2014年10月、KDDIから発表された新たな構想「Syn.(シンドット)」はご存知でしょうか。
ブックマークサービスを提供する「はてなブックマーク」や化粧品口コミサイトの「アットコスメ」などの大型メディアが多数参加し、大きな話題を集めました。

参考:
新しいモバイルインターネット体験を創出する「Syn. (シンドット)」構想始動 | 2014年 | KDDI株式会社

しかし、「Syn.」とは一体何なのか、どのような目的で創設されたのか、しっかり理解されている方は少ないのではないでしょうか。
今回は、「Syn.」について理解できる記事をまとめ、概要を解説しました。
国内スマホメディアのあり方を大きく変える可能性がある「Syn.」について、この機会にしっかり理解しておきましょう。

1. 「Syn.」とは、バラバラに存在しているスマホサービスをつなぐプラットフォーム

「Syn.」とは
KDDIが“入り口のない”新ポータル構想「Syn.」を発表——13サービスと提携し共通メニューを搭載

KDDIが発表した「Syn.」は、現在バラバラに存在するスマホサービス・アプリを連携させるためのプラットフォームを目指しています。
KDDIが実施した調査では、一人あたりのスマホアプリ平均ダウンロード数が38のうち、わずか8つしか週1回以上利用されていないという結果が出ています。

これは、各アプリが独立しており、他サービスとの連携が取れていないために起こる現象だと考え、それらをつなげてよりアクティブにスマホサービスを利用していただくために「Syn.」が発足されたようです。

「Syn.」には「Syn.menu」「Syn.ad」の2つの軸が存在しており、「Syn.ad」については、KDDIの子会社となった株式会社スケールアウトが運営します。

※誤った情報を記載していたため、当該箇所を削除いたしました。誤記があり大変失礼いたしました。

2. 「Syn.menu」「Syn.ad」はどのように実装されている?

スマホではてなブックマークnanapiのメニューを開くと、一番上に広告が表示され、そのすぐ下には各サイトの関連メニューが並び、更に下にスクロールすると「天気(ウェザーニュース)」「ニュース(報道ヘッドライン)」「占い(cocoloni)」など、他サービスへジャンプできる導線が敷かれていることが確認できます。
この広告表示部分が「Syn.ad」、メニュー部分が「Syn.menu」です。

【nanapi(スマホサイト)の場合】

左上にあるメニュー項目をタップします。
 nanapi

左側にメニューが表示されます。この一番上に表示されている広告が「Syn.ad」よ呼ばれる部分です。
 nanapiメニュー

下にスクロールすると、「Syn.」に参加している他サービスへの導線となるメニューが設置されています。
 nanapi Syn.

「iQON」など、提携しているスマホアプリも同様の導線が敷かれており、アプリスマホサイト間での移動が非常にスムーズに行える仕組みになっています。
例えばはてなブックマークを閲覧している時に天気情報が気になった時、いちいち別タブやアプリを起動しなくても、はてなブックマークのページから直接、ウェザーニュースが提供する天気情報を見に行くことができます。

3.Yahoo!が培った「良質なコンテンツを選別して提供する」文化を継承

KDDI森岡氏インタビュー
Syn.はスマホ時代の脳になる|SENSORS|Technology×Entertainment

「Syn.」の仕掛け人である、株式会社KDDI新規ビジネス推進本部担当部長の森岡康一氏によれば、「ヤフーがPCの時代にポータルサイトとして支持された大きな理由は「情報を選んであげていた」から、誰でも利用出来て、多くの人に安心して利用され続けてきた。
日本のインターネットユーザの大半はこの「選んでくれる」文化に慣れ親しんできた」とし、「Syn.」ではスマホ版「選んでくれる」ポータルサービスを目指していると語っています。

※株式会社KDDIと記載いたしましたが、正しくはKDDI株式会社です。誤記があり大変失礼いたしました。

4.2015年2月より「食べログ」も参入しリーチできるユーザーが大幅に増加

Syn.に食べログ参入
「Syn.」に食べログ参加、いきなり2倍以上の1億ユーザーにリーチ

2015年2月、新たに「食べログ」も参入すると発表されました。
これで食べログが保有する膨大なユーザーに対してもリーチが可能となります。

※誤った情報を記載していたため、当該箇所を削除いたしました。誤記があり大変失礼いたしました。

まとめ

先に紹介した森岡氏は、「良質な情報を選んでもらうことが当たり前」という日本独特の文化を理解できていれば、FacebookやGoogleなどの海外大手が参入してきても勝てる見込みがあると踏んで立ち上げたとのこと。
自ら積極的に情報を取りに行くことが苦手な日本人にとって、あらかじめ良質な情報が揃えられた情報ポータルは利用のハードルが限りなく低いはずです。

KDDIの持つインフラと革新性のあるアイデアの融合により、今後どうスケールしていくか期待されます。

Web戦略カリキュラム

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