サインアップや資料請求、コマースサイトにおける決済などで、必ず通過しなければならないのが「入力フォーム」です。
入力フォームまでたどり着いたとなれば、コンバージョン達成まであと少しではありますが、入力フォームが原因で離脱してしまうことは少なくありません。

現在、離脱を減らせるのではないかと期待されているのが、*「コンバセーショナルフォーム」*と呼ばれるチャットボットです。

2016年はチャットボットが普及した1年でしたが、使い方については手探りの状態が続いていました。
2017年に入り、オンボーディングやカスタマーサポートなど、使い方がだんだんと確立されつつあり、その中で従来の入力フォームの代用として、*「コンバセーショナルフォーム」*の活用に注目が集まっています。

それでは、なぜ従来型の入力フォームではなく、チャットボットを用いたコンバセーショナルフォームが利用され始めているのでしょうか。
また、コンバセーショナルフォームを活用するメリットとは何なのでしょうか。
今回は、コンバセーショナルフォームの概要をご紹介します。

従来型フォームの特徴と問題点

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Googleフォームのスクリーンショット

コンバセーショナルフォームについて詳しく見ていく前に、まずは従来型のフォームの問題点に関して見ていくことにしましょう。

1. 入力項目が多く見えてしまう

まず、従来型のフォームでは、入力項目が多くなってしまう傾向があります。

入力項目の数が多ければ多いほど縦長になるので、ユーザーは画面をスクロールしなければならなくなりますが、画面が縦長になるほど*「まだ入力しなければならないのか」*とユーザーをいらいらさせてしまうことになり、結果としてUXの低下に繋がってしまいます。

こうした離脱を防ぐために、初めに氏名やメールアドレス、アカウント名だけを登録させ、メールアドレスの確認後に他の要素を入力させる場合もあります。
しかし、一旦メールアドレスの承認が行われたとしても、リンク先でのフォームで入力項目が多いのであれば、結果として離脱に繋がってしまう可能性があります。

2. 1つの入力項目に集中できない

また、項目が多いと、結果として現在入力中のフォームに集中できないという事態も発生してしまいます。

名前や住所などの比較的短い入力エリアであれば問題はありませんが、例えば改行も行えるテキストエリアが複数列挙されている場合には、ユーザーは現在アクティブな入力フォームを入力しながらも、次の入力内容をうっすらと考え始めてしまいます

この状況は結果的にユーザーの注意力を散漫させてしまい、フォームの送信完了までにかかるスピードや時間が長くなり、ユーザビリティの低下に繋がってしまいます。

3. フォームを入力し終えてから問題点を指摘されてしまう

そして、ユーザーを最もイラつかせてしまうのは、フォームバリデーションです。

フォームバリデーションとは、フォームの入力項目に不備がないかをシステム側でチェックし、送信する前に誤っている箇所があればユーザーに指摘を行うシステムのことです。

なぜ長い入力フォームがユーザーをイライラさせてしまうのかといえば、全てではありませんが、送信ボタンを押した後になってはじめて入力間違いをフィードバックするフォームが存在するからです。

複数修正する箇所があればあるほど、*「先に言ってくれよ!」*と言わんばかりにユーザーは修正作業を連続して行うのを余儀なくされ、結果としてフォームが送信できたとしても好印象は持てなくなってしまいます。