YouTubeやFacebook、Instagramなど動画をアップできるメディアが増えてきた中で、インストリーム広告が注目を集めています。インストリーム広告を活用すると、動画を試聴しているユーザーを対象に販促やブランディングが可能です。

この記事ではインストリーム広告の種類やメリット・デメリット、出稿方法などを紹介します。動画広告に興味があるマーケティング担当者の方はぜひ参考にしてください。

目次

  1. インストリーム広告とは?
  2. インストリーム広告の特徴
  3. インストリーム広告のメリットとデメリット
  4. インストリーム広告の種類
  5. インストリーム広告の費用
  6. インストリーム広告の出稿方法
  7. インストリーム広告の事例
  8. インストリーム広告で成果を上げるポイント
  9. 急成長する動画広告市場で最注目の「インストリーム広告」

インストリーム広告とは?

インストリーム広告とは、動画の再生前後や途中に表示される広告のことです。特定のジャンルの動画を視聴しているユーザーをターゲットとして、自社の動画広告を配信できます。

インストリーム広告は、PCやスマホ、タブレットなど様々なデバイスで配信することが可能です。

インストリーム広告の特徴

インストリーム広告の特徴は、すでに多くのユーザーを獲得しているメディアに配信できるため、リーチを広げやすいことです。

また、インストリーム広告は視聴された回数に応じて広告費が発生します。テレビCMと比べると小さな予算で始められることもインストリーム広告の特徴です。

さらに、広告の配信先を細かく設定できることも特徴となっています。

インストリーム広告を配信できる主なメディア

インストリーム広告は、以下のようなメディアで配信することが可能です。

・YouTube
・Facebook
・Instagram
・Twitter

メディアによって、広告に使用できる動画の長さやサイズ、リーチできるターゲット層などは異なります。

インストリーム広告のメリットとデメリット

インストリーム広告にはメリットとデメリットがあるため、運用を始める前に確認しておきましょう。

インストリーム広告のメリット

「インストリーム広告」は、動画の再生画面をいっぱいに使って映像やナレーション、音楽や効果音を交え、インパクトのある訴求ができます。

テキスト広告や、画像によるバナー広告と比較した場合、動画広告のクリエイティブの作り込み次第では、視聴者に自社のブランドを強力に印象づけ、認知獲得できることが最大のメリットだと言えるでしょう。

5秒で視聴者にスキップされる「スキッパブル広告」もありますが、「最初の5秒間の内容で勝負をかける、伝えたいメッセージを盛り込む」と念頭に置いて動画を作り込めば、「ブランド認知獲得」という目的は果たせるでしょう。

インストリーム広告のデメリット

前項で、「動画広告のクリエイティブ次第で、視聴者の印象を大きく左右する」と述べました。

これと表裏一体で、「クリエイティブの作り込みの難易度が高い」、「時間や人手、コストがかかる」という点が挙げられます。

テキスト広告や、画像1枚によるバナー広告であれば自社内で制作から運用まで完結している会社もあるかもしれません。

しかし、より制作過程が複雑で、難易度の高い動画広告となると、専門業者に依頼して、客観的な視点や、専門技術を発揮してクリエイティブを作り込まなければ、効果的なブランド認知獲得や、収益化につながりにくいとも言えます。

インストリーム広告の種類

「インストリーム広告」には、再生されるタイミングやスキップの可否などが異なるいくつかの種類があります。
図_スキッパブル広告とノンスキッパブル広告.png

スキッパブル広告(スキップ可能)

再生開始から数秒経過するとスキップできるようになる動画広告です。商品の販促や見込み顧客の獲得、Webサイトにトラフィックを集めるなどの用途に向いています。

ノンスキッパブル広告(スキップ不可)

再生が終わるまでスキップができない動画広告です。内容が全て再生されるため、ブランディングや認知の拡大などの用途に向いています。

プレロール広告

動画再生前に挿入される動画広告のことです。視聴者に見られるため、企業や商品・サービスの認知獲得といった観点でメリットがあります。

ミッドロール広告

動画本編の再生中に挿入される動画広告のことです。動画本編を最後まで見たい視聴者には閲覧してもらえる可能性が高くなり、収益の最大化が期待できる手法だと言われています。

