近年デジタルマーケティング領域で注目を集めているマーケティングオートメーション(MA)。有望顧客の獲得に悩んでいる方であれば耳にしたことがあるのではないでしょうか。

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今回は、顧客の管理・育成を自動化することができるマーケティングオートメーションについて押さえておくべき4つのポイントをご紹介します。

目次

  1. 75%の企業が全ての顧客リストにアプローチしきれていない
  2. マーケティングオートメーションとは
  3. マーケティングオートメーションの機能と活用方法
  4. マーケティングオートメーションを導入する前に考えるべきこと

75%の企業が全ての顧客リストにアプローチしきれていない

Web担当者の方のなかには、新規顧客の獲得に力を注ぐあまり、既存顧客の管理や育成にまで手が回っていないという方も多いのではないでしょうか。

2015年2月に電通イーマーケティングワンが法人営業担当者に対して実施した調査によって、見込み客の情報(リスト)を活用しきれていない企業の実態が浮き彫りになりました。

調査では「営業のリスト(メールアドレスや電話番号など)に対してどの程度アプローチできているか?」という問いに対して、「全てにアプローチしている」と答えたのは全体のわずか25%程度でした。

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参考:
「法人営業の営業リストに関するアンケート調査」のレポートを発表 | 電通イーマーケティングワン

なぜ、広告費や人員を使って獲得した大切なリストを活用できずにいるのでしょうか?
調査のなかで、2つの理由が示されています。

1.リストが多すぎて、アプローチしきれていない
2.リストの質が低く、アプローチしても意味がないと感じている

獲得したリストの中に、「当面受注には至らないような見込みの低いものが含まれており、すべてにアプローチするとかえって効率が悪い」、という考えが背景にあるようです。つまり、現段階でそれほど見込みのないリストに対してアプローチするのは時間も労力もかかるので厳しいものがあるのでしょう。

一方で、せっかく獲得したリストに変わりはないので「もったいない」と感じている方も少なくないのではないでしょうか。

「できることなら、リストの獲得経路やホームページ上でのアクションに応じて最適なメールを配信したり、興味関心が高まったユーザーに対してキャンペーンの案内をしたい」 

そんな担当者の悩みを解決を手助けしてくれるのが、マーケティングオートメーションです。

マーケティングオートメーション(MA)とは?

マーケティングオートメーション=見込み顧客の管理・育成を自動化すること

マーケティングオートメーションは、獲得した見込み客の情報を一元管理し、主にデジタルチャネル(メール、SNS、ホームページなど)におけるマーケティングを自動化、可視化するツールのことを指します。

簡単に言えば、獲得した見込み客を育て、精査し、営業マンに質の高いリストを送る一連の流れを自動化するものです。

マーケティングオートメーションの担う領域

下記の図でも分かる通り、本来営業とマーケティング部門が行なわなければならない見込み客の管理・育成(ナーチャリング)を代わりに担ってくれます。ただし、“自動化”と言っても、すべてのプロセスを自動化するわけではないことに注意が必要です。
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『はじめてでもわかる!マーケティングオートメーションツール導入の教科書』

マーケティングオートメーションを導入するメリット

マーケティングオートメーションを導入することによるメリットは様々ありますが、ここでは主な2点をご説明します。

1.見込み客の有望顧客への育成を効率的に進めることができる
2.見込み客の個別状況に応じた、より高度なマーケティングが実施できる

1つ目は、見込み客の有望顧客への育成を効率的に進めることができる点です。従来であれば、営業マンが1件ずつ電話をし、見込み客の温度感を測り、タイミングを見てサービスの提案をしていたものが、あらかじめプログラムを組んでおくことで自動化が可能になります。

そこに割くべき時間を、見込みの高くなったユーザーに充てることができるため、受注までの効率を高めることができるようになります。

2つ目に、見込み客の個別状況に応じた、より高度なマーケティングが実施可能になります。見込み客と言っても、展示会でたまたま立ち寄って名刺を置いていった人や、既にセミナーなどにも参加し、競合製品・サービスとの比較検討を進めている人など、製品・サービスへの興味の深さや理解度にはバラつきがあります。

