その瞬間が見逃せない!マイクロモーメントの発生の仕組みをマーケティングに活かすには?
人は「何かを欲しい」と感じてから、比較検討しはじめ、最終的に実際の購買に至ります。
ちなみに、この "興味を持ってから実際に購入に至るまでの時間" のことをリードタイムといい、最近、購入に至るまでの比較検討時間が短くなったと感じている方も少なくないはずです。
その理由は至ってシンプルで、スマートフォンとインターネット経由での購入が一般的になり、何かを購入する上でのハードルが下がっているからです。つまり、購入を決断するのに必要な検討・決断材料をインターネット経由で簡単に手にすることができるからにほかなりません。
そうした消費者心理を紐解くキーワードの1つとして見逃せないのが**「マイクロモーメント」**です。マイクロモーメントを見逃さないWebサイトを構築すれば、コンバージョンがグンと上がり、しっかり売上に直結するサイト設計につながっていくはずです。
今回は、2016年頃から注目を集めている*「マイクロモーメント」とマーケティングへの活かし方*を解説していきます。
参考:
ユーザーの欲求が生まれる「瞬間」を逃さないために!Googleが提唱する「マイクロモーメント」を解説|ferret
「マイクロモーメント」とは?
画像引用元:stock.io
*マイクロモーメント(Micromoment)とは、ユーザーが何かを知りたいと思って目の前にあるデバイスで調べたり、行動したりという行動を起こす「瞬間」*のことです。
スマートフォンが普及したことで*「PCを立ち上げることなく」秒速でインターネットにアクセスできるようになった*ため、知りたい情報を調べたり、欲しいものを瞬時に購入するといったように、オンライン上の活動はこれまで以上に増えています。
この「知りたい」「買いたい」と思ったり感じたりしてから実際にブラウザを開いて行動するまでの時間のことを*イミディエシー(Immediacy)*と呼ぶことがあります。
何かをしたいと思った瞬間、スマートフォンを手に取る
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マイクロモーメント発生時からゴール達成までの時間であるイミディエシーは、スマートフォンの普及によって非常に短くなっています。
Googleによれば、朝起きてから寝るまでの間に、生活者が1日にスマートフォンをチェックする回数は150回だと言われています。何かについて調べたいと思った時、*60%*の人が最初にモバイルを手に取っています。さらに、モバイル検索をした人のうち、*87%*がその後の購買行動にモバイル検索の結果を参考にしているというデータもあります。
こうした情報から、何かをしたいと思った瞬間に、スマートフォンを手に取るユーザーが多いことがわかります。
また、自宅にスマートスピーカーを置く家庭も増えてきて、知りたい情報を手に入れるためのリードタイムであるイミディエシーは限りなくゼロに近付いています。
米TechCrunchは、先日行われたサイバーマンデーで数千万ものAmazon Echoデバイスが売れ、これによりスマートスピーカーによる物販の売り上げも上がるだろうという好循環について報じています。
ITmediaによれば、1プッシュで商品が届く「Amazon Dash Button」は、日本はアメリカに続き2番目に売れ行きが好調だといいます。現在では100種類以上に増え、バーチャルダッシュボタンも自由に使え、アッという間に購入という目標が達成してしまいます。
このように、ユーザーが何かを思い付いてから実際に行動に移すまでの時間は、非常に短い、文字通り「マイクロ」な時間に収斂されています。Webマーケティングにおいては、マイクロモーメントを前提としたカスタマージャーニーを設定することが重要となります。
ユーザーが求めるのは目標達成までの「スピード」と「利便性」
画像引用元:stock.io
それでは、なぜ行動までのリードタイムがこれまで以上に短くなっているのでしょうか。そして、私たちは何をすればいいのでしょうか。
ここでは、*「スピード」「利便性」「直感」*を切り口に考察してみたいと思います。
スピード:よりスピーディーに
イミディエシー(マイクロモーメント発生時からゴール達成までの時間)が短くなるということは、現代のユーザーのほとんどは思い立ったその場でニーズを満たしたいと考え、結果的に以前とは考えられないくらいのスピードで意思決定を行います。
Googleによれば、ユーザーの*67%が数年前よりも「より素早く」購入できるようになったと感じており、また59%*のユーザーがより素早く購入できる企業から製品を購入したりサービスを利用する可能性が高いと答えています。
利便性:より使いやすく
モバイルサイトやモバイルアプリの情報が体系的で使いやすければ、ユーザーは購入意思を素早く固めることができます。一方で、サイトやアプリが使いにくいと、途中で離脱してしまいやすく、ブランドへの好感度も下がってしまいます。
このように、ユーザーは目標達成までに*「スピード」や「利便性」*が重要だと考えていますが、もう1つ看過できない要素として「直感」も挙げられます。
直感:思い付いたその瞬間に
Google日本が公表した調査では、天気やニュースなど習慣的に調べている検索のボリュームはたったの4%だったのに対し、行動を考えておらず習慣以外で気になったことを調べる割合は*48%にも達していました。また、何かを「買いたい」「行きたい」といった具体的な行動意図を持った検索も全体の47%*を占めています。
