サブスクリプションビジネスの事例11社を紹介
近年、消費者はモノを購入するよりも、体験にお金を払うことが増えました。そうした時代を牽引しているのが「サブスクリプション」と呼ばれるビジネスモデルです。
今回は大手企業の導入も増えつつあるサブスクリプションとはどんなビジネスモデルなのか、そのメリットとデメリットを解説します。
また、大手サービスのサブスクリプションも合わせてご紹介。今後の導入の参考にしてみてください。
目次
サブスクリプションとは
サブスクリプションとは、もともと「定期購読」という意味で、消費者が製品やサービスごとにお金を支払うのではなく、それを一定期間利用できる「権利」に対してお金を支払うビジネスモデルです。
Adobeのソフトウェアが買い切り型からサブスクリプション型に変えユーザーに利用権を与えたことからスタートし、現在は音楽配信サービスのSpotifyやApple musicなどでも採用されています。
消費者はモノを所有することから利用することへと志向が変化しているのです。
定額制との違い
毎月サービスに課金する「月額定額制」のモデルはほぼサブスクリプションと同義に使われますが、この2つには違いがあります。
定額制はただ製品やサービスに同じ金額で継続的に課金してもらうことを指しますが、サブスクリプションはさらに踏み込んで、顧客の必要としているものや顧客満足度に注目しています。
料金プランをいくつかに分けて利用権の範囲を変える、休止可能にする、無料お試し期間を入れて顧客のニーズに答えるなどして、いかに顧客との関係性を継続していくかがサブスクリプションを成功させる要となるのです。
参考:
5分でわかる「サブスクリプション」、単なる定額制との違いは?(※2019年11月時点でページが存在しないためリンクを削除しました)
メリット
サブスクリプションを導入することで、顧客側と企業側の両方にメリットがあります。
顧客側のメリット
・モノを持つ必要がなく、モノを置くスペースや管理する手間もかからない
・利用開始するためのコストが抑えられ、利用開始のハードルが下がる
・期間中は利用し放題のため、使えば使うほど1回あたりの金額がお得
・いつでも解約できる
企業側のメリット
・新規の導入障壁を下げ、利用者増加に期待できる
・継続的な売上として試算できる
・利用者リストや実際に利用された統計データが取れ、今後の改善に利用できる
・デジタル、アナログ問わずさまざまな業界や業種で導入できる
顧客側にも企業側にも多くのメリットがあるため、近年サブスクリプションを導入する企業が増えているのです。
デメリット
一方でサブスクリプションによって顧客側、企業側の両方にデメリットもあります。
顧客側のデメリット
・使わなくても料金は発生する
・利用開始のハードルが低いからこそ、いろいろ契約してしまい費用がかさみやすい
・使わない機能や興味のないサービスも含まれている
企業側のデメリット
・サービス開始直後のユーザー数が少なく、即利益にはつながらない
・新鮮なコンテンツを取り入れ続ける必要がある
・新鮮なコンテンツを入れるためのコストがかかる
サブスクリプションを開発する際には、こうしたデメリットを解決するための施策も考えてみると良いでしょう。
サブスクリプションビジネスにまつわるマーケティング用語・指標
サブスクリプションビジネスをより深く理解するために、同時に考えられることの多いマーケティング概念を説明します。
・LTV(顧客生涯価値)
サブスクリプションビジネスにおける顧客単価は一般的に「LTV(Life Time Value、顧客生涯価値)」で管理しています。LTVとは、顧客が生涯を通じてもたらされる利益のことを指し、一般的には商品やサービスへの愛着が高いほどLTVが高まるとされています。
顧客がサービスを使い始めてから使い終わる(解約)までの支払総額になるので、LTVが高いということは長期にわたってサービスを利用してくれているということと同義です。解約をせずにサービスを使い続けてもらうために、カスタマーサクセスの概念と合わせて重要視する企業が増えてきています。
・ChurnRate(解約率)
Churn Rate(チャーンレート)とは、解約率を表す指標です。サブスクリプションビジネスにおいて、解約率は常に対策を講じなければならないものであり、サービスによっては退会率や離脱率と表現されることもあります。