見込み客の興味のある領域に関するメールを配信したり、サービスの理解度に応じたイベントに案内したりすることで、ユーザーにより踏み込んだマーケティング活動を行うことができます。

このようなメリットがある一方、最初の準備や設計をきちんと行わなければならないといった側面もありますので、導入にあたってのメリットとデメリットを理解しておく必要があります。

マーケティングオートメーションの基本的な機能と活用方法

マーケティングオートメーションの基本機能

マーケティングオートメーションは提供する企業によって、ランディングページが作成できたり、SFA(Sales Force Automation:営業支援ツール)やCRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)と連携ができたりと、様々なツールが存在します。

今回は、一般的なマーケティングオートメーションに実装されている基本的な機能を5つご紹介します。

1.ページ作成

簡易なページを作成することができます。登録フォームランディングページを作る機能として搭載されていることが多いです。

2.アクセス解析

メールの開封率やお問い合わせに至ったユーザーの率を計測したり、ページを訪れたユーザーの行動を分析するためのアクセス解析機能です。

3.リード管理

見込み客の情報を一元的に管理できる機能です。企業名、所属、役職、氏名 などの属性情報のほか、ホームページの閲覧履歴、送信メールの開封率など収集可能なあらゆる情報を管理できます。

4.リードナーチャリング

例えば展示会に来場した見込み客に、来場の謝礼と次のステップ、セミナーの案内や廉価版サービスの紹介などを送付することができます。展示会に来場した人、資料請求をした人などをセグメントに分け、各セグメントに対して適切なメールを配信し、見込み客の次のステップへの“成長”を促せます。

5.スコアリング

見込み客の行動履歴によって点数を付け、セグメントを分けたり営業マンに引き渡す有望顧客の判定を行うことができます。

マーケティングオートメーションの活用方法

見込み顧客の育成

繰り返し述べていますが、マーケティングオートメーションのもっとも一般的な活用方法が見込み顧客の育成です。ユーザーの性質や行動に合わせて最適な情報を送り、関係構築をしながら有望顧客へと転換させていくことができます。

顧客情報管理データベース

顧客情報は、部門・部署ごとに管理している企業も多いのですか、マーケティングオートメーションを導入することでそれらの情報を一元的に管理・共有し、会社の顧客情報基盤を統一することができます。それまで属人的にしか把握できていなかった営業進捗の状況を、部門をまたいで確認することができます。

休眠顧客の掘り起こし

一度自社商品を購入したことのある顧客であっても、しばらくホームページ上でアクセスがないと営業推進の対象から外れてしまうこともありえます。こうした休眠顧客をマーケティングオートメーションに取り込むことにより、掘り起こしを図ることができます。

マーケティングオートメーションを導入する前に考えるべきこと

マーケティングオートメーションの導入を検討する際には、次の2点を考えておく必要があります。

自社に必要な機能について

マーケティングオートメーションは高機能であるために高価なものも多く、場合によっては実装されている機能を使いこなせないケースもありますので、自社の営業・マーケティング活動において必要な機能が何か整理した上で検討することをオススメします。

基本的なマーケティングを実施したいのであればアクセス解析ツールやメール配信ツールで事足りる場合もあります。一方で高度な分析や細かなシナリオ設定をしたい場合は、高機能なツールを導入しなければやりたいことができませんので、機能と価格の見極めが重要です。

リード獲得について

マーケティングオートメーションを使って見込み客の管理・育成をするのであれば、一定量のリード数があった方が効果的です。もし十分なリード数を確保できていない場合には、より手前のリード獲得(リードジェネレーション)施策についても考える必要があります。

リスティング広告ディスプレイ広告などのWeb広告、ホームページやSNSを用いた情報発信、展示会やセミナーなどのイベントなど、数ある施策の中から集客したいターゲットに合わせた施策を選択しましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

見込み客の管理・育成を自動化し、効率よく有望顧客を獲得することができるマーケティングオートメーションですが、本当にやりたいことと機能が合っておらず、活用できないのでは意味がありません。

導入前に自社の利用目的や活用方法を明確にし、自社にあったツールを選択するようにしましょう。

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