この結果から、2つのことが導き出せます。
第1に、ユーザーは日常生活において、欲求を満たすために明確な意図を持って検索することが約半分の割合で起こっていることです。そのため、ダイレクトレスポンスタイプの検索広告は、具体的な行動を想定したタイプの検索を上手く捉えられていることがわかります。
第2に、気軽にふと「気になったこと」を調べるタイプの検索も、同じくらいの頻度で発生していることです。
このタイプの検索の場合は、検索広告はクリックされにくくなりますが、上手くランディングページに誘導してニーズを高めることができれば、結果的にコンバージョンが上がる可能性もあります。
見かけだけの「シンプルさ」が通用しないデザインの時代へ
ユーザーは明確な意図を持ってWebサイトにやってくる場合と、そうでは何となく気になったことを調べる場合があります。
前者の場合は、ゴール達成に向けて素早くステップを踏むことが非常に重要ですが、後者に関してはナビゲーションなどを工夫してできるだけ長くサイトに滞在してもらうのが重要になります。
これらのどちらのニーズも満たしている例として、AirbnbのWebサイトが挙げられます。
従来、Airbnbはヒーローヘッダーを設置していましたが、現在ではヒーローヘッダーを廃止して、以下のようなページ構成になっています。
上方には検索窓が設置されており、すでに明確な意図を持ったユーザーに対して検索アクションを促しています。
例えば「神戸」と検索すれば、3千円〜4千円代の宿泊施設が100件以上見付かります。ユーザーはそのうちいくつかを比較検討してお気に入りに入れ、最終的に予約を行うまで5分前後で行うことができます。
一方、行き先が決まっていない場合や交流イベントを探している場合などは、トップページをスクロールダウンすることになります。東京では「日本刀」を使った文化体験が行われていたり、海外のヴィラの貸切が一万円以下で泊まれたりと、新しい発見があります。ユーザーは、ブラウジングしながら旅行へのイマジネーションを膨らませ、場合によってはAirbnbを使って旅行プランを組み立て始めるでしょう。
重要なことは、Airbnbは単なる見かけだけの「シンプルさ」を表現したいがためにサイトのリニューアルを行ったわけではない、ということです。マイクロモーメントを見逃さずに、サイトの長期滞在を促す結果として、このような形になっているのです。
まとめ
ユーザーが思い立ってから目標を達成するまでのリードタイムはできるだけ短いほうがいい、ということが、マイクロモーメントの考察によって明らかになりました。余計な障害を取り除くことで、結果的に利便性やスピードが増し、コンバージョンも上がります。
「あっ、そういえばこれ、買いたい!」
そう思ったらすぐに買ってしまうユーザーが多いのですが、もしかしたらそうしたユーザーのニーズを食い止めているのは、あなたのWebサイト自身かもしれません。
マイクロモーメントを切り口に、もう一度Webサイトの設計を見直してみてはいかがでしょうか。
参考:
ユーザーの欲求が生まれる「瞬間」を逃さないために!Googleが提唱する「マイクロモーメント」を解説|ferret
- インターネット
- インターネットとは、通信プロトコル(規約、手順)TCP/IPを用いて、全世界のネットワークを相互につなぎ、世界中の無数のコンピュータが接続した巨大なコンピュータネットワークです。インターネットの起源は、米国防総省が始めた分散型コンピュータネットワークの研究プロジェクトARPAnetです。現在、インターネット上で様々なサービスが利用できます。
- Webサイト
- Webサイトとは、インターネットの標準的な情報提供システムであるWWW(ワールドワイドウェブ)で公開される、Webページ(インターネット上にある1ページ1ページ)の集まりのことです。
- マーケティング
- マーケティングとは、ビジネスの仕組みや手法を駆使し商品展開や販売戦略などを展開することによって、売上が成立する市場を作ることです。駆使する媒体や技術、仕組みや規則性などと組み合わせて「XXマーケティング」などと使います。たとえば、電話を使った「テレマーケティング」やインターネットを使った「ネットマーケティング」などがあります。また、専門的でマニアックな市場でビジネス展開をしていくことを「ニッチマーケティング」と呼びます。
- デバイス
- デバイスとは「特定の機能を持つ道具」を表す語で、転じてパソコンを構成するさまざまな機器や装置、パーツを指すようになりました。基本的に、コンピューターの内部装置や周辺機器などは、すべて「デバイス」と呼ばれます。
- インターネット
- インターネットとは、通信プロトコル(規約、手順)TCP/IPを用いて、全世界のネットワークを相互につなぎ、世界中の無数のコンピュータが接続した巨大なコンピュータネットワークです。インターネットの起源は、米国防総省が始めた分散型コンピュータネットワークの研究プロジェクトARPAnetです。現在、インターネット上で様々なサービスが利用できます。
- オンライン
- オンラインとは、通信回線などを使ってネットワークやコンピューターに接続されている状態のことをいいます。対義語は「オフライン」(offline)です。 現在では、オンラインゲームやオンラインショップなどで、インターネットなどのネットワークに接続され、遠隔からサービスや情報などを利用できる状態のことを言う場合が多いです。
