数あるSaaSサービスの中でも、トップクラスのシェアを誇るのが「Salesforce(セールスフォース)」です。

CRMツールやSFAツールを提供しているサービスで、ビジネスを円滑に進めていくための強い味方となっています。多く企業でも導入されるなど、高い信頼を勝ち取っているクラウドサービスです。

そんなSalesforceですが、いざ導入したようと考えていても、詳細がわからずなかなか手が出せないというケースもあるでしょう。そこで今回はSalesforceの概要や各サービスの機能、価格について紹介します。

目次

  1. Salesforce(セールスフォース)とは
  2. Salesforceを導入するメリット
  3. Salesforce導入時の注意点
  4. Salesforceの代表的なサービスの特徴と費用
  5. Salesforceにむいている企業
  6. Salesforceで営業活動を効率化させ顧客満足度を向上させよう

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Salesforce(セールスフォース)とは

Salesforce
Salesforce

製品についての紹介を始めていく前に、提供元である企業「Salesforce」について見ていきましょう。そしてSalesforceという会社について知ったあとは、CRMやSFAツールについても解説します。理解しておくことで記事全体の理解度が変わるので、準備運動のつもりで確認してください。

CRMなどのSFAツールを提供する会社

Salesforce.com」は、アメリカのクラウドコンピューティングサービス提供会社です。1999年に設立されて以降、ビジネスでの有用性が高いツールを多数リリースしています。2000年4月には日本法人が設立されました。

同社が打ち出しているSFA・CRMシステムが「Salesforce」です。顧客情報管理、営業支援、売上予測、商談管理などビジネスに求められる様々な機能を内包しているソリューションとして高い評価を受け続けています。

現在では、全世界で10万社以上が導入しており、SaaSの代名詞とも言えるサービスです。

● CRMとは

CRM」は「Customer Relationship Management(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)」の略です。日本語では通常、「顧客情報管理」と訳されます。元来はそのまま「顧客の情報を管理する取り組み」という意味ですが、現在はこの取り組みを実現するためのITツールという意味が一般的です。

単なる顧客データベースは多くの企業にありますが、CRMはより詳細な顧客情報を管理します。購買傾向、好み、ニーズなどもCRMに記録する情報の例です。また、購入した商品、購入頻度、単価などから購入予測を立てる機能も搭載されています。

こうした情報共有により顧客満足度を向上させることがCRM導入の最たる狙いです。

● SFAツールとは

SFA」は「Sales Force Automation(セールス・フォース・オートメーション)」の略であり、日本では「営業支援システム」という意味で認識されています。ITを活用し営業活動を効率化する取り組み、もしくは効率化に用いるツールそのものを指します。

SFAを用いると、対応履歴や訪問のスケジュールといった顧客情報を簡単に共有可能です。記録を閲覧すれば過去のアプローチがわかるため、営業メンバー間での業務引継ぎが容易になります。従来の課題だった営業活動の属人化を回避できます。

また、営業プロセス全体が可視化されるため、欠けているアプローチを補填することも可能です。このメリットから、営業担当のスキル底上げにもSFAが活用されています。

Salesforceを導入するメリット

多くの企業が利用するSalesforceは非常に優れた機能を備えています。下記ではSalesforceを導入することで得られる具体的なメリットについて解説します。
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営業活動の効率化

Salesforceを導入すれば、顧客の予算や競合他社のデータ、案件の進捗状況など、営業活動に関する重要なポイントを社員全員が一目で把握することが可能になります。

営業活動の状況を数値化し可視化させることで、何が問題なのかを見つけることができ、営業活動が改善されることで売り上げの向上に大きく繋がるメリットがあります。

営業活動が上手くいっているスタッフ、上手くいっていないスタッフの営業手法を比較することで、スピーディーに改善策を立てることができるのがSalesforceの特徴です。

また、他の営業スタッフに比べて結果が出ていない人や進捗が遅れている人がいても、Salesforceのデータを利用すれば何が問題なのか一目で分かるため、的確なアドバイスができます。

