各社の広告施策評価

村岡氏:
今回、事前に各社さんに広告施策をオンラインとオフラインごとに、それぞれ「認知・新規獲得・既存顧客向け」で◯、✕、△の三段階で評価していただいたので、それをもとに話を進めていければと思います。

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各社の「認知」の評価

村岡氏:
まず傾向として面白いのが、各社さん認知がデジタルもオフラインもうまくいってないんですよね。結構CMを打たれていたり、ブランディングに力を入れてこられた会社さんだと思っていたので、ここにギャップがありそうだなと思うのですが、例えばカネボウさんはここに関してはどのように評価されていますか?

中根氏:
やっぱり売上ベースで考えていくと、新規のお客さんを獲得して年間の売上をいくら作ったのかって、見てみると本当に少ないんです。既存のお客さんの売上を考えてみると、こういった評価にせざるを得ないんですよね。

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村岡氏:
売上から考えると認知はこういう評価になってしまう、ということですね。顧客を獲得したいダイレクトレスポンス側と、より大きくブランドを創造していきたいブランディング側とが社内で争ってしまうこともあるのでしょうか?

兒嶋氏:
これは実際にありますね。うちは化粧品をダイレクトチャネル専売でやっていたので、どちらかというと認知にも手を出していく、みたいな状況なんですね。そのなかで、CPOを指標に置いてしまうと、認知の評価は悪くなってしまうのは当然なんですね。なので、役割をきちんと分けて別々の財布でやっていくように思考を変えないと成り立たないですよね。

村岡氏:
それをやってしまうと、メディアプランニングを別々の利害関係者に対して別々の運用でやっていく、といういびつな構造になってしまう気もするのですがいかがでしょう?

兒嶋氏:
グロスでかかった費用でちゃんとROIが分かる人がいれば問題ないですね。

新海氏:
うちはそういった争いみたいなものはありませんね。そもそも事業成長のためにどれくらいの新規獲得が必要なのかが決まっていて、そこで予算も決まっています。

また、プロモーションで態度変容を仕掛けても、本当にその施策によるものだったのかを見てみると、費用対効果が合わなかったり、あとは必ずしも認知されていなければお客さんは買わないのかというとそうではなく、たまたま見つけて購入するケースも大いにあるので、マスなどを用いた大掛かりなブランディングには必要性を感じていません。

認知に関しては、アシスト的にレスポンスを引き上げる役割だと思っていますが、数字としてきちんと立証はできていないですね。