CMSとは、コンテンツ・マネジメント・システム(コンテンツ管理システム)の略称で、Webの専門知識を持たない初心者でも、簡単にWebサイトの運営ができる管理システムのことです。

従来のWebサイトでは、HTMLCSSのようなマークアップ言語を使用する必要がありました。しかしCMSを導入することで、これらの言語を用いることなくWebサイトの運用が可能になります。代表的なCMSであるWordPressは、導入のハードルが低く操作性が良いことから、多くの企業に導入されています。

今回はCMSのメリット・デメリットに加え、導入前に知っておきたいポイントもまとめました。

目次

  1. 【メリット】 CMSの便利な点
  2. 【デメリット】 CMSの不便な点
  3. CMSを導入するにあたって必要な知識
  4. CMSを導入したあとの注意点
  5. まとめ

【メリット】CMSの便利な点

まずは、CMSを導入するメリットを紹介します。

HTML/CSS等の専門知識が不要

CMSの最大のメリットはHTML/CSS等の専門知識を持たずに、Webサイトの運用ができることです。Webサイトの開発をスピーディーに行えるうえに、テキスト入力や画像の挿入だけでレイアウトの整った記事ができあがるため、更新や修正作業も簡単ではかどります。

サイト内のデザインが統一される

CMSを導入することによって、サイト内のデザインが統一されるのも大きなメリットです。CMSを利用すると同じテンプレートでページが増えていくため、ページによってデザインがブレる心配がありません。

PC・スマートフォン・タブレットなど、異なるデバイスから同じWebサイトを見たときにも統一されたデザインになるので、ユーザーにとってストレスのないWebサイトが構築できます。

SNSとの連携がしやすい

Webサイトを運用するにあたり、SNSとの連携は欠かせない要素のひとつです。コンテンツを拡散させるためには、TwitterやFacebookといったSNSをうまく活用する必要があります。

公式のFacebookページTwitterアカウントと連携させて更新情報をお知らせしたり、各コンテンツにSNSの連携ボタンを配置して、サイトを訪れたユーザーの拡散率をUPさせたりできるようになります。

デザイン変更が容易にできる

HTMLで構築されたWebサイトでは、デザインなどを変える際、すべてのコンテンツに影響するファイルに手を加えて変更作業が発生します。

コンテンツを一元管理できるCMSを導入したWebサイトでは、テンプレートを変更するだけで全コンテンツのデザイン変更が可能です。
テンプレートを変えると自動で最適化されるため、レイアウト崩れやリンク切れも防げます。

CMSのテンプレートは無料で使えるシンプルなものから、有料で機能性が高いものまで豊富な種類があり、サイトの目的や見せたいイメージによって選ぶことができるのもメリットのひとつです。

コストが削減できる

初心者でも扱いやすいCMSを導入することで、Web制作会社などに委託することなく自社でWebサイトの運用ができるようになります。

自社でのWebサイト運用は、スピード感ある更新が可能になると同時に、コスト削減にもつながります。更新頻度が高ければ高いほど、効率化の効果は高くなり、CMS導入によるメリットが大きくなります。

【デメリット】CMSの不便な点

CMS導入のデメリットは、どんなところにあるのでしょうか?CMSの不便な点を紹介します。

使いこなせるようになるまで時間がかかる

わかりやすく簡単に操作できるよう工夫されているCMSですが、初心者が運用をマスターするまでには時間を要します。

コンテンツ作成だけならそれほど難易度は高くありませんが、プラグインの導入やデザインのカスタマイズなどを施す場合は、スキルや知識が必要になります。

バックアップが必要

CMSを用いないWebサイト運用では、PC上で作成したデータをサーバーにアップする必要があるため、PC上にもデータが残りバックアップの役割を果たしていました。

しかし、CMSでは最初からインターネット上で作業を行うため、元のデータがPC上に残りません。よって、コンテンツを作成するたびに、別途バックアップを取っておく必要性があります。

キャンペーンページなど、全く違うデザインは作りにくい

CMSはデザインが統一されているため、キャンペーンページなど、従来のコンテンツと全く異なるデザインは作りにくい仕様になっています。

そういったページを作る場合はPHPのスキルが必要になるので、別途Web制作会社等に製作を依頼する必要が出てくるかもしれません。

セキュリティの脆弱性を攻撃される場合がある

近年、CMSを利用したサイトがサイバー攻撃の標的になる事件が頻発しており、なかでもWordPressは世界的なシェアが高いためシステムの脆弱性を狙われやすく、サイバー攻撃を受けやすいと言われています。

多くの場合、脆弱性はすぐにパッチが当てられて修正・改善されますが、リスクがあるということを認識しておく必要はあるでしょう。

CMSを導入するにあたって必要な知識

CMSを導入するにあたって、必要な知識や配慮すべきポイントを確認しておきましょう。

CMSの種類について

CMSにはオープンソース型・パッケージ型・クラウド型の3種類が存在し、それぞれの特徴は以下のとおりです。

【オープンソース型】
ソースコードが公開されており、カスタマイズが自由にできる
【パッケージ型】
ベンダーからCMS を購入して、自社のサーバーにインストールして使用する
【クラウド型】
CMSを提供するベンダーが管理するサーバーに必要なデータを保管し、ブラウザ環境のみで導入できる

それぞれのタイプによってランニングコスト・機能性・セキュリティ・サポート体制などが異なります。

国内製では数種類、海外製も含めるとかなりの数のCMSがリリースされているため、導入先のWebサイトの目的や仕様に合わせ、導入するCMSを検討する必要があるでしょう。