営業ノウハウの共有

Salesforceを導入すると、営業活動のプロセス全てを記録することができるので、優秀な営業スタッフの成功事例を他の営業スタッフに共有することが可能になります。

例えば、顧客とやり取りしたメール、顧客と交わした商談内容、顧客へのアプローチ方法、提案した資料、ヒアリング内容など、営業活動に関する全てについてです。

営業成績の良いスタッフの全記録を他のスタッフが閲覧することで、自分の改善点を見つけられたり、営業テクニックなどのノウハウを学べるので教育にも効果を発揮します。

Salesforceを利用すれば、社内の営業チーム全体のレベルが上がり、売り上げ向上に繋がるメリットがあります。

社員教育コストの削減

Salesforceを導入することで、営業資料や案件に関する情報を社員全員が一目で把握できるようになるので、社員教育のコスト削減ができるのが大きなメリットと言えます。

特に社員研修や新人教育では、金銭的にも時間的にも多くのコストがかかりますが、Salesforceを利用すれば、スピーディーかつコストを抑えて効率的に社員教育ができます。

さらに営業資料を準備せずとも、Salesforceに蓄積されたデータから自身の営業技術やテクニックを学べるので、自主的に営業を学べる環境を提供できるのも魅力の一つです。

顧客満足度の向上

Salesforceを導入すれば、あらゆる顧客情報を蓄積させることによって、サポートや営業活動をスムーズに進行できたり、トラブルの際に迅速にフォローできたりと効率的に顧客満足度の向上が図れるのがメリットです。

顧客の情報を詳細に記録しておくことで、顧客が求めているサービスとは一体何なのか具体化させることで、顧客の期待を超えるアプローチが可能になります。

また、顧客ニーズを把握する以外にも、商品開発・市場投入・フィードバックなどのプロセスをスムーズに回すことも可能です。

このようにSalesforceを導入することで、顧客の期待を超えるサービスを提供できたり、PDCAを高速に回してスムーズに営業活動を進行できたりします。

Salesforce導入時の注意点

Salesforceを導入したにも関わらず、最大限に機能を使いこなせない企業も多くあります。そこで下記では、Salesforce導入時の注意点について解説します。

Salesforceの導入目的を明確にする

Salesforceを導入する際は、何のために導入するのか目的を明確にしてから検討しましょう。なぜなら、ただ単にSalesforceを導入しても最大限効果を発揮できず、宝の持ち腐れに陥ってしまうからです。

基本的にSalesforceの役割は営業スタッフや顧客データの管理、営業活動のプロセスの記録です。社内の全ての活動をデータ化させることにより、営業活動の効率化や顧客満足度の向上を図ります。

なので、Salesforceの導入を検討している場合は、企業全体の利益向上のためであることはもちろんのこと、営業スタッフを管理し更なる改善を図るという目的を共有することが大切になります。

成果がでるまでに一定時間かかる

Salesforceを導入したからといって、すぐに成果が出るとは限りません。企業の中には運用費用や導入のかかるコストに対し、費用対効果が得られないという理由で運用を辞めてしまうケースがあるのが実際のところです。

しかし、Salesforceはデータを蓄積しそれを活用することで最大限効果を発揮するため、長期的な視点で運用していくことが大切です。すぐに効果が得られないからと辞めてしまうとデータを記録した時間や操作を覚えた時間などが無駄になってしまいます。

Salesforceを利用してリアルタイムで状況が把握できたことでスピーディーに顧客対応が行われたり、優秀な営業マンのデータを社内で共有したことがきっかけで社内全体の営業成績が向上したなど、小さな成功体験を積み重ねれば自ずと売上アップに繋がります。

ツールを導入しただけでは売上に直結しません。まずは社内でSalesforceを浸透させ、少しずつ業務をSalesforceによって改善させていくことが重要です。

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Salesforceの代表的なサービスの特徴と費用

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徹底した顧客管理ができる「Sales Cloud」

Sales Cloud」はCRMとSFAをパッケージしたSalesforceの主要サービスです。クラウド型CRM・SFAとしては世界トップシェアを誇ります。日本でも、業種を問わずさまざまな企業で導入されているツールです。

