ブランドが企業を動かす(株式会社インターブランドジャパン)

PRTimes_-_2.jpg
株式会社インターブランドジャパンからは、エグゼクティブディレクターを務める中村正道 氏 が登壇しました。同社は、ニューヨークに本社をかまえる日本最大のブランディング専門会社で、企業のブランドとビジネスの成長を促進する事業を行っています。

中村 氏は、ブランディングは事業戦略と一体のものとして捉え、全社で計画的に取り組んでいくべきだと語りました。

「ブランド」とは何か、答えられますか?

「ブランディングに関心のある企業は増えているものの、広報、販促、マーケティングなど、いろいろな施策とごちゃまぜになってしまっているクライアントの声をよく耳にします。」(中村 氏)

「“ブランド”とはなんですか?」と聞かれて、明確に意味を答えられる方は多くないかもしれません。ブランドというと、商標、ネーミング、広告キャッチコピー、ユーザーからの印象…...など、個人や企業によっても様々な定義があるでしょう。

中村 氏によると、同社では「ブランドは常に変化する事業資産である」と定義しているそうです。ブランドは不変のものではなく、市場や顧客の状況に応じて常に変化し得るものだと認識し、常に企業の方針や顧客のニーズに寄り添っているものか検証し続けることが重要です。

「*ブランドは社内(社員)と社外(顧客)の双方に影響を与え、経済的な価値を生みます。*そのため、事業資産としてブランディングに全社で取り組むことが大切だといえるでしょう。」(中村 氏)

ブランディングは、事業戦略と表裏一体

それでは、全社でブランディングに取り組むということはどういうことなのでしょうか。

「企業にありがちなのが、ブランディングを事業戦略の中でもひとつの施策、例えばマーケティング広告の施策の中に位置づけていることです。ただ、ブランドの価値と重要性を考えると、ブランディングは事業戦略の全てに関わっている、つまり事業戦略と表裏一体と考えることがあるべき位置づけです。」(中村 氏)

同社は、「ブランドプロミス(=活動の拠り所となる考え方)」が、活動に具現化できているかを4つに分解して検証しています(クアドラントモデル)。

https://ferret.akamaized.net/images/5b583fdefafbd8310b00000a/original.jpg?1532510173

・製品とサービス
・人々と行動
・空間・環境とチャネル
・コミュニケーション

「この4つの領域で、『ブランドプロミス(=活動の拠り所となる考え方)』が具現化されている状態が理想的です。そのために、社内・社外の全てのステークホルダーに対し、ブランドの魅力を実現できる活動と、その成功の確率を高める評判づくりの両立が欠かせません。」(中村 氏)

ブランドの重要性を再認識し、目指す姿や世界観を明確にすることで、1部門のひとつの施策に留まらない、ビジネスに直結したブランディングが可能となるでしょう。