Churn Rateは【月間の解約利用者数÷月初の利用者数】で算出され、月初にいる利用者のうち、月末までにどれくらいが解約してしまったのかを表します。
Churn Rateを毎月追うことにより、ユーザー数の動向予測が可能となり、中長期的な計測により事業に大きなインパクトをもたらす、重要な指標といえます。
・MMR(月間経常収益)
MRR(Monthly Recurring Revenue、マンスリーリカーリングレベニュー)は、月間経常収益のことで、利用者が増えると増加し、利用者が減ると減少します。毎月得られる利益のことを表すので、月間定期収益や、月次経常利益と表現することもあります。
利益の増加や減少の分析は、サービスや戦略の適切な見直しへとつながります。MRRの測定により、サブスクリプションビジネスでどのくらいの利益を獲得できているか、今後起こすべきアクションは何かが具体化されます。
大手有名サブスクリプション8選
実際にどの企業がどんなサブスクリプションサービスを展開しているのでしょうか?最後に、大手サービスのサブスクリプションをご紹介します。
Hulu
動画配信サービスの中でも屈指の作品数を誇るHuluは、月額933円(税別)でスマホ、PC、タブレットなど多くの端末で動画を視聴できます。
さらに、日本テレビと連携しているため日テレオンデマンド内のコンテンツも視聴可能。
特に国内のドラマやアニメなどの作品に強く、一度放送された作品の見逃し配信もあります。
Kindle Unlimited
電子書籍を読み放題のサブスクリプションといえばKindle Unlimited。
日本の書籍や雑誌、コミックはもちろん、洋書も多数取り揃えて月額980円(税込)、30日間の無料お試し期間付きです。
Kindle端末はもちろん、PCやスマホからでも読めて持ち歩きできるのが魅力。
月に何冊も本を読む人や、書籍は読みたいけどあまりお金をかけたくない人のニーズを満たしています。
PlayStation Now
PlayStation Nowは従来のゲームソフトの購入を不要にして好きなゲームを好きなだけプレイできるサブスクリプションです。
月額2,315円(税抜)とやや高めですが、約400タイトルがストリーミング経由でプレイし放題になるので、いろいろなゲームを触ってみたい人におすすめ。
気に入ったゲームがあれば継続を休止し、そのゲームを購入してしばらく集中してプレイするという遊び方も可能です。
Dyson Technology +
ダイソンの家電を自宅で利用できるサブスクリプションサービスです。
掃除機、空気洗浄機、ヘアドライヤーなど気になる商品が試せるので、ダイソンの家電を使ってみたい人におすすめ。
月額1,000円からと出費も少ないので、1ヶ月で解約して気に入った家電は購入するという使い方もできます。
MECHAKARI
ファッションサブスクリプションの代表格でもあるMECHAKARI(メチャカリ)は独特なサービス内容となっています。
月額5,800円(税込)でレンタルできる洋服はすべで新品・新作のアイテムで、返却期間がありません。
さらに気に入った洋服を60日間続けてレンタルすると自分のものになるというシステム。
いろいろな服を着てみたい、本当に気に入った服だけ欲しいという女性からの人気が高いです。
Laxus
57の有名ブランドのバッグを月額6,800円(税込)でレンタルできるLaxusは、広告などで見て知っている人を人も多いのではないでしょうか。
高級ブランドのバッグは購入できなくても、定額で好きなバッグを自由にレンタルし放題のこのサービスは多くの女性を魅了しました。
往復送料は無料で返却期限もなし、さらに料金の中にキズや汚れの保証料も含まれているため、ユーザーは安心して利用することができます。
Araeru
Araeru
Araeruは月額4,000円から24時間365日いつでも指定のコインランドリーで洗濯・乾燥ができるコインランドリーのサブスクリプションです。
プランの中には洗濯から乾燥、畳むまでをやってくれる預け放題プランもあります。
スマホでコインランドリーの空き状況を確認することもでき、家事の時短や効率的に済ませたい人が利用しています。
coffee mafia