ポストロール広告

動画本編の視聴後に挿入される動画広告のことです。動画本編と関連性が高いものであれば視聴者に離脱されず、見てもらいやすくなります。

バンパー広告

6秒以内など短い再生時間が特徴の動画広告です。バンパー広告はスキップすることができません。端的なメッセージを幅広い視聴者に見てもらいたい場合に向いています。

インストリーム広告の費用

「インストリーム広告」は、スキップできるかどうかの違いで広告費の課金方式が変わってきます。YouTubeを例に挙げて解説します。

図_インストリーム広告の費用.png

スキッパブル広告の場合

CPCV(Cost Per Completed View)課金」と言って、ユーザーの動画完全視聴完了数(実際は完全視聴完了数、もしくは上限秒数までの視聴完了数)に応じて、コストが発生する課金方式が取られます。

具体的には、「視聴者が動画広告を30秒間視聴する」か、もしくは「途中で動画広告内のリンクをクリックした場合」に課金されます。

ノンスキッパブル広告の場合

視聴者が動画広告を再生した回数に対して課金されます。その詳細な単価は、ジャンル、チャンネルによって変わります。

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インストリーム広告の出稿方法

インストリーム広告の出稿方法は、広告を配信するメディアによって異なります。主なメディアでインストリーム広告を出稿する方法は次の通りです。

YouTubeの場合

YouTubeのインストリーム広告は、Google広告の管理画面から出稿できます。Google広告で新しいキャンペーンを作成し、「ブランド認知度とリーチ」の目標を選択しましょう。

画像_Youtubeの入稿方法1.png

キャンペーンタイプで「動画」を選択します。

画像_Youtubeの入稿方法2.png

キャンペーンのサブタイプで「動画リーチキャンペーン」または「広告シーケンス」を選択します。

画像_Youtubeの入稿方法3.png

スキップの可否を選択し、「続行」をクリックします。

画像_Youtubeの入稿方法4.png

キャンペーンの設定項目で、予算と日程配信地域などを指定します。

画像_Youtubeの入稿方法5.png

広告グループの設定で、ターゲットユーザー属性広告の表示場所などを設定します。

画像_Youtubeの入稿方法6.png

インストリーム広告として配信する動画を選択し、設定を保存すれば入稿作業は完了です。

画像_Youtubeの入稿方法7.png

広告審査が完了すると、YouTube上でインストリーム広告の配信が開始されます。

Facebookの場合

Facebook広告マネージャにアクセスし、新しいキャンペーンを作成した上で、以下のいずれかの目的を選択します。

- ブランドの認知度アップ
- リーチ
- トラフィック
- エンゲージメント
- アプリのインストール
- 動画の再生数アップ
- リード獲得
- コンバージョン

画像_Facebookの入稿方法1.png

キャンペーン名や予算などを設定した後、広告セットの「配置」で「手動配置」を選択し、プラットフォームで「Facebook」のみにチェックを入れます。

画像_Facebookの入稿方法2.png

アセットカスタマイズの項目で、「Facebookインストリーム動画」のみにチェックを入れます。

画像_Facebookの入稿方法3.png

広告セットを保存したら、次にクリエイティブの項目でメディアの「編集」をクリックします。

画像_Facebookの入稿方法4.png

アップロード」からインストリーム広告で使用する動画をアップロードします。

画像_Facebookの入稿方法5.png

広告クリエイティブの設定が完了し、保存すれば入稿作業は完了です。審査完了後、広告配信がスタートします。

Instagramの場合

Instagramは、Facebookを運営するMeta社のSNSのため、同じ広告マネージャから出稿が可能です。

Facebook広告マネージャにアクセスし、新しいキャンペーンを作成した上で、以下のいずれかの目的を選択します。

- ブランドの認知度アップ
- リーチ
- トラフィック
- エンゲージメント
- アプリのインストール
- 動画の再生数アップ
- リード獲得
- コンバージョン

