動画広告に対応するメディアが増加し、配信先となる選択肢が広がっています。そうした中で、効率的に広告を届けるためのメディア選定は広告目的を実現する上で重要です。今回は、このメディア戦略/メディアプランニングについて紹介します。

メディア戦略/プランニングとは

昨今、動画広告の掲載先メディアは、オンライン/オフラインの大別に始まり、音声視聴環境の有無、ユーザーの属性や視聴態度など、それぞれ特徴が異なります。

その中で、動画広告の目的や目標実現のために、相応しいメディア群を選定し、どのようにターゲティングするかだけでなく、広告期間やタイミングなどの要素を策定するのがメディア戦略/プランニングです。

メディア戦略/プランニングには多くの要素や判断基準が絡みますが、今回は動画広告ならではの3つに大別した観点で紹介します。

①動画広告によってどんな効果を目指したいか

動画広告に「何を期待するのか」「どんなことを実現したいのか」という観点が最重要です。例として、よく動画広告の目的にされるものを以下に挙げています。

・新商品発売時における認知、プレゼンス向上
・商品機能の理解促進
ソーシャルメディアにおける拡散やキャンペーン施策の反応率向上
・ブランドイメージを変える試み
・ブランド名キーワードの検索数アップ
・コンバージョン獲得 (ダイレクトレスポンス施策)

これらの効果や目的をかなえられるメディアを選定していきます。
例えば、「ブランド名キーワードの検索数アップ」が目的であれば、Google広告でのYouTube動画広告Google検索連動型広告の実施が挙げられます。

このような広告選定を行うために、まずは各メディアの広告メニューを把握し、目的に適したメディアを候補として挙げていくと進めやすいでしょう。
また目的の成果を計測するために、各メディアがどのように定量データの計測や反応調査(※)ができるかを合わせて確認しておくことも大切です。

※「ブランド認知」「広告想起」「検索上昇」などの観点において、視聴者の反応を調査すること

②アプローチしたい生活者を知り、どうすれば精度高く動画広告を届けられるか

前述の目的設定で、対象となるメディアがある程度定まったとしても、そのメディアがアプローチしたい生活者をターゲットとしていなければ、広告としてのインパクトは出せません。

動画広告でアプローチしたい生活者がそもそもどれくらいの規模数であり、生活者が日々接触するメディアはどれであるか、また精度高く届けられるのかを調査し、最適なメディアを選定しましょう。

ここでは、この調査に用いられる参考データや調査方法例を紹介します。

【生活者を知る】

・「統計ダッシュボード」など国家機関によるデータ
・メディア公開資料のユーザーデータ
・調査機関によるアンケートデータ
Googleトレンド、GoogleやYahoo!提供の検索キーワード調査ツール

Googleトレンド
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Google広告キーワードプランナー(検索キーワード候補や予想検索数を取得できるツール)
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・Facebookなどの運用型広告管理画面のターゲティング設定で調査できる潜在ボリュームデータ
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・アプローチをしたい生活者へ実際にどのメディアを日々利用するか、またどのように利用しているかをヒアリング (最も信用力のある1次情報の取得として、できる限り実施しましょう)

続いて、各メディアごとにどのようなターゲティングを行うことができるかを知ることで、効果的なメディア(広告メニュー)選定が導けます。把握すべきターゲティング内容例を以下に挙げています。

【ターゲティング精度】

・年齢、性別、地域などのデモグラフィックターゲティングの指定可能範囲や精度
・興味関心、ユーザー行動や属性によるターゲティング内容
・メディアネットワークを有する広告商品の場合、適切なメディアや広告枠の指定可否

良くも悪くも視聴者へのインパクトが大きい動画広告であるからこそ、意図した生活者へ適切に届けられるか?の観点が大切です。

意図した対象へ届けることができれば大きな効果をもたらすことがある反面、まったく関連のない対象へ届けると広告だけでなく、製品・サービスも嫌われる可能性があります。そのため、企業の発信を一方的に考えるのではなく、生活者の視点に立ち、慎重に選定していくことが求められます。そして、生活者動向だけでなく各メディア仕様も常に変わっていくため、常に高い感度で情報取得をする姿勢を持てるといいでしょう。

③動画広告をどのように届けるか

これまで紹介した観点で、主要なメディア群の選定は可能です。そして最後に、全体効率を高めるためにどのような設計で動画広告を届けるかを細部まで練り上げていきます。

意識すべき重要な要素例を以下に挙げています。

・1人あたりの接触頻度 (フリークエンシー) のコントロール
・市場動向やシーズナリティ、キャンペーン企画内容に合わせた広告時期と期間
・生活者のモーメントをとらえた配信タイミングや時間
広告目的の実現や仮説検証のために適切な予算ボリューム
・動画広告以外の他プロモーションとの連動
・施策途中のアクション判断に用いる、各メディア毎と全体の成果指標

繰り返しになりますが、良くも悪くも視聴者へのインパクトが大きい動画広告であるからこそ、無神経な届け方ではいけません。ブランド/商品へのネガティブな印象を持たれる可能性が高まってしまいますので、特にフリークエンシーコントロールの意識は必須で持ちましょう。

まとめ

動画広告に限る話ではありませんが、メディア戦略/プランニングは、動画広告のポテンシャルを活かすためにも、念入りなリサーチと設計が求められます。どんなケースでも正解とされるような手法はなく、世や人々の動きにも連動していますし、個々の商材や広告目的によっても変わります。
そしてなにより、次章で紹介するクリエイティブ戦略と密に関わり、同時進行もされる部分もあるでしょう。今回は便宜上メディア戦略/プランニングにフォーカスして紹介しました。合わせてご確認いただくと理解が深まると思います。