coffee mafiaでは月額3,000円からの会費を払うことで、1杯300円のラージコーヒーを無料で飲めるだけでなく、対象のドリンクも240円引き、アルコール飲料も280円で注文することができます。
カフェで仕事や作業をすることが多く、何度も通う機会がある人は利用すればするほどお得になっていくのが魅力です。
Microsoft Office 365(ウェブサービス)
Word、Excel、PowerPointなどでおなじみのMicrosoft Officeソフト。買い切りのイメージを持っている方も多いですが、実はここ数年サブスクリプション型へと移行しています。Officeソフトは3年ごとにバージョンが更新されます。買い切り型であればバージョンアップはできませんが、サブスクリプションでなら常に最新のバージョンを利用できます。
Apple Music
サブスクリプションビジネスで最も競争の激しいジャンルが「音楽」です。音楽のサブスクリプションサービスの多くは、「月額〇円で聴き放題」という形をとっています。Apple Musicはアップル社のサービスで、約6000万曲のなかかからストリーミングでどれでも聴くことができます。Apple Music以外にも、SpotifyやAmazon Musicなどさまざまなサービスが登場しています。
Provision
六本木 大人のフレンチレストランProvision(プロヴィジョン)
7ワイドショーや情報番組でよく取り上げられています。Provisionは六本木にある高級フレンチレストラン。「月額30000円で1カ月の間に何度来てもいい」というサービスをおこなっています。
グループに1人会員がいれば、その人を含めて4名までサービス対象となるので、1回行けばほぼ元が取れます。お店側にとっては売り上げの波がなくなり、安定した経営につながります。また、基本的に予約で席が埋まるので、仕入れの量をコントロールしやいメリットもあります。
サブスクリプションモデルでビジネスを展開
サブスクリプションサービスは昔ながらあったビジネスモデルでしたが、近年の消費者ニーズに合わせて急速に普及してきました。顧客数を増やし、より長く継続してもらえれば、単品を購入してもらうよりも高い収益が見込めるモデルでもあります。
これからビジネス展開することを考えている方は、サブスクリプションの導入も検討してみましょう。
もっとサブスクリプションを知る
リアル店舗にも波及するサブスクリプションモデルとは?普及の理由と導入のポイント
利用期間によって課金される、サブスクリプション型のサービスが様々な業界で用いられるようになっています。今回は、普及の背景と導入の際のヒントをご紹介します。
サブスクリプションビジネスの成長率は7年で300%超え Zuoraがサブスクリプション・エコノミー・インデックスの最新版を発表
2019年4月11日、米国でサブスクリプションビジネス支援事業を行うZuoraが、サブスプリクション・エコノミー・インデックス(以下SEI)の最新版を発表しました。 サブスクリプション・エコノミー・インデックス(SEI)とは、サブスクリプション・ビジネスの収益化のためのプラットフォームを提供しているZuoraが、その蓄積されたデータを使い、サブスクリプション・ビジネスの成長データをまとめたものです。
- ページ
- 印刷物のカタログやパンフレットは、通常複数のページから成り立っています。インターネットのホームページもまったく同じで、テーマや内容ごとにそれぞれの画面が作られています。この画面のことを、インターネットでも「ページ」と呼んでいます。ホームページは、多くの場合、複数ページから成り立っています。
- リンク
- リンクとは、インターネット上では、あるページの中に記された、他のページの所在を表す情報のことを「ハイパーリンク」と呼び、これを略した言葉です。リンクのある場所をクリックすると、他のページにジャンプするようになっています。
- マーケティング
- マーケティングとは、ビジネスの仕組みや手法を駆使し商品展開や販売戦略などを展開することによって、売上が成立する市場を作ることです。駆使する媒体や技術、仕組みや規則性などと組み合わせて「XXマーケティング」などと使います。たとえば、電話を使った「テレマーケティング」やインターネットを使った「ネットマーケティング」などがあります。また、専門的でマニアックな市場でビジネス展開をしていくことを「ニッチマーケティング」と呼びます。
