「せっかく問い合わせが増えてきたのに、うまく売り上げに結びつかない…」

こんな状態になっているのであれば、今一度リードナーチャリングについて考えてみてはいかがでしょうか?

リードナーチャリングとは、すでに獲得した見込み顧客(リード)に対して、様々なアプローチによって徐々に購買意向を高め、実際の購買に結びつけるプロセスのことを指します。リードナーチャリングの設計を見直すことで、売上に繋がる確率を高めることができます。

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今回は、「見込み客」を「リピート客」に変える4つのナーチャリングテクニックをご紹介します。

特にBtoBの場合や、個人でも高額な商品の購入がゴールの場合など検討期間の長い商材を扱っている場合、リードナーチャリングが重要な役割を果たします。すでに概要をご存知の方も、改めて、ポイントを確認してみましょう。

リードナーチャリングとは?

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イメージ画像 / BURST

*「リードナーチャリング」*は、「リード」と「ナーチャリング」を組み合わせた、BtoBビジネスにおける用語です。

*「リード」(lead)とは、お問い合わせや資料請求などでファーストコンタクトが発生した「見込み客」*のことです。もともと英語のリードには「手がかり・糸口・きっかけ」という意味があります。企業やサービスによってリードの定義は異なりますが、相手に関する何らかの情報を得て、こちらからも何らかの連絡が取れるときに、リードと定義することが多いようです。

一方、*「ナーチャリング」(nurturing)*には、もともと親が子どもを大切に育てるという意味があります。

そこから、BtoBマーケティングにおいては、大切な見込み客に検討期間の中でしっかりと比較検討してもらい、商談につなげることを指します。

Webの場合は、ファーストコンタクトからコンバージョンまで、しっかりと見込み客を「育てていく」のがリードナーチャリングだと言えます。

リードジェネレーションとリードナーチャリングはどちらが重要か?

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「リードナーチャリング」と同じく重要なキーワードとして、*「リードジェネレーション」*というものがあります。リードジェネレーションとは、ひと言でいえば「リードの創出」つまり「見込み客を作る」施策のことです。

実は、興味深いデータがあります。一般的に、リードジェネレーション」と「リードナーチャリング」のどちらに関心があるかを、以下のGoogleトレンドのグラフが示しています。

 
上記のグラフからも明らかですが、リードジェネレーション」という言葉は、「リードナーチャリング」よりも遥かに関心を持たれているという結果が出ています。

各国別で見ると「リードナーチャリング」はアメリカやヨーロッパなど一部の国でしかほとんど注目されていないことが分かりました。

もちろん、新規の見込み客を獲得するのは大切なことです。しかし、成果を出したいのであれば、既存の顧客を育成していくリードナーチャリングを行うことのほうがより重要です。

例えば、500人の新規顧客がいて、1人しか契約しないよりも、100人の新規顧客をしっかりと育てて10人の契約を獲得する方が明らかに効率的です。

グロースハッカー集団strutoによると、ナーチャリングを受けていないリードに比べて、ナーチャリングを受けたリードのほうが、47%多く購入しています。

効果的なリードを生む4つのナーチャリングテクニック

1. 顧客をプロファイリングして配信コンテンツの内容を絞る

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リードナーチャリングに関して言えば、マス市場を狙うよりも、極めてニッチに攻めることが大切です。

興味・関心の薄いコンテンツをユーザーに流し続けても、リードの購買意欲を高めることは難しいからです。むしろ、大量のスパムメールの中にリードへの有益なメールが埋もれてしまうことも考えられるでしょう。

リサーチ企業Forresterは、リードナーチャリングにおいて*「内容の絞られた」コンテンツを配信することで、売上が20%上がった*という結果が出ています。

例えば、Amazonではユーザーが訪れたカタログページの全てを履歴に残して、誰がどの商品に興味があるのかを追跡できるようにしています。

これによって、例えば、*「ベビー用品カテゴリにある商品を1週間以内に2つ以上閲覧したユーザー」「赤ちゃん用オムツ」*の案内メールを送ったほうが、「ビジネス雑誌」ばかりを見ているユーザーに同じメールを送るよりも大きい効果を期待できるようになります。

また、普段Webサイトを構築する際にペルソナを設定するのと同様に、「バイヤーペルソナ」と呼ばれる、理想的な顧客のペルソナを設定するのも効果的です。理想的な顧客像が設定できれば、そこに合致したリードに向けて配信コンテンツを作成すればいいのです。

参考:
Buyer Persona Template

ただし、大切なのは、リードをプロファイリングできるほどの個人情報を集めておく必要があるということです。仮に十分な情報を手にしていないのであれば、アンケートなどの方法を使って、できるだけ多くのリードの情報を集めるようにしましょう。