- Googleとは、世界最大の検索エンジンであるGoogleを展開する米国の企業です。1998年に創業され急激に成長しました。その検索エンジンであるGoogleは、現在日本でも展開していて、日本のYahoo!Japanにも検索結果のデータを提供するなど、検索市場において圧倒的な地位を築いています。
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- デバイスとは「特定の機能を持つ道具」を表す語で、転じてパソコンを構成するさまざまな機器や装置、パーツを指すようになりました。基本的に、コンピューターの内部装置や周辺機器などは、すべて「デバイス」と呼ばれます。
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- マーケティングとは、ビジネスの仕組みや手法を駆使し商品展開や販売戦略などを展開することによって、売上が成立する市場を作ることです。駆使する媒体や技術、仕組みや規則性などと組み合わせて「XXマーケティング」などと使います。たとえば、電話を使った「テレマーケティング」やインターネットを使った「ネットマーケティング」などがあります。また、専門的でマニアックな市場でビジネス展開をしていくことを「ニッチマーケティング」と呼びます。
- Googleとは、世界最大の検索エンジンであるGoogleを展開する米国の企業です。1998年に創業され急激に成長しました。その検索エンジンであるGoogleは、現在日本でも展開していて、日本のYahoo!Japanにも検索結果のデータを提供するなど、検索市場において圧倒的な地位を築いています。
- アプリ
- アプリとは、アプリケーション・ソフトの略で、もとはパソコンの(エクセル・ワード等)作業に必要なソフトウェア全般を指す言葉でした。 スマートフォンの普及により、スマートフォン上に表示されているアイコン(メール・ゲーム・カレンダー等)のことをアプリと呼ぶことが主流になりました。
- 広告
- 広告とは販売のための告知活動を指します。ただし、広告を掲載するための媒体、メッセージがあること、広告を出している広告主が明示されているなどの3要素を含む場合を指すことが多いようです。
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- ランディングページ
- ランディングページ(landing page)とは、ユーザーが検索エンジンあるいは広告などから最初にアクセスしたページのことです。「LP」とも呼ばれています。ただしWebマーケティングにおいては、商品を売るために作られた1枚で完結するWebページをランディングページと呼びます。
- Webサイト
- Webサイトとは、インターネットの標準的な情報提供システムであるWWW(ワールドワイドウェブ)で公開される、Webページ(インターネット上にある1ページ1ページ)の集まりのことです。
- ナビゲーション
- ナビゲーションとは、もともと「目的地までの経路」や「道順案内」を意味する英単語です。しかし、インターネットの分野では、ホームページにある主要コンテンツをまとめたリンクを指します。これがあることで、ユーザーは目的のページがどこにあるかを短時間で見つけることができます。また、検索エンジンのクローラー(検索ロボット)に対して、効率的にサイト内を巡回させるという効果もあります。 ナビゲーションには「グローバルナビゲーション」と「ローカルナビゲーション」の二つがあります。
- Webサイト
- Webサイトとは、インターネットの標準的な情報提供システムであるWWW(ワールドワイドウェブ)で公開される、Webページ(インターネット上にある1ページ1ページ)の集まりのことです。
- ヘッダー
- WEBページの上部スペースに位置し、どのページが開かれても常に共通して表示される部分です。ヘッダーの役割は、まずWEBページを目立たせ、ブランドイメージを訴求することにあります。会社のロゴなども通常はここに置きます。また目次となるメニューを表示し、自分が今どのページにいるかを分からせることもあります。
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- ページ
- 印刷物のカタログやパンフレットは、通常複数のページから成り立っています。インターネットのホームページもまったく同じで、テーマや内容ごとにそれぞれの画面が作られています。この画面のことを、インターネットでも「ページ」と呼んでいます。ホームページは、多くの場合、複数ページから成り立っています。
- トップページ
- インターネットのWebサイトの入り口にあたるページのことをトップページといいます。 一般的には、階層構造を持つWebサイトの最上位のWebページをさします。サイト全体の顔としての役割も果たすため、デザインなどで印象を残すことも考えたサイト作りも有効となります。
- クロール
- クロールとは、検索エンジン内のシステムであるクローラ(ロボット)が一つ一つのサイトを巡回し、サイトの情報を収集することを指します。
- Webサイト
- Webサイトとは、インターネットの標準的な情報提供システムであるWWW(ワールドワイドウェブ)で公開される、Webページ(インターネット上にある1ページ1ページ)の集まりのことです。
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