- 単価
- 商品1つ、あるサービス1回あたり、それらの最低単位での商品やサービスの値段のことを単価といいます。「このカフェではコーヒー一杯の単価を350円に設定しています」などと使います。現在、一般的には消費税を含めた税込み単価を表示しているお店も少なくありません。
- LTV
- LTVとは、Life Time Value の略で、ある顧客1人または1社が、企業にもたらす価値の総額のことを言います。
- LTV
- LTVとは、Life Time Value の略で、ある顧客1人または1社が、企業にもたらす価値の総額のことを言います。
- 離脱率
- 離脱率とはホームページを見ている人が、そのホームページから去り、アクセスの記録などを取れなくなる状態の割合のことを言います。ホームページ運営者はどのページでユーザーが離脱(去った)のかをチェックし、改善に役立てることが多いです。
- タブレット
- タブレットとは、元々「板状のもの」「銘板」といった意味の単語です。パソコンの分野で単にタブレットといえば、「ペンタブレット」や「タブレット型端末」などの板状のデバイス全般を指します。ここでは主にタブレット型端末について説明していきます。
- コンテンツ
- コンテンツ(content)とは、日本語に直訳すると「中身」のことです。インターネットでは、ホームページ内の文章や画像、動画や音声などを指します。ホームページがメディアとして重要視されている現在、その内容やクオリティは非常に重要だと言えるでしょう。 なお、かつてはCD-ROMなどのディスクメディアに記録する内容をコンテンツと呼んでいました。
- タイトル
- ホームページのソースに設定するタイトル(title)とは、ユーザーと検索エンジンにホームページの内容を伝えるためのものです。これを検索エンジンが認識し検索結果ページで表示されたり、ユーザーがお気に入りに保存したときに名称として使われたりするため、非常に重要なものだと考えられています。「タイトルタグ」ともいわれます。
- 広告
- 広告とは販売のための告知活動を指します。ただし、広告を掲載するための媒体、メッセージがあること、広告を出している広告主が明示されているなどの3要素を含む場合を指すことが多いようです。
- リンク
- リンクとは、インターネット上では、あるページの中に記された、他のページの所在を表す情報のことを「ハイパーリンク」と呼び、これを略した言葉です。リンクのある場所をクリックすると、他のページにジャンプするようになっています。
おすすめ記事
おすすめエントリー
同じカテゴリから記事を探す
カテゴリから記事をさがす
●Webマーケティング手法
- SEO(検索エンジン最適化)
- Web広告・広告効果測定
- SNSマーケティング
- 動画マーケティング
- メールマーケティング
- コンテンツマーケティング
- BtoBマーケティング
- リサーチ・市場調査
- 広報・PR
- アフィリエイト広告・ASP
●ステップ
●ツール・素材
- CMS・サイト制作
- フォーム作成
- LP制作・LPO
- ABテスト・EFO・CRO
- Web接客・チャットボット
- 動画・映像制作
- アクセス解析
- マーケティングオートメーション(MA)
- メールマーケティング
- データ分析・BI
- CRM(顧客管理)
- SFA(商談管理)
- Web会議
- 営業支援
- EC・通販・ネットショップ
- 口コミ分析・ソーシャルリスニング
- フォント
- 素材サイト
●目的・施策
- Google広告
- Facebook広告
- Twitter広告
- Instagram広告
- LINE運用
- LINE広告
- YouTube運用
- YouTube広告
- TikTok広告
- テレビCM
- サイト制作・サイトリニューアル
- LP制作・LPO
- UI
- UX
- オウンドメディア運営
- 記事制作・ライティング
- コピーライティング
- ホワイトペーパー制作
- デザイン
- セミナー・展示会
- 動画・映像制作
- データ分析・BI
- EC・通販・ネットショップ
- 口コミ分析・ソーシャルリスニング