いくら手元にたくさんの情報があっても、リードのニーズを満たしていない情報ばかりを流していたら、すぐにスパムとして処理されてしまうでしょう。

2. リードナーチャリングをマルチチャネル化する

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リードナーチャリングの手法としてメールマーケティングが定番ですが、他の手法にも目を向けてみましょう。

MarketingSherpaによれば、5人中4人のマーケターが、メールの開封率はどう頑張っても20%を超えないということを口を揃えて主張しているようです。というのも、昔は「メールだけ」が顧客との接点だったのが、現在ではSNSも活発に使われているため、メールに向き合う時間が相対的に減っているからです。

もちろん、すべてのリードが積極的にSNSを使っているわけではありません。しかし、あらゆるチャネルを使って広くリーチすることです。

最近のマーケティングオートメーションツールの中には、複数のプラットフォームを一元管理できるツールも登場しています。例えば、「Twitterのフォロアーの中で、フォロアー数500人以上、国内在住、24時間以内に呟いたひと」だけを抽出して、限定的な情報をダイレクトメッセージで送るのも一つの戦略でしょう。

メールは今現在でも極めて重要なマーケティングの手段です。しかし、メールに依存していると本当に欲しいリードを育てられません。LINEやFacebook、InstagramやYouTubeなど、さまざまなチャネルにアプローチできるように工夫してみましょう。

3. 戦略的に接触回数を増やす

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*「同じ人や物に接する回数が増えるほど、その対象に対して好印象を持つようになる」*というのは、心理学では最もよく知られている効果の一つで、「ザイオンス効果」や「単純接触効果」という名前が付いています。

接触回数とリードナーチャリングは、切っても切れない関係です。Marketing Lead Management Reportによれば、見込み客がコンバージョンに到るまでに、平均して10回の接触を受け取っていることが明らかになっています。

戦略的に接触回数を増やす方法として使われているのが、ステップメールという手法です。ステップメールとはあらかじめ用意してあるメールをお客様の購入を起点として、スケジュール通りにストーリー性のあるメールを配信する施策です。メールマーケティングではやや古典的ですが、ユーザーのニーズにマッチしていれば極めて効果的です。

また、一度購入した顧客にも、次のような流れで接触回数を増やすこともできます。あなたがAmazonやZOZOTOWNなどで買い物をしたときのことを思い出して見てください。

・購入後のお礼メール
・発送完了メール
・商品到着後のフォローメール
・類似商品のおすすめメール
・購入者だけのキャンペーンメール

こうしたメールを送り続けて、リピート購入してくれれば、その顧客はもはや「リード」ではなく忠誠心のある*「ロイヤルカスタマー」*です。ファンになれば、少し高額な商品でも売れたり、購買頻度が上がるため、売り上げをアップさせる重要な手段となるでしょう。

4. タイムリーなフォローアップを死守する

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問い合わせをはじめとする顧客の何らかのアクションに対して素早く対応することは企業として当たり前のように思えるかもしれません。ところが、実は多くの企業が実践できていないのです。この点に関して、少し古いですが、ハーバードビジネスレビュー(HBR)の調査を参照してみました。

上記の調査によるとアメリカの2,240に登る企業がどれほど素早いフォローアップをしているのかを調べました。結論として明らかになったのは、以下の4つです。

  • B2B企業が最初にリードに返信を行ったのは、平均して42時間後だった
  • たったの*37%*しかリードに1時間以内に返信できていなかった
  • *24%*の企業は24時間以上の時間を要した
  • *23%*の企業は返信すらしていなかった

もちろん、現代の日本社会に当てはまるとは言い切れません。しかし、覚えておくことは大切です。

マーケティングオートメーションは、たくさんの見込み客に、それぞれのニーズに応じた教育を施すことができる点で、非常に便利です。しかし、ツールだけに依存せず即時的なフォローアップすることも効果的です。ライブのやりとりも効果的に組み合わせていくことが大切です。

まとめ

1人でも多くの顧客を作ろうと「リードジェネレーション」に時間を割くのも時には必要ですが、それでも思ったほど売り上げが上がらないのであれば、もう一度「リードナーチャリング」の設計を見直してみてはいかがでしょうか。

せっかく問い合わせてくれても、こちらが行っている活動によって逆に興味を削がれてしまうこともあり、企業にとっては大きな損失になってしまうこともあるからです。

一方、効果的な「リードナーチャリング」設計ができれば、問い合わせ数が少なくとも、確実に一人ひとりを「リピート客」に仕立て上げることができます。マーケティングオートメーションツールも効果的に使いながら、最適なリード設計を構築していきましょう。