顧客管理機能では、顧客名や連絡といった基本的な情報だけではなく取引上の活動履歴など社内ディスカッションの内容など包括的な情報を記録できます

FacebookやTwitterなどSNSの情報も紐づけられるため、顧客への理解が深まります。管理している情報は、内蔵している社内SNS機能「Chatter」で簡単かつ安全に共有可能です。

案件管理機能はモバイルデバイスとの連携も可能。外出先で突然訪れる取引チャンスにも対応できます。モバイルデバイスで更新した案件の進捗は最新情報として即座に反映されるためプロセスに無駄が生じません。

見込み顧客に関してはさまざまなチャネルでの情報を正確にトラッキングします。評価に対する担当部署の割り当ても自動的に行われるため、商品・サービスに対する顧客の興味が薄れる前にフォローアップが可能です。また、マーケティングキャンペーンが顧客のどのような行動につながっているか簡単に確認できます。

売上予測画面には目標額と達成額が表示されるほか、カテゴリ別に売上予測を集計する機能も搭載されています。重きを置く必要があるカテゴリをその都度把握可能です。リソースを効率的に分散できるようになるでしょう。

● Sales Cloudの費用

Sales Cloudでは4つのプランが提供されており、活用の範囲に応じた選択肢が用意されています。具体的な区分けと内容は以下の通りです。

プラン 概要 料金
Essntials 基本的な機能が利用可能(営業支援・カスタマーサービス)※登録ユーザーは10名まで 3,000円/月
Professional チームでの運用に最適化されたプラン 9,000円/月
Enterprise 企業での活用に適したカスタマイズ性に富んだ自由度の高い 18,000円/月
Unlimited CRM機能とサポートが無制限 36,000円/月

段階に応じて活用できる機能が増えていくため、規模間に合わせた選択ができる点もメリットといえます。費用感も考慮しながら取り入れていきましょう。

参考:Sales Cloudの価格

顧客からの問合せに順応に対応できる「Service Cloud」

Web上のチャネルが多くなった現在も、コンタクトセンターは顧客と企業をつなぐ重要なチャネルです。Salesforceでは、「Service Cloud」というコンタクトセンター用のプラットフォームを提供しています。高次元のカスタマーサービスに求められる機能を多数実装したツールです。

顧客の多くは自身での問題解決を望んでいます。Service Cloudではそうした顧客を問題解決に導くWeb上のコミュニティを公開可能です。コンタクトセンターへの問い合わせを少なくし、オペレーターの負担を軽減させることにもつながります。

チャット機能、ビデオ通話など各チャネルでの問い合わせ対応も実現できます。
問い合わせやオペレーターのスキルセットや稼働状況に応じて割り当てられるためリソースが無駄になりません。

また、オペレーターが残した対応履歴は、テキストから過去のケースと自動的に紐づけられます。

● Service Cloudの費用

Service Cloudに関しても同様のプラン体系となっており、以下のような内容となっております。

プラン 概要 料金
Essntials 基本的な機能を利用できるプラン 3,000円/月
Professional ユーザー数の上限のないCRM 9,000円/月
Enterprise カスタマイズ性に富んだCRM 18,000円/月
Unlimited CRM機能が無制限に利用可能 36,000円/月

参考:Service Cloudの価格

Sales Cloudと同様にプランのグレードが上がるほどに自由度の高い運用が可能となります。事業の規模や必要性によっても変わりますが、何が最適なのかを考えてみるのもよいでしょう。費用は以下の通りです。

売れる仕組みを作る「Marketing Cloud」

「Salesforce Marketing Cloud」は、顧客へのメッセージ送信に特化したサービスです。顧客ごとに違ったアプローチを実施する「One to Oneマーケティング」を実現するツールとして活用されています。

メールマーケティングコンテンツはドラッグ&ドロップで簡単に作成可能。属性やライフサイクルに応じて、多数のコンテンツをあらかじめストックしておけます。顧客の行動をトラッキングし、最適なタイミングでコンテンツを送信します。

