページにたどり着かないと、離脱してしまうと言われています。
サイト内でのユーザーの動きを最小限にするような設計にすることで、作業効率が向上し、ユーザーが効率よくサイトを閲覧できるようになります。

2. パレートの法則

UXの世界以外でもよく引用される法則に、パレートの法則・80対20の法則というものがあります。
これは、Webサイトの機能の20%が80%の結果を生み出す、あるいは訪問したユーザーの20%が80%の売り上げをもたらすといったものです。

3. アクセシビリティ

アクセシビリティとは、単にホームページがどれくらい使いやすいかを示すだけでなく、あらゆるハンディキャップを持った人々にも同様に使いやすいかを説明するのにも使われます。
例えば、色盲の方がホームページを見た時にも、さまざまなボタンやテキストが認識できるかどうかを確認する必要があります。

4. アクティブリスニング

アクティブリスニングとは、もともとカウンセリングにおけるコミュニケーション技法のひとつで、米国の臨床心理学者カール・ロジャースが提唱した、相手の言葉をすすんで「傾聴」する姿勢や態度、聴き方の技術のことを言います。
UXデザインの仕事では、ユーザーの声を積極的に聞き、フィードバックを受けることを言います。

5. カードソーティング

カードソーティングとは、ホームページのインフォメーション秋テクチャー(情報構造)をデザインしたり評価したりするために使われる手段のひとつです。

このセッションの中では、参加者はいくつかのトピックを紙のカードに書きます(可能であれば簡単な説明も書きます)。
そして、カードをシャッフルして、その束を別の参加者に渡し、各ユーザーが同じ場所にあるべきものが一緒になるように、各カードを分類してもらいます。

テクノロジーとは無縁の原始的な方法ですが、このテストを行うことで、ナビゲーションのラベルやリンクSEOなどのヒントになることがあります。

6. コンバージョン率

コンバージョン率とは、Webサイトの目標に達した数を、目標に達する最初の段階に入った数で割った、成約率の割合のことをいいます。
コンバージョン率が低ければ、売上アップのために何らかの手段を打たなければなりません。

7. ダイアリースタディー

ダイアリースタディーとは、ユーザーの行動特性や、実際に行った行動や体験に関する定性的データを集めるために行われる調査方法のことです。
通常、ユーザーは自分が取った行動のログを定期的に記録して調査者に提出をします。

複数人のユーザーがダイアリースタディーを行うことで、アプリやホームページをどのように使うのかが明らかになります。
ダイアリースタディーは、数日で終わることもあれば、1ヶ月以上かかることもあります。

8. エンゲージメント

エンゲージメントとは、どれくらいユーザーがそのホームページやサービスに注意を向けているのかを示す言葉です。
エンゲージメントが高ければ、一般的には離脱率が下がり、コンバージョン率が上がると言われています。

9. フィッツの法則

フィッツの法則とは、一般にマウスポインターがボタンなどの対象物に移動する時間が、対象物のサイズやそこまでの距離の関数となることを説明する法則です。
簡潔に言えば、ボタンがマウスポインターから離れており、小さければ、ユーザーはボタンを押すのに時間がかかってしまうという内容です。

10. ゲシュタルトの法則

ゲシュタルトとは、部分や要素の精神ではなく、全体性や構造に重点を置いて捉える、まとまった構造のことを言います。
デザインの世界においては、近くにあるもの同士が同じグループだと認識されやすかったり、小さいものが図として、大きいものが背景として認識されやすいといった特性を説明するために、ゲシュタルトの法則が引用されます。

11. ヒックの法則

ヒックの法則は、ユーザーの意思決定にかかる時間は、選択行為におけるエントロピー量に比例するという一般性について言います。
例えば、メニューなどでは選択肢が増えるほど意思決定に時間がかかります。
これを単に「選択麻痺」と呼ぶこともあります。

12. KISS

KISSはUXデザイナーがよく使う言葉で、「Keep it Simple Stupid」もしくは「Keep it Super Simple」という言葉の略だと言われています。
1960年頃にアメリカ海軍によって使われた言葉だとされ、シンプルなのが一番良いと言いたい時によく言及されます。

13. リッカート尺度

リッカード尺度とは、ユーザーアンケートなどで使われる回答尺度の一種で、ある文を提示してその文に対してどれくらい同意できるかを尋ねたり、何らかの主観的・客観的評価を尋ねるものです。

1. 全く同意できない
2. 同意できない
3. どちらともいえない
4. 同意できる
5. 非常に同意できる

のように5段階で評価するのが一般的です。

14. マインスイーピング

マインスイーピングとは、ページリンクを全体のページのどこに設置するかを決める行為のことを指します。
適切にマインスイーピングできれば、ユーザーはカーソルを早く動かして適切かつ迅速にページ移動が行われるため、結果的に利便性が向上します。

15. ペルソナ

UXデザインでいうペルソナとは、利用可能なデータやユーザーによるインタビューに基づいて想定した、架空のユーザーのことです。
ペルソナの詳細部分の多くはフィクションですが、実際のユーザータイプに関しては実際のデータを使う場合があります。

16. ユーザビリティ

ユーザビリティとは、使い勝手や使いやすさという意味で使われます。
ただし、アクセシビリティとは違い、ユニバーサルデザインでの文脈というよりは、ユーザーの満足度に焦点を当てて用いられる言葉です。

17. ムードボード

ムードボードとは、ホームページやプロダクトに使われる画像や色、タイポグラフィなどを一覧化したポスターのようなものです。
デザインに関する制約を厳格に決めていくわけではありませんが、デザイナーはある程度自由にデザインしつつも、ムードボードによってデザインの方向性を確認しながらデザインを行います。

18. マイクロインタラクション

マイクロインタラクションは、製品に含まれる何らかの小さなタスクを行う個々の瞬間のことです。
UXの観点で言えば、そうした瞬間を明確に示すために使われるアニメーションや動きなどを含めた挙動について言います。

19. エンドユーザー

エンドユーザーとは、ホームページやプロダクトを最終的に使うと想定される人々を抽象して呼びます。
ホームページやプロダクトのターゲティングによっては、エンドユーザーの想定に大きな制約が課せられる場合があります。

まとめ

UXデザインについてある程度関心がある方でも、いくつか知らない用語にも出会ったのではないでしょうか。

チームで成果を出していくためには、チーム内での共通の認識を広く持つことが大切です。
自分の専門分野以外にも、興味を広げていきましょう。