画像_Instagramの入稿方法1.png

キャンペーン名や予算などを設定した後、広告セットの「配置」で「手動配置」を選択し、プラットフォームで「Instagram」のみにチェックを入れます。

画像_Instagramの入稿方法2.png

アセットカスタマイズの項目で、「Instagramインストリーム動画」のみにチェックを入れます。

画像_Instagramの入稿方法3.png

広告セットを保存したら、次にクリエイティブの項目でメディアの「編集」をクリックします。

画像_Instagramの入稿方法4.png

アップロード」からインストリーム広告で使用する動画をアップロードします。

画像_Instagramの入稿方法5.png

広告クリエイティブの設定が完了し、保存すれば入稿作業は完了です。審査完了後、Instagramのインストリーム広告配信がスタートします。

出稿の注意点

インストリーム広告に使用できる動画のサイズや再生時間は、メディアによって異なります。各メディアの規定に沿って、推奨される形式の動画をアップロードしましょう。

また、インストリーム広告は本編の動画再生を遮るような形で再生されるため、ユーザーによっては不快感を覚えるリスクがあります。特に、スキップできない形式を選ぶ場合は、商品やブランドに悪印象が付かないように注意が必要です。

視聴者を傷つけるような表現や過激な表現などがないか、細心の注意を払った上でインストリーム広告を出稿しましょう。

インストリーム広告の事例

image12.png

出典:LIFEWTR Facebookインストリーム動画広告の配置を追加してブランド認知度を向上

アメリカの飲料ブランドLIFEWTRでは、FacebookとInstagramでインストリーム広告を活用し、認知度と費用対効果の向上に成功しました。

LIFEWTRの製品は、ボトルのデザインに新進気鋭のアーティストを起用していることが特徴です。「生命には、水もアートも必要だ」というメッセージを掲げ、プロモーションを展開しています。

ブランド認知度を高める施策として、同社のアートプロジェクトの動画をもとに短尺動画を作成し、インストリーム広告を制作しました。音声無しでも内容が分かるような編集を行い、アーティストの制作風景やボトルデザインを印象付けていることが、同社のインストリーム広告の特徴です。

インストリーム広告を利用した結果、従来の広告キャンペーンと比べて認知度が2倍に増加し、認知度上昇率1ポイントあたりの広告コストは43%削減できました。

インストリーム広告(動画広告)で成果を上げるポイント

インストリーム広告で成果を上げるためには、ターゲット設定や動画のクリエイティブなど、いくつかのポイントに注意が必要です。

ターゲットを明確にする

どのようなターゲットに動画広告を視聴して欲しいかを明確にしましょう。例えば20代でファッションに興味がある人がターゲットの場合と、40代のビジネスパーソンがターゲットの場合では、最適な内容が異なります。

誰にどのような行動を促すために動画広告を配信するか、具体的に設定することがポイントです。

最初の数秒にこだわる

スキップの可否を問わず、動画広告最初の数秒で視聴者の興味を引くことが重要です。動画広告の冒頭で興味を引けなかった場合、メッセージを伝えることができません。

ターゲットとなる人が興味関心を持っている内容や、思わず気になってしまうようなメッセージを最初の数秒に含めて動画広告を作りましょう。

効果検証で勝ちクリエイティブを見つける

動画広告を配信した後は、効果検証を行う必要があります。パターンの異なるいくつかのクリエイティブの中で、高い成果を得られたものを分析し、成功要因を見つけましょう。

冒頭の何秒かで映像をスピーディーに切り替える」、「テロップを大きな文字にして目立たせる」など、反応を得やすいクリエイティブが見つかると、その後の施策に活かすことが可能です。

急成長する動画広告市場で最注目の「インストリーム広告」

「インストリーム広告」は、現在、急成長している動画広告市場の中でも最も注目されているフォーマットだと言えます。

特に「スキッパブル広告」の場合は、「CPCV課金」と明瞭な課金方式であり、動画広告出稿が初めての人でも比較的参入しやすい形式です。

「インストリーム広告」のメリット・デメリットを押さえて、ぜひ自社のブランディングに活かしていってください。

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