国内シェアNo.1を誇るオープンソース型のWordPressは、中規模までのサイトやブログの運営などには好まれますが、大規模なサイトやオリジナル性の高いサイトには不向きだと言われています。

必要な機能について

Webサイトと一言でいっても、コーポレートサイトやECサイト、ランディングページ、オウンドメディアなど、様々な種類が存在し、それぞれ必要な機能が異なります。

例えば、ECサイトなら決済やカートシステムなどの機能が不可欠ですし、複数人がサイト運営に携わる大企業のコーポレートサイトなら、承認フローやセキュリティ対策に配慮されているCMSを選ばなければなりません。

Webサイトを運用する目的を定め、目的達成のために必要な仕様や機能をまとめた仕様書を作成したうえで、導入するCMSを検討すると良いでしょう。

アクセス数に見合ったサーバースペックについて

CMSはサーバーにインストールして利用します。

サーバーは大きく分けると、以下4種類に分類できます。

・低価格で使える「共用サーバー」
・1台のサーバーに仮想的に専用サーバーを構築する「VPS」
・物理的にサーバーを占有する「専用サーバー」
・サーバーのスペック変更など自由度が高い「パブリッククラウド」

共用サーバーやVPSは安価で手軽に使える反面、アクセス数が集中した際に画面が表示されなくなったり、再構築に時間を要したりするデメリットがあります。

パブリッククラウドはスペックが自在に調整できますが、その分、コストも高くなる傾向にあります。

CMSをインストールするサーバーを選ぶ際は予算だけでなく、自社で展開するWebサイトがどれくらいのアクセス数を見込んでいるかも判断材料にして、慎重に選びましょう。

保守/サポート契約について

定期的にセキュリティがアップデートされるCMSでは、保守やサポートが欠かせません。ボタン操作一つでバージョンアップは完了するものの、プラグインの動作不良などの不具合が起こることも考えられます。

一般的には、事前に開発用のサーバーでテストを行い、問題がないことを確認してから、本番サーバーを更新するという手順を踏みます。本番サーバーで公開後もトラブルなどが起きた場合は、調整作業が必要になります。

この一連のフローを、ベンダーや開発会社などに保守/サポートとして委託することができるのです。

商用としてベンダーが開発したCMSであれば、開発者のベンダーとサポート契約ができますが、オープンソース型の場合は、一般的なWeb制作会社に保守/サポートを依頼する形になります。

Webサイトの保守/サポートは手抜きができない重要な項目ですので、依頼は慎重に検討しましょう。

CMSを導入したあとの注意点

導入後の管理も重要なポイントです。
トラブルや障害を避けるためにチームや担当者間で共有し、対策を進めましょう。

運用担当者を決めておく

CMSを導入し、Webサイトの開発・運営を始める際は、運用担当者を決めておきましょう。

サイトの規模が小さい場合は専任担当者のみで運用しても問題ありませんが、中規模以上であればニュース関係は広報担当、ブログ記事は編集者など、複数人での分業体制にしておきましょう。

負担を分散させることで、各担当者の専門性も高まり効率の良い運営が可能です。
また、アカウントごとに編集権限を振り分けておけば、担当者以外の人がシステムに触れることで不具合がおきることなどもなくなり、スムーズに運用できます。

マニュアルを作成する

マニュアルの作成も、CMS導入後の必須事項といえます。
マニュアルに記載する内容は、導入したプラグインや追加したカスタムフィールドなど、開発時の仕様と導入した経緯、コンテンツを公開する際の業務フロー、ペルソナの設定、文体や漢字・ひらがな・カタカナの統一などが含まれます。

このようなマニュアルを用意しておくと、複数人で管理する際はもちろん、引き継ぎを行う際にも運用関係者の負担が軽くなります。加えて、コンテンツに統一感が生まれるため、サイトの信頼性の向上にも役立ちます。

バージョンアップの際にはマニュアルの内容も更新しておきましょう。

定期的な運用報告/勉強会の開催等、慣れるまでのフォローをする

初めてCMSの操作を行う場合は、マニュアルを作成したのち、担当者に対する教育が必要になります。

CMSのバージョンアップに加え、仕様を変更したり修正に対応したりする場面が頻発することを考えると、運用担当者間での情報共有や定期的な運用報告も怠らないようにしましょう。

慣れるまでそういったフォローにも気を配ると、運用の定着度が上がります。

アクセス解析の導入等、定期的な効果測定の実施

Webサイトを運営するにあたり必要不可欠なのが、コンバージョン率を高めるためのアクセス解析の導入です。

コンバージョンとは、Webサイトを訪問したユーザーに達成してほしい行動を指し、ECサイトなら商品購入、コーポレートサイトなら資料請求や問い合わせ、メルマガ会員登録などのことをいいます。

アクセス解析によって現状のPV数・サイトへの流入経路・ユーザー属性・滞在時間・離脱ページ・検索キーワードなどを把握し、コンテンツの内容やサイト構成の見直しを図りながら、定期的に効果を測定し、コンバージョン率を高めていきましょう。

まとめ

HTMLCSSといった専門知識を習得することなくWebサイトを構築できるCMSは、その便利さから、国内外の多くの企業で導入されています。

しかしCMSにもメリット・デメリットがあり、複雑な構成のWebサイト制作など導入にふさわしくないケースも少なからず存在します。

CMSを導入する際は、Webサイトの設計書を作成して必要なスペックや機能を洗い出したうえで、それに合ったものを慎重に検討すると良いでしょう。