SMSやMMSなどモバイルメッセージの送信も容易です。クーポンやカスタマーサービスの更新など魅力的なメッセージで顧客のアテンションを引き付けられます。

また、時間と場所を指定してモバイルメッセージを送信できるジオロケーション技術も搭載されています。

SNSとの連携も便利です。自社や製品・サービス、競合他社に関してSNS上で発言された投稿を即座に集約します。投稿に対するスピーディーな対応も可能です。

ソーシャルメディア広告の作成・配信もサポートします。
既存の顧客を除き、見込み顧客のみにリーチするといったターゲティングの自動化も可能。費用対効果の高い広告展開を実現できます。

さらに、プログラミングの知識がなくてもWebページを作成できる機能を実装しています。LP(ランディングページ)、モバイルアプリなど、行動パターンや購買傾向といったデータは顧客データとして記録可能です。

● Marketing Cloudの費用

Marketing Cloudは目的に応じて複数のアプリケーションが用意されています。MAツールやSNSのデータ管理を促進するツールなど、必要なものを適宜選択して導入することになるでしょう。費用感はツールによって異なるため、Customer 360 AudienceB2Bマーケティングオートメーションのものを例として紹介します。

Customer 360 Audience】:企業向けの顧客データ管理ツール

プラン 料金
Corporate 1,500,000円/月
Enterprise 6,000,000円/月
Enterprise Plus 7,800,000円/月

B2Bマーケティングオートメーション】:マーケティングを強化

プラン 料金
Glowth 150,000円/月
Plus 600,000円/月
Advanced 780,000円/月
Premium 1,800,000円/月

そのほかのツールは個別に見積が必要となる場合もあるので、必要に応じて確認してください。

参考:Marketing Cloudの価格

構築・実行・管理・最適化をする「Salesforce Platform」

Salesforce Platform」は、アプリケーション開発用のプラットフォームを提供するクラウドサービスです。CRMを自社のニーズに合わせてカスタマイズできます。

業務アプリケーションの開発やモバイルアプリの開発、アプリとウェブサイトの連携などもひとつでまかなえるプラットフォームです。

● Salesforce Platformの費用

CRM活用をスムーズにおこなうためのプラットフォームとして利用されるSalesforce Platform。2つのプランから成り立ち、以下の費用感で展開されています。

プラン 料金
Lightning Platform Starter 150,000円/月
Lightning Platform Plus 12,000円/月

どちらも基本的に必要な機能は活用できますが、大規模な運営が必要な場合にPlusを活用すると選択肢が広がるでしょう。

参考:Lightning Platform の価格

Salesforceに向いている企業

Salesforceは営業支援や顧客管理など、総合的に業務を効率化できるクラウドサービスなので、営業スタッフの詳しい商談状況の把握業務効率を上げたいという企業に導入が向いているITツールです。

具体的なSalesforceに向いている企業の悩みは、

・ITツールの導入により業務を効率化させたい顧客管理や営業状況をデータ化し効率的に売上アップを図りたい
・既存のSFA/CRMよりもオリジナリティのあるシステムを作りたい
・Salesforceに基づき社内の業務システムを統合したい

というような企業が挙げられます。

特にSalesforceの導入により社内全体の業務を効率化させたい企業に大きなメリットがあります。一方でSFA/CRMに予算をかけることが難しい企業、既存のCRM/SFAシステムで十分足りている企業は、Salesforceを導入しなくても大丈夫でしょう。

Salesforceで営業活動を効率化させ顧客満足度を向上させよう

多くの企業がSalesforceで顧客管理・営業活動の効率化を実現しています。規模感やコスト観に応じてエディションが用意されているため、中小事業者での利用例も少なくありません。

興味があれば各エディションを比較検討してみてください。まずは無料のトライアルを利用するとよいでしょう。

CRMツールの導入を検討している方はこちらもチェック

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データはGoogleスプレッドシートやSalesforceなど外部ツールに出力可能。顧客管理やデータ分析